アゲハ「あれ?エマちゃんはお肉じゃないの?」
エマ「私、生っぽいお肉、ダメなんです」
アゲハ「え、そうなの……?」
エマ「ところで!!」
エマは突然、勢いよく立ち上がる
エマ「あ、あの…アゲハさ…じゃなくてアゲハちゃん!!////」
アゲハ「?」
エマ「その、単刀直入に申し上げますっ!
私、アゲハちゃんの事が、す…す……ッ!!///////」
エマは顔をトマトの様に真っ赤にさせ、ナプキンをギュッと握りしめて
何かを言おうとする
そして、どもりにどもりまくって遂に……!!
エマ「好きッ!!///////」
やっとの事で言い放ったアゲハへの愛の告白!!
その途端、エマの様子が急変する
エマ「うぐッ…」
エマの体内で、何かが起こっている
エマ「ぐあッ!ぐるるるるッ!!」
アゲハが心配の声をかける暇もなく、エマは髪を振り乱して苦しんだと思いきや、
醜い蛇の魔獣へと変わってしまった!!
魔獣「シャ―――ッ!!」
アゲハ「え…エマちゃん…?」
アゲハは茫然として、エマだった筈の魔獣を見つめる
魔獣は、勢いよく飛ぶと、先端の尖った尻尾を天井に突き刺して垂れ下がり、
牙を剥き出してアゲハに威嚇してくる
魔獣「シャ――――ッ!!」
魔獣の大きな顔はアゲハのすぐ目の前にあり、
チロチロと動いてる舌がアゲハの髪の毛にくっつきそうだ
アゲハ「………」
ショックで動けない隙だらけのアゲハ目掛けて、魔獣は身体を振り子のように揺らし、
アゲハ目掛けて体当たりしようとする
魔獣の体がアゲハに当たりそうになった寸前で、ジンペイが猛ダッシュで
此方に来て、跳びながらアゲハを抱いて2人して床に勢いよく転がった
ジンペイ「アゲハ、大丈夫か!?」
アゲハ「うん……ていうか、なんでここに!?」
ジンペイ「なんでって……そりゃアゲハがピンチだったから?
……って、あっぶね!!」
アゲハとジンペイが会話してるのを魔獣が待ってくれるハズがない
魔獣はお構いなしで体を丸め、タイヤの様に高速で回転しながら2人に襲い掛かる
ジンペイは慌ててアゲハの腕を引っ張って、もう片方の手で、
近くにあるワゴンの上にあるローストビーフを引っ手繰りながら後ろに隠れた
魔獣「シャ―――ッ」
次々と攻撃してくる魔獣を、ジンペイは右腕でアゲハを抱き、
左手でローストビーフの乗った大皿を持ちながら華麗に躱していく
先程から好き勝手暴れまくる魔獣のお陰で、レストランは滅茶苦茶。
魔獣は、窓ガラスを突き破ると、近くを歩いているカップルに襲い掛かる!
メラ「危ない!」
メラは、咄嗟にカップルの前に飛び出し、魔獣の攻撃を庇う
背中に打撃を喰らったメラは呻き声を上げる
メラ「くッ!」
メラは魔獣を追いかけようと体制を立て直すが、魔獣は、
T字路になっている道路を俊敏な動きで曲がり、あっという間に姿が見えなくなった
メラ「くそッ…」
少しして、アゲハを抱えたジンペイが口にローストビーフを咥えた姿で割れた窓からひょいッと出てきた
コマ「ジンペイ君…そろそろ降ろしてあげなよ」
ジンペイ「んあ?…ああ、ごめんごめん。軽すぎて忘れてた」
ジンペイはアゲハを優しく地面に降ろす
フブキは魔獣が去った方角を見つめ、確信めいたように呟く
フブキ「やっぱり…エマさんは、アゲハちゃんに恋心を抱いていたのよ」
ジンペイ「それが、なんでこうなるの?」
緊張感の全くないジンペイは、ローストビーフをもぐもぐしながらフブキに尋ねる
フブキ「この学校には、恋愛したら学校を去ることになる、『恋愛禁止の呪い』が存在しているの」
フブキのその言葉に身を乗り出すコマ
コマ「あ、それ知ってます!この学校にある、『学園七不思議』の1つですよね?」
マタロウ「七不思議?」
コマ「この学校にはあるんだよ。生徒に恐れられている恐怖の七不思議が―――ッ!!」
声のトーンを急に大きくしながら言うコマに、マタロウはゾクッとして息をのんだ
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