第1話「運命の出会いは突然に 」
📕視点
📕
「あ〜…だるっ」
今日も今日とて仕事を熟す。
ほんとボスも若頭も人使いが荒い!
今日は元々非番だったのに〜(泣)
そんなことを考えていたら、突然ポケットに突っ込んでいたスマホが震える。
仕事中にかかってくることなど滅多にないのに…とりあえず出てあげようと思って応答ボタンをスライドした。
🎤
『もしもーし』
📕
「きんさん?仕事中に電話かけるなんて珍しいじゃーん。」
🎤
『急遽非番が潰れたBroooock君の様子をね?』
📕
「ちょっと!それ煽ってるでしょー!」
🎤
『さぁどうだろうね〜』
📕
「もう…じゃあ今から帰るとこだし話し相手になってよ?」
🎤
『いいよw』
煽りに来られたのはムカつたので、暇ついでに話し相手になってもらう。一人で帰るのも寂しいしね!!うんうん!
🎤
『汚れてないなら大通りから帰りなね。 後ろ着けられても困るから。』
📕
「分かってるし、僕はそんなヘマしませーん。」
🎤
『この間やらかした癖に?w』
📕
「う、うるさいっ!!」
先週の仕事で僕はやらかしてしまった。
それもきんときが一緒の仕事に入っていたもので、内容はどっかの知らないお偉いさんの護衛。
いやぁ、突っ込んできた車のタイヤパンクさせようと思って発砲しただけなんだよ?まさかお偉いさんの方に車がスリップするなんて思わないじゃ〜ん!
📕
「はぁ…」
薄暗い路地裏から大通りへ足を踏み出す。
沢山の人が行き交う大通り。それはいつもと変わらない光景で、僕にとっても見慣れた景色だ。
しかし、今日は違った。
せかせかと行き交う人々の中で、一際美しく見えたもの。
ふと顔を上げたその先で、僕の視線は吸い込まれるように注がれた。
📕
「っ…綺麗…」
🎤
『?…Broooock?』
僕の視線を誘い込むアメジストの瞳
透き通った鼻に、薄い唇
少しはねたダークブラウンの髪
気怠げに丸まった背中なんてもはや可愛らしい
きっと彼は、僕の運命の人だ───
そう思った瞬間、僕は走り出した。
任務でターゲットを追う時よりも、怒ったきりやんから逃げる時よりも、ずっとずっと速く。右に左に流れる人の波を掻き分け、走った。
📕
「あのっ!」
😊
「?…俺ですか?」
走り抜けた先で声をかければ、目的の彼がゆるりと返事をした。人違いでは無いのかときょろきょろ周りを見渡す様はどこか愛らしい。
とくんと胸が高鳴る、やっぱり君が僕の運命の人なんだ!
📕
「あのっ!…結婚して下さい!!!」
🎤
『!?!?ww』
ここが公衆の面前であることも、僕がきんときと通話中だということも忘れ、ただただ必死に愛を述べる。
だって運命なんだよ!?そう易々と逃がしたくないでしょ!
そして僕の言葉にしばらく長考していた運命の彼は、ゆっくりと、確認するかのように口を開いた。
😊
「えっ、と…どちら様ですか… ?」
「どこかでお会いしたこと、ありましたっけ? 」
📕
「いや!ないよ!!」
😊
「はぁ…?じゃあ人違いでは?」
📕
「ううん!間違いなく君!!」
😊
「えぇ…」
理解不能だとでも言いたげに目を細められる。それでもアメジストの輝きは消えなくて、むしろより綺麗にまで見えた。
僕がおかしい?ううん、そんなことない!!
😊
「とりあえずここで話すのもあれなんで、近くのカフェにでも入りません?」
📕
「!!全然いいよ!僕が奢ってあげる!」
😊
「いや流石に…」
📕
「いいのいいの!遠慮しないで〜」
だって実質デートじゃん、ねぇ!?
ここでかっこいい一面を見せなくてどうする?って話!
😊
「まぁ、とりあえず移動しましょう。」
📕
「はーい!」
僕はきんときと通話を繋げたままなことも忘れ、近くのカフェの方へ歩き出した。
To be continued.
コメント
5件
設定がもう神すぎる!
はいかわいい優勝🏆😇