「おはよ」
そんな言葉で目が覚めた。
誰かの手が僕の頭を優しく撫でる……暖かくて優しい手つき。
手の主を見るとそれはhukaだった。
「huka!?えっと…どうしたの?」
僕が戸惑いながらもそういうと、hukaは少し驚いた後、ハッとした表情を浮かべて僕に小さく何度も頭を下げた。
「ごめんね…hukaはこんなことしないよね。」
彼女はそう言うと、僕の目をこれでもかと合わせないように下を向いていた。
「君はhukaだから…君の好きにしなよ」
僕がそう言うと彼女は少し目を見開いたあと、ニコッと微笑んでいた。
「Fukase起きたの?」
ふと声のする方に視線を送るとそこにはマスターが居た。
「マスター、おはよ」
「うん、おはよう。昨日は寝れた?」
「うん…やっと寝れたよ」
僕がそう言った時。
マスターは微笑んでいたが、hukaは心配そうな目つきで僕のことを見ていた。
きっとこのhukaは優しい子なんだろうな。
なんて思いながらも…やはり前のhukaを求めている自分がいた。
「Fukase、ちょっといい?」
マスターはそう言うと僕の肩に優しく手を乗せて、真剣そうな顔でこちらを見ていた。
マスターに連れられ、部屋の廊下へ歩を進める。
「hukaのことなんだけどね。」
マスターは少し口ごもらせながら話していた。 目が泳いでいる。
きっと何か大切なことなのだろう。
「hukaは感情があまりないんだよ…最新AIは入っているけどAI過ぎて初期の感情が芽生えなかったみたいでね…」
マスターは今のhukaには前のような態度を取る感情もないというのだ。
前のhukaが戻ってこないなんて心では分かって居た。
それでもいざ目の当たりにすると心が黒く染るような感覚に陥ったんだ。
「これ。行ってきてくれる?」
マスターはそういうと、僕に何かの紙切れを2枚渡してくれた。
現在公開可能な情報
hukaは最新AI搭載のAIVOCALOID機能だが、AI機能が最新すぎるばかりにFukaseらのような感情が芽生えなかった。
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