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「私に期待はしないでね」
最初に言った言葉をこの男は忘れたというのだろうか。それとも、絆されたとでも言うのだろうか。
「なんで俺だけ見てくれないの?」
営業スマイル、甘いだけの薄っぺらい言葉。ただのリップサービス。
均等に、抱きたいと言いよる相手に向ける営業スマイル、甘いリップサービス、それらを永遠と、それこそ死ぬまで ピュアなフリをしてかけるのが私の心情だ。
だから反省とか求められても困るのだ。そんな怒らないで、だって私は最初に忠告したじゃない。
他の男といたのを見たとかホテルから出てきたとか、なんで、どうして。嫉妬にまみれた言葉はただみっともないから、哀れ 勘違いした純情な彼にかける言葉はたった一言。
「ご愁傷さま。そろそろこの関係終わらそうか」
「なんでっ…」
別に貴方だけが特別じゃない。ただ、心の間仕切りもないだけ。なんでこうなるのかなー…なんて宙を見上げると 凡そ引き止められると思っていたのだろう絶望した様子で彼が肩を落とす。流れる沈黙。
嫌だな、重い空気は私みたいなのには似合わない。
「他に言いたいことがないなら、私はこれで…」
立ち上がった私に彼は慌てて
「じゃあ最後に酒だけでも奢るよ。美味しいところ知ってるんだ」
そう声をかけた。
その目は爛々と光っている。もったいない精神だかなんだか。
あぁそう、帰したくないですか。
じゃあ私もせいぜい美味しく頂いて…いや、頂かれてあげよう。
美酒に酔いにしれれば最後は決まって行き着く場所はただ一つ。
「もう一回だけ、ね?」
簡単なこと、ただアピールすればいい。釣れた魚は皆大きいのだから。
もっと、もっと愛してくれていいんだよ。私は皆のものなんだから。
end♡