──────rkさん視点──────
hnが俺に近ずいてくる。いつもなら、満面の笑みで向かいれるが、今だけは訳が違う。
俺は、hnにだけは傷ついて欲しくなかった。その為なら俺はどんな罪も、どんな罰も受けるつもりだったのに。俺にとっての一番の罰と罪が同時に現れたのだ。
俺は生まれて初めてhnから1歩下がった。2歩下がった。今だけhnが死神のように見えた。
「rk兄ぃ…rk兄も私を仲間はずれにするの…?人間としての寿命を受け入れろっていうの…?」
hnの酷く悲しそうな顔と、震えた手、声、悲しそうな瞳がうるうると揺らいでいる。
俺は、最も重い罪を犯した。それは、hnを悲しませたことだ。それだけはしてはいけない。あの日、あの時、誓ったのに。
俺はhnを悲しませるというその禁忌に触れ、それを犯してしまったのだ。それは一生の不覚である。
俺は、今も尚後退しようとする愚かな足を前へと踏み出し、近ずいてくるhnを両手で受け止める。
俺はhnを傷つけたくない。ただそれ以上にhnを…悲しませたくないのだ。
hnに最後の質問、いや、最終確認を行う。後でドッキリだったのに!て怒られてもしょうがないからだ。
辺りには夜の匂いに混じって鉄の匂いが充満し、赤色の花々が草木に付着する。俺が知っている中で汚い人間が唯一綺麗になれる方法だ。
「…hn、いいんだな?後戻りはできないぞ?」
俺は最終警告を行う。この世で唯一綺麗で可愛らしい人間が今、この瞬間いなくなることによって人間の価値は消える。当たり前のことだが。
hnは明るく笑みを振りまく。天使の笑みといっても過言ではなかった。噛まれるなんて怖いはずなのに、その恐怖が伝わらないほどの表情。しかし、声は震えていて、やはり噛まれることは怖いってことが伝わる。
「うん…ッ!rk兄…ッッ!!!お願いッ」
最高の泣き笑顔で、自らの首筋を出してくる。昔と比べれば服らしい服を着れていて良かったと思う反面、俺よりも良い服を着せろよ、と悪態をつく。hnはそんな俺の思いも知らないで色白な肌をむき出しにしている。その肌には赤い傷跡が残っている。その傷跡は生々しく、痛々しく、俺はさらに人間への業を煮やす。しかし、この傷も眷属にすれば消えると思えば、噛む罪悪感も薄れていく。
「じゃあ…噛むぞ…?」
「うん!ばっちこいだよ!!」
強がるhnも可愛い、なんてこんなにも妹に狂っている兄はいないかもしれない。まあ、唯一無二で特別感があってもいいかもしれない。
なんて、あまり共感されないことを考える。俺は、初めてhnに牙を剥く。守るための牙を、血を吸うために使うなんて…昔の俺が聞いたら黙ってはいないだろう。
それでは、謹んで…いただきます…♡
痛まないように軽く牙を剥き、露出された首筋に牙を落とす。
カプッ
噛む時にこんなにも軽い音が鳴るのは初めてだった。なるべく痛まないように最新の注意を払って。
眷属化の方法。それは、1部の吸血鬼にしかできない特殊なもの。俺はその特殊な部類のもので、いわゆる真祖と言われるものだ。
まあ、詳しく方法を言うと、吸血を2回行わなければならないのだ。まあ、そんな事を説明する必要はないと思うが…
なんて思いつつ、俺の血をhnに牙を通して注ぐ。
──────ルカさん視点──────
はっと意識を戻す。遠い昔の記憶を思い出していたようだ。久しぶりの記憶に浸っていた。…人間を嫌いになった理由を思い出した。
…今まで、何人もの人間を見てきた。命乞いするもの、hnの命を狙うもの、襲いかかってきたくせにこちら側を敵に仕立て上げるやつ…色んな奴がいた。
1度だけ、1度だけ命乞いをしていたやつを逃がしたことがある。間違えてしまったのだ、と。まだまだ子供だったし、間違えてきただけの子供を俺は殺さなくていいだろうと思い、逃がしてしまったのだ。
hnには注意されたが、その時はまだ俺にも慈悲はあったし、優しさもあった。なんなら感情としては人間と似ていたし、hnと同じ種族だし…なんてひたすら自分に言い訳していた。
──────その選択が間違いだとも知らずに。
その子供は能力で子供に化けただけの大人だった。そいつは、吸血鬼に殺されかけたと訴え、ヴァンパイアハンターを吸血鬼の土地に呼び込んだのだ。
…俺には十字架は効かないし、日光も肌が痛むだけでダメージは入らない。個体値としては強い方だった。
しかし、それ以外はそうとは言えなかった。
十字架をネックレスとして掲げ、俺達の味方を大幅に弱体化させてから、銀のナイフで俺たちの心臓を的確に潰しにくる。
その時にあったのだ。月を背後にたたずむ、裏社会で『死神』と謳われる彼女を。
彼女は、人間と名乗っているのに人間に敵対し、ヴァンパイアハンターを蹴散らし、俺らの種族を助けてくれた。そのことを俺は一生忘れないし、恩返しは必ずするのだ。
ここで切ります!!!充電少ないながらも粘りました!粘り勝ちです!!
前回ちょうど70話だったんですが、イラスト載せ忘れたんですよねぇ…正確には間に合わなかったんですけど…
てことで載せます!!嫌な人、全力スクロール!!
…なんでメテヲさんかって?それは、7人目に会ったのがメテヲさんだからですね〜…これからは出会った順で書いていきます!!
改めて!!70話まで続きました!!これからもがんばっていきますので!これからも応援よろしくお願いします!!100話このままだと超えそう…!!飽きないでぇ…
てことで!!おつはる〜
投稿出来てませんでした…!!保存して満足してました…
コメント
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最後の…流石にめめさんかな?かっこいいわね〜