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僕の話。(フィクション)

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僕の話。(フィクション)

1 - 僕の話。(フィクション)

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2024年09月23日

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教室に入ると声が聞こえる。

あいさつされた。

あいさつし返した。

おはよう、みんな。


今日の時間割を確認する。

えーっと、音楽・数学・理科・国語・英語か。

今日は月曜日だから5時間だ。

保体が入っていないと分かった僕はほっとした。

ほっとした。うん。

まあ、今日は雨が降っているからどのみち体育はなかったと思うけど。

、、、。

保健も嫌だ。

あの先生、好きじゃないし。


昔っから友達は男の子のほうが多かった。幼稚園の頃なんて男の子と警察官ごっこしかしてなかったし、小学校に上がっても変わらずだった。

スカートもタンスから消えた。フリフリのワンピースも。

いつしか僕の服は年中半袖短パンになっていた。

高学年になってから、僕は何なんだろうと、疑問が湧いた。


5年生で学校にあまり行けなくなって母さんと喧嘩したりもした。

6年生はそれなりに頑張った。学校も結構行けていた。卒業文集が頭に良く残っている。

中学1年生は2学期から遅刻が多くなった。自分の性別がわからなくて、学校が怖くて。義務教育にムカついて。3学期に心を入れ替えたと決心して乗り切った。

中学2年生、今は1学期。クラス分けは最悪、うるさいし先生は気弱。

明日はどうなるだろうか。保体があるんだよな。


夜、風呂に入る。なるべく鏡を見ないように、自分の身体を見ないように。

布団に入る。考える。明日、どうしよう。

休みたい、行きたくない、でもどう言えば良いんだ。


ぐるぐるぐるぐる。考える、考える。

母さんの声で目を覚ます。

いつも起こしてくれてありがとう。


下に降りる、、降りられない。足が動かない。部屋から出られない。

母さんが上がってくる。僕の部屋をノックする。

僕はついに言ってしまった。

「行きたくない。」


なんで?

母さんは聞いてきた。

僕はだんまり。


結論から言うとその日は遅刻して学校に行った。

これを皮切りに遅刻、休み、遅刻、早退、遅刻と行けなくなっていった。


7月後半、明日から夏休み。終業式はさすがに出ろと言われ、渋々学校に朝から行った。


夏休み終了一週間前、男友達が3人くらい泊りに来た。

そのうちの一人が、心は男でも生物学上は女なんだから性転換しても戸籍変えても女は女だって言った。

僕は反論した。そんなことはないと。自分に言われた気がして、悔しくて。

結局、ご飯でその話はおじゃんになった。


友達が帰っても僕は考えていた。

性別って何だ。僕は何だ。


僕は生物学上、女だ。でも、女の子が好きだし(男の子も好きだけど)服もすべてメンズだ。言葉遣いもきれいとは言えない。


夏休みが終わる。

明日は始業式。行かなければ。


9月に入った。

僕は相変わらず学校に行けていない。行っても1時間だけとか。

最近ずっと考える。もし明日起きて男になっていたら。そんな都合のいい妄想で眠りにつく。


僕は何なんだ。なんで生まれたんだ。何のために。生きるために?

そりゃそうか。男が良かった。俺って言いたい。下ネタで盛り上がりたい。考えれば考えるほど泣きたくなる。

難しい。いっぱい調べたりしてみた。学校に頼んでプールは出なくてもいいようになった。おかげで保体の通知表には斜線がついたけど。


もっと人を好きになってみたい。告白とかラブレターとか書いてみたい。でも僕が渡したら確実に振られるだろう。

虚しい。


僕は何?気持ち悪い。


教えてくれ。言ってくれ。君はそのままでいいと。


思春期と混ざった僕の思考は今日もこんなことを考えている。




この話は、フィクションです。


≪あとがき≫

どうも、カイトです。

初投稿がこんな暗い話になって申し訳ない限りです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

保体の斜線は僕の実体験です。



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