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「君を、閉じ込めてでも」
(マナ視点)
スマホに「今から、会える?」ってロウからメッセージが届いたとき、
迷ったけど、俺は向かった。
なんやろ、まだ……ロウの顔をちゃんと見て謝りたかった。
ロウの部屋に着くと、珍しく鍵が開いてた。
静かな部屋。
ただ、ロウの表情だけが、どこか……張りつめたような、いつもと違う空気を纏ってた。
(マナ)「……ロウ?」
(小柳)「……来てくれて、ありがとう」
ゆっくりドアが閉まる音。
……カチ、と、鍵のかかる音。
(マナ)「……え?」
振り返る前に、腕を掴まれた。
強くない、けど逃げられへん、そんな力加減。
(小柳)「ここから出さない。
星導のとこに、もう……戻らせたくない」
(マナ)「は、あんた何言うて――」
(小柳)「マナが、星導を選んだの、わかってる。
……でも、俺、どうしても無理だった。
諦めるとか、納得するとか、……できなかった」
声が震えてた。怒鳴ってるわけでも、強引でもない。
ただ――壊れそうなほど必死で、哀しかった。
(小柳)「俺のこと好きじゃなくてもいい。
嫌いになってもいい。
それでも、ここにいてほしい……」
(マナ)「……ロウ……」
(小柳)「優しくしたの、間違いだったかもしれない。
あのとき、もっと強引にしてれば――
マナは、俺のものになってたかもしれないのに」
近づいてくるロウの顔。
その瞳は、涙を浮かべてた。
(小柳)「もう、壊れてもいい。
だから――俺のもんになってよ」
その瞬間、心臓が跳ねた。
(マナ)「……なんでやねん……」
泣きそうになった。
優しかったロウが、こんな風になってしまったのが、
俺のせいな気がして。
(マナ)「そんな顔すんなよ……ロウ……」