テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
fwhr
我慢なんてするもんじゃねぇ!!!!
そう思って作りました
付き合ってるけど同棲してないです
なんか夜ばっかり…
ご本人様関係ありません
『会いたすぎて、我慢できなかった夜』
🌞────────────────
深夜2時過ぎ。
窓の外には月が浮かび、町は静まり返っている。甲斐田もベッドに体を忍ばせ、深い眠りについていた。
そんな時に、甲斐田のスマホが突然鳴った。
ブーッという振動に体が反応し、重い瞼を持ち上げる。
「……ん、誰……」
眠気混じりに画面を見ると、そこには見慣れた名前。
『不破さん』
一気に目が覚める。こんな時間に、なんで? 先程まで電話で話して、おやすみってメールも送りあって。
おそるおそる通話ボタンを押すと、すぐに甘ったるい声が響いた。
「晴……起きてた?」
「…寝てましたよ。どうしたの、こんな夜中に」
「……会いたくなった」
「…え?」
「今からそっち行く」
「え、ちょっ、不破さん!?待って、今2時だよ!?だ、だめだって、電車ないし……!」
「もうタクシーで向かってる。あとちょっとで着く」
「……え、ちょっと待っ…!」
通話は一方的に切れた。 呆然としたまま、甲斐田は立ち尽くす。だってこんなこと初めてだし、いきなり来るなんて誰が想像出来るんだ。
『会いたい』。そんなベタなセリフに甲斐田が弱いことを、不破はよく知っているから言うのだろう。案の定甲斐田は、耳が真っ赤で。
そして10分後、本当に玄関のチャイムが鳴った。
「は、はや……!」
ドアを開けると、そこには黒いマスクに黒いパーカーを羽織り、バケットハットをめ深に被った不破が、どこか潤んだ目で立っていた。
「晴……」
「……、本当に来たの…」
「…会いたくて、死にそうだったから」
不破が腕を伸ばし、ぐい、と甲斐田の腰を引き寄せる。そのまま甲斐田を中に押し戻し、扉の鍵を後ろ手で閉めた不破は、甲斐田を壁に押しやる。 寝起きのふわふわした頭は状況が理解できないまま、彼のペースに持っていかれる。
「俺、もう一人で寝るの無理。……晴の匂いも、肌も、声もなかったら…悪い夢見る」
「な、何言ってんの……んっ」
そのまま玄関で、唇がふさがれる。 夜の静けさを破るような、濃密なキス。 甲斐田の背中に不破の指が食い込んだ。
「……もう帰んない。今日は朝まで、いや……朝からも、晴に甘える」
「……っ、そ、そんなの……ずるいよ……」
「ずるくてええやん。だって……晴がいないと、ほんとに俺、おかしくなるんやもん」
そう囁かれて、甲斐田はふにゃ、と力を抜いてしまう。甲斐田を溶かす方法を熟知した男にかかれば、彼をその気にさせることなんて御茶の子さいさい。
そんなこんなで、深夜のふたりの時間が始まった——。
「……ベッド、入っていい?」
玄関で抱き合ったまま、不破がぽつりと囁いた。
「う、うん……あ、でも着替えとか……」
「いらない。晴がいれば、それだけでいい」
そのままリビングを抜け、ベッドルームへ。 甲斐田が布団を整えようとした瞬間、不破に背後からぎゅうっと抱きしめられる。縋りついてくる不破に、甲斐田の体がビクンと震えた。
「っ、不破さん……」
「会いたすぎて、眠れなかった……。晴のぬくもり、ずっと感じてたい……」
その声は少し震えていた。
ただの“会いたかった”じゃない。渇望に近い、強烈な重い感情。
「晴がいないと、俺ほんとダメなんかも……息の仕方も忘れそうになる……なぁ、晴」
「……ん」
「晴は、俺のもんだよな?」
不破が首筋に唇を這わせ、じんわり熱を落としてくる。柔らかな甘い熱に、心がほろほろと溶けていく。
「僕は…不破さんの、ですよ……?」
「そうだよな……じゃあ、誰にも渡さない。渡させない」
甲斐田の手を絡め取り、ベッドに押し倒す。
「ん、あ……っ」
不破の指が、甲斐田の頬に添えられる。優しく、でも支配するように。
「可愛い……晴、すぐ顔赤くなるな」
「だって…不破さんの言うこと全部、恥ずかしくて……っ」
「いいじゃん、俺の前では全部さらけ出せよ。恥ずかしいのも、嬉しいのも、ぜんぶ見してや」
「……すぐそういうことを……っ」
コツンと額を合わせ、ジリジリとした時間が経過していく。不破は甲斐田を焦らすこの時間がたまらなく好きなのだ。だがゆっくり唇を突き出して欲しがる甲斐田に我慢が出来ず、唇がまた重なる。 長く、深く、舌先まで絡ませて呼吸さえ奪うようなキス。舌が絡む度、キスの温度が上がる。
「っ……ぅ、不破さん……」
「…好き。ほんとに、好きすぎて、こわいくらい」
囁きながら、不破の手は甲斐田の腰をやさしくなぞる。大事にしてくれているのがその手からよく伝わる。愛にまみれていて、今にも壊されそうで、だけど支えてくれている。
「晴の全部が愛おしくて、全部俺のものにしたくて、ずっと俺に溶かされて……壊れて欲しい」
「……何、言ってんの……っ……」
「晴は……嫌?」
「……ううん、……壊されたい…♡」
「にゃはは…壊してやるよ、泣きながら俺だけを求めて……もう何も考えられなくなるくらい、めちゃくちゃにしてあげる♡」
甲斐田の耳元で囁かれるその声に、体が震える。耳垂を舐め、唇で甘く噛む。あげた顔は、まさに獲物を喰らう動物そのものの眼。艶やかに輝く唇をひと舐めして、甲斐田を閉じ込めるように、顔の両脇に肘を下ろした。
「……覚悟しろよ…♡」
低く唸るその不破の声に、甲斐田の下腹はゾクゾクと疼いていた───。