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「あっ……い…くっ…」


艶めいた声と共に寸前で抜かれた先端から、白濁する飛沫が放たれると、ぎゅっと固く身体が抱き締められ、


「これほど、感じさせられるなんて……」


と、耳元にひたりと唇が寄せられた。


耳に吹きかかる吐息に、感じさせられたのは私の方なのにと思った……この人は、たとえ責めたとしても、


その魅力に、こちらが惹かれ嵌められてしまう……。


上気して汗の浮く顔さえ、こんなにも目を奪われるようで……。


「先生、キスして……」


「……顔を、上げて」


キスをねだった私の唇に、その艶めいた唇が重ね合わされると、彼の妖美さにまたも捕らえられて、甘く魅了されていくようだった……。


……やがて、彼に近野さんのことを話してから数日が経った週末、彼の部屋で振る舞われたディナーを前に、テーブルを挟んで向かい合っていた。


小気味のいいポンという音とともに冷やされたシャンパンが開けられて、二つのグラスに注ぎ入れられる。


チン…とグラスを合わせると、


「……あなたに、お願いがあります」


彼がグラスを手に、ふと口を開いた。


「お願いって、何ですか?」


「私の実家へ、一緒に行ってほしいのです」


「……ご実家へ?」


聞き返す私に、シャンパンを一口含んで、


「ええ、無理なお願いをして申し訳ないのですが、」


と、シャンパングラスをテーブルの上に置き、言いにくいことを切り出そうとしてか彼が顔の前で両肘をつき手を組み合わせた。


「……母が、葬儀の際に一緒だった女性に会わせるようにと言っていて」


「……えっ、お母様が私に……?」


以前にお会いしたことのある顔が、俄かに頭に浮かんだ。


「母は一度言うと引かないので、行かないとならないのですが、」


そこまで話して言葉を切ると、彼は組んだ両手を額に付けて、


「どうせならもう、あの人には会いたくはない」


眉間に微かな皺を寄せて、そうぼそりと呟いた──。

「責め恋」美形な医師は、サディスティックに迫る

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