コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「あーあ、、また裏切られちゃった、、、、、、」
海に浮かぶ袋にしがみつきながらそう思った。
これで何回目かな、、。
いつまでたっても私は変われないままか。
信じていた仲間にも裏切られ、宝も全て取られてしまったし。
意識が朦朧とするなか青い海と明るい日差しが私を導いてくれるような気がした。
「おーーい!海に誰か浮いてるぞ!! 女だ!」
「なんだって?どこだ!?」
仲間の声を聞き船の上から当たりを見渡すと、なにか袋につかまり、ぷかぷかと浮かんでいる女がいた。意識を失っているのか全く動かない。
「すまない、イワンコフ。コート持っておいてくれないか?」
「ええ。いいけど、、。」
「んじゃあと頼んだわ」
イワンコフにコートを預け、海に思いっきり潜って浮かんでいた女のところに行く。
「なんだよ。この傷は、、、、、」
女の体には沢山の切り傷があり、頭からは血を流していたあとがあった。
「おーい!!ハック!急いで手当の準備をしてくれ!!」
「任せろ!!」
脈はあるから死んではいないがかなり危ない状況であることには変わりないだろう。
「おい!サボ!!手網を下ろすからそれに掴まれ!」
「ありがとう、ドラゴンさん!」
下ろしてもらった手網を手に取り、女と俺の体を結びつける。ついでに持っていた袋も一緒に。
「よし!あげてくれ!」
「「「せーの!」」」
船の上に上がる時も頭を支えてできるだけ負担のないように心がけた。
「急いで体を温めてくれ!恐らく長い間海に浸かっていたから低体温症になっている」
「あぁ任せろ」
ハックに女を預け、イワンコフからタオルを受け取る。
かなり体が冷たかったから心配だな。
後で様子を見に行こうか、なにか暖かいものを持って。
「それにしても可愛かったな」
ある意味一目惚れってやつかもしれない。
あんな状況だったのにも関わらず俺は彼女に惚れてしまったのか。
「はぁぁ。何考えてんだよ俺」
自分の考えが馬鹿馬鹿しく思えて笑ってしまう。
とりあえず今は彼女が目を覚ますのを待とう。