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「おい、ハック。様子はどうだ?」
「あぁ。サボか。まだ目を覚まさないよ」
ん?、誰かの声がするな、、。
聞いた事のない声。
てか私、海の中にいたはずじゃ、、、、
そういえば寒くないし、体も濡れてない。
「んん、、、、」
「おっ、目覚ましたか、?」
重い瞼を力ずくで開けると、2人の男の人が私を見ているようだった。
1人は白髪の白い髭のおじいさんで、
もう1人は顔に火傷のあとがある金髪の男の人。私よりは年上っぽいけど歳は近そう。
「ここは俺たちの船の中だ。体調はどうだ?」
「とてもいいです。暖かくて、、、」
金髪の男の人にそう聞かれ、ウトウトしながら言った。
1週間ぐらいずっと水の中だったからベットの中はとても居心地が良かった。
いつぶりだろう。
こんなに何も考えず寝れたのは。
「俺の名前はサボ。革命軍参謀総長だ」
えっ?革命軍って言った?
それじゃあ私は人質として私を船に入れたの?
「私には人質にする意味なんてないですよ。 仲間に裏切られて今こういう状況になってますから」
人質にされたと確信した私は力が抜けた声で言った。
「裏切られたって、、。もともと居た船の名は?名はなんというんだ?」
白い髭のおじさんが顔を暗くして言ってきた。まるで自分のことのような、表情をして。
「黒ひげ海賊団、、、。私は黒ひげ海賊団の兵士でした」
「黒ひげって。ハック、、、」
サボと名乗った人がおじいさんのほうを見て笑顔が消えた。
おじいさんの名前は ハック というらしい。
「人質にはしないよ。安心しろ」
「そうじゃそうじゃ。 わしらはお前さんが海に浮かんでおったから助けたまでだからな」
「えっ?」
人質じゃないの?私、、、?
じゃあこの人達は私をただ助けるために船に乗せてくれたって言うの?
「本当に?私は人質じゃないの、、?」
必死にそう伝えると目が熱くなるのを感じた。
ポロポロと涙がこぼれ落ちていった。
「あぁそうだ。人質じゃあない。」
ありがとう。
本当に、ありがとう。
心の中で何回も繰り返しそう言った。
「じゃあわしは飯を取ってくるから2人で待っておれ」
「あぁ頼んだよ」
おじいさんが部屋から出ていき2人だけの気まずい空気が流れた。
「アイリス」
「えっ?」
「私の名前。アイリスっていうの」
「綺麗な名前だ」
「貴方はサボって言うんでしょ、何歳なの?」
「俺は22歳だ」
「そうなんだ、私は19歳。」
「まだ未成年なんだなー」
「でも誕生日がもうすぐなの。あと2ヶ月後」
それはめでたいなと優しく微笑むサボさんの顔はとても幸せに満ちていた。
「サボさんは優しいのね。赤の他人にもこんなに話してくれるなんて」
「そうか?こんなの普通だろ」
違うよ。
心の中でそう呟いた。
みんな貴方みたいな人ならば、私は今ここにはいないはずだから。
私を救ってくれた人が貴方で良かった。
この広い海の中で出会えたこと、運命だと思った。