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保健室での出来事から、一週間。
少しずつ。
本当に少しずつだけど 俺たちは前みたいに話せるようになっていた。
⸻
朝。
🐬「おはよ。」
🐧「……おはよ。」
自然に交わす挨拶。
前まで気まずかった空気は、少しだけ柔らかくなっていた。
👩「最近また一緒にいること増えたね。」
クラスメイトが笑う。
🐬「まあな。」
そうたも笑って返す。
俺は少し照れくさくて目を逸らした。
⸻
昼休み。
🐬「購買行く?」
🐧「今日は弁当。」
🐬「じゃあ俺も教室で食べる。」
🐧「彼女と……」
言いかけて止まる。
もう彼女はいない。
しまった、と思った。
🐧「……あ、ごめッ。」
🐬「なんで謝る。」
そうたは苦笑する。
🐬「気にしてねぇよ。」
そう言うけど その笑顔は少しだけ寂しそうだった。
⸻
放課後。
👨🏫「来週から文化祭の準備だから、実行委員は残ってくださーい!」
先生の声が響く。
👨🏫「今年はクラス全員でお化け屋敷をやります!」
教室が一気に盛り上がる。
👦「そうた!大道具やろうぜ!」
👦「まなとも来いよ!」
名前を呼ばれ、顔を上げる。
🐬「まなと、一緒にやろ。」
自然に言われた一言。
🐧「……うん」
その瞬間。
👨🏫「じゃあ二人は背景担当ね!」
先生が笑顔で言う。
👦「えー!また二人一緒じゃん!」
👩「幼なじみコンビ最強!」
教室中が笑いに包まれる。
そうたも笑っている。
でも 俺の胸だけは落ち着かなかった。
⸻
放課後の教室。
クラスメイトが帰り始める中、 俺とそうたは残って段ボールを運んでいた。
🐬「それ重くね?」
🐧「平気。」
🐬「嘘つけ。」
そうたは俺から段ボールを取り上げる。
🐧「自分で持てるよ。」
🐬「知ってる。」
そう言いながら そうたは俺の荷物まで持ってしまった。
🐧「……甘やかしすぎ。」
🐬「今さら。」
そう言って笑う。
昔からそうだった。
俺が無理をすると 一番に気づくのは、そうただった。
⸻
帰り道。
夕焼けに染まる坂道を 二人で並んで歩く。
昔は当たり前だった景色。
今は、少しだけ特別に感じる。
🐬「なあ。」
🐧「ん?」
🐬「最近さ。」
そうたが少し困ったように笑う。
🐬「俺、おかしい。」
🐧「……何が?」
🐬「お前が笑うと安心する。」
心臓が止まりそうになる。
🐧「……。」
🐬「逆に。」
🐬「元気ないと。」
🐬「ずっと気になる。」
風が吹く。
沈黙が流れる。
🐬「前はさ。」
🐬「こんなことなかった。」
🐬「なのに。」
🐬「最近、お前ばっか見ちゃう。」
そうたは立ち止まった。
俺も足を止める。
🐬「まなと。」
真っ直ぐ見つめられる。
その目は、もう迷いだけじゃなかった。
🐬「俺さ。」
🐬「多分──」
👦「そうたー!」
突然、後ろからクラスメイトの声が飛んできた。
👦「文化祭の買い出しの紙、持って帰るの忘れてる!」
そうたはハッとして振り返る。
🐬「あっ、やべ!」
空気が一気に崩れる。
🐬「ちょっと取ってくる!」
🐧「……うん。」
そうたは学校へ走って戻っていった。
一人残された俺は、小さく息を吐く。
🐧「……多分、なんだったんだよ。」
少しだけ笑ってしまう。
でも その続きが聞きたい自分がいた。
⸻
その頃。
学校へ戻る途中。 そうたは自分の胸を押さえていた。
ドクドクと速くなる鼓動。
🐬「……やっと分かった。」
小さく呟く。
🐬「俺……。」
🐬「まなとのこと、好きなんだ。」
夕焼けの空に、その声だけが静かに溶けていった。
コメント
1件
ああ〜、この甘酸っぱい空気、やばかったわ。 保健室から一週間で少しずつ戻りつつある距離感、無理に話そうとしない自然な会話がめちゃリアル。「お前が笑うと安心する」ってそうたのセリフ、まなと視点で読んでるとドキドキが止まらんかった。文化祭の準備でまた二人一緒ってのもベタだけど胸熱。 最後のそうたの独白で「やっと分かった」って気づく流れ、夕焼けに溶ける感じが綺麗すぎる。続きはまだまだ読みたい…!