テラーノベル
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空が、静まり返っていた。先ほどまで激しく戦っていた魔導竜たちが、まるで命令を受けたかのように動きを止めたのだ。
そして――
巨大な影がゆっくりと雲を割り、姿を現した。
翼の大きさは山のよう。
鱗は黒と紫が混ざり、体から放たれる魔力は空間を歪めるほど強い。
その存在が羽ばたくだけで、空気が震えた。
ミリアが息を呑む。
「……嘘でしょ」
カイルの顔が引き締まる。
「桁が違う」
レイナの瞳が揺れた。
「これが……」
ユウキは静かに言った。
「魔導竜王」
魔導竜王の威圧
魔導竜王の目がゆっくりと開いた。
黄金でも赤でもない。
深い闇のような瞳。
その視線だけで、周囲の魔導竜たちが頭を下げた。
「人間」
低く重い声が空に響く。
まるで雷のようだった。
街の人々が恐怖で膝をつく。
魔導竜王はユウキを見下ろす。
「貴様が、我が軍団を倒した者か」
ユウキは竜の背に立ち、剣を構えた。
「そうだ」
竜が低く唸る。
「グォォ…」
魔導竜王は少しだけ笑ったようだった。
「面白い」
空が震える。
「人間にしては強い」
ミリアが小声で言う。
「喋ってる……」
カイルが答える。
「知性があるんだ」
レイナがつぶやく。
「つまり」
「普通の魔物じゃない」
竜王の力
魔導竜王が翼を広げた。
その瞬間。
空の魔力が一気に集まる。
巨大な黒い魔法陣が空に展開された。
都市よりも大きい。
ミリアが叫ぶ。
「まずい!」
カイルが歯を食いしばる。
「この規模は……」
レイナが震える声で言う。
「国を消す魔法よ」
魔導竜王が口を開いた。
「消えろ」
闇のブレス。
それはもはやブレスではない。
巨大な破壊光線だった。
ユウキの防御
ユウキは剣を掲げた。
「竜!」
黄金のドラゴンが咆哮する。
ユウキの竜化鎧が輝いた。
「魔導融合防壁!」
剣から光が広がる。
巨大な結界。
闇のブレスがぶつかった。
轟音。
地面が揺れる。
空が裂ける。
ミリアたちは必死に結界を支えた。
「ユウキくん!」
「持って!」
数秒。
だがそれは永遠のように長かった。
やがて――
ブレスが消えた。
ユウキは息を整えた。
「強い……」
魔導竜王 vs Zランク魔剣士
魔導竜王が目を細める。
「耐えたか」
巨大な体が動く。
その速度は信じられないほど速かった。
一瞬でユウキの前へ。
爪が振り下ろされる。
ユウキは剣で受けた。
衝撃。
「ぐっ!」
竜ごと吹き飛ばされる。
地面に叩きつけられた。
ミリアが叫ぶ。
「ユウキくん!」
カイルが飛び出す。
「俺たちも行く!」
炎、光、氷の魔法が飛ぶ。
だが魔導竜王は動かない。
攻撃が当たっても、鱗に傷一つつかなかった。
レイナが驚く。
「嘘……」
カイルが言う。
「硬すぎる!」
ユウキの決意
ユウキは立ち上がった。
口元から血が流れている。
だが目は燃えていた。
「やっぱり」
剣を握る。
「簡単には勝てないな」
ドラゴンが横に立つ。
「グォォ」
ユウキは竜の頭を軽く叩いた。
「でも」
空を見上げる。
巨大な魔導竜王。
その背後に残る軍団。
「負けるわけにはいかない」
ミリアたちが後ろに並ぶ。
「当然よ!」
「ここで止める!」
「世界を守る!」
ユウキは剣を掲げた。
竜の魔力が流れ込む。
グラムが震える。
『主よ』
「わかってる」
ユウキの魔力が爆発した。
空気が震える。
地面が割れる。
ミリアが驚く。
「ユウキくんの魔力が……」
カイルが目を見開く。
「増えてる!」
レイナがつぶやく。
「限界を超えてる」
ユウキは静かに言った。
「ここからが」
剣を構える。
「本気だ」
次なる覚醒の予兆
魔導竜王が笑う。
「いい」
翼を広げた。
「もっと見せろ」
闇の魔力が爆発する。
ユウキの黄金の魔力とぶつかる。
空が二色に割れた。
その瞬間。
ユウキの竜化鎧が光り始めた。
鱗が変化する。
翼がさらに広がる。
ミリアが驚く。
「まさか……」
カイルが言う。
「新しい形態?」
レイナがつぶやく。
「竜と完全融合してる……」
ユウキの体から光が溢れた。
魔導竜王が目を細める。
「ほう」
低く笑う。
「ついに来るか」
ユウキは目を開いた。
その瞳は竜のように輝いていた。
次の瞬間――
新たな力が解放されようとしていた。
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