hrfw
付き合ってない
Hなし
年齢操作
伏せ字なし
エセ関西弁すみません
ご本人様に関係ありません
甲斐田晴⋯大学3年生、根暗、人に話しかけるのが苦手
不破湊⋯社会人でホスト、好きな人には受け身を取らず攻めまくる
第2話.陰キャはホストの家に行く
hr視点
不破さんは高層マンションに住んでおり、その中でも高いところに家を持っていた。
あまり人の家には行かないので最初は慣れなかったが、不破さんの匂いが充満する部屋に入れられると途端にほっとして、緊張はあまりしなかった。
『傷の手当する前に風呂入った方がいいよな、もう沸かしてあるから先入ってきて』
いつも家を出る前に浴槽を洗いタイマーをセットして自分が帰ってくるタイミングで入れるようにしているそうだ。
「ひとりなのにお風呂入るんですね」
『変か?』
「いや、僕はシャワーで済ませちゃうので。友人も風呂は溜めないって言ってたし」
『うーん⋯⋯まぁ疲れるし、家にいる時ぐらいゆっくりしたいんだよな』
そういう彼の口元は笑っていたが、目が笑っていなかった。
ホストだと知ったせいか、言葉が全て嘘のように感じられてしまう。でもきっと「疲れる」というのは本心からの言葉なのだろう。
「そうなんですね⋯じゃあ、洗面所借りますね」
『おお、どうぞ』
暖かい湯船に久々に浸かり、最近の嫌な感情が全て浄化されていく。不破さんはこの感覚がたまらないんだろう。
いつもは彼が入るこの風呂に今は僕が入り、いつもは彼が体や頭を洗う場所で、僕が同じように頭や体を洗う。
ごく当然のことをよくよく考えると少し不思議なことに思えて、少し興奮した。
あのスラッとした体にも筋肉はきっとあって、アレも大きかったり⋯⋯
変態なことを考えたせいで熱くなってきた。早く上がろう、不破さんを待たせている。
コンコンッ
突然風呂の扉がノックされた。
「はい!」
『あ、ごめんね。甲斐田、着替えとかどうする?俺の使う?』
「いや、着てきたのをまた着るので大丈夫です。ありがとうございます」
『そっか、わかった』
気の利く人だ。わざわざ服を貸してくれようだなんて。
あれ⋯そういえば⋯⋯
急いで風呂を出てリビングに向かう。
不破さんは案の定、僕の手当をするための道具をそろえていた。
「あのごめんなさい、不破さんお酒被ったのに僕が先に入っちゃって⋯寒いですよね?」
『ん?あーええよ全然、店にバッグ取り行ったついでに頭とか拭いてきたし、予備の着替えも更衣室にあったから』
「そうなんですか⋯⋯ごめんなさい気づかず」
『そんな気にすんな。さっき手握った時、甲斐田の手冷たかったから俺が入らせたかっただけだし』
そう言いながら、「来い来い」というように手招きし、僕をソファに座らせる。
彼はなれない手つきで僕の頬を消毒し、固まった血を拭き取る。少々痛みを感じ体がビクッと跳ねると、不破さんが
『もうちょっとやから、我慢してくれ』
と言って、僕の手を優しく握ってくれた。さっきとは真逆に今度は彼の手の方が冷たくて、やっぱり寒かったんだなと思った。
拭いたとか着替えたとかで誤魔化していたけど、本当のことを言わないのはカッコつけているからだと思うと、無性に可愛く思えた。
僕の頬を見つめる顔はこんなに真剣でカッコイイ。紳士的な行動もいくつも取れるのに、いざ探ってみると意外と可愛いところばかりで、ほんの少しだけ愛おしい。
手当をしている間ずっと『痛い?』と気にしてくれるのが、小さな子どものようでとても可愛かった。
「ありがとうございます、わざわざ家まで来させていただいて」
『だから気にすんなっての。俺が来て欲しかったんだから』
道具を片付け、不破さんは何も言わず僕の隣に座った。風呂に入らないのか、と聞きたかったが、そう言ったら入りに行ってしまうと思い、この時間も終わることを考えるとどうしても言えなかった。
かと言っても無音な空間にいるのは気まずい。自分から話題提供する勇気も出ず、帰らざるを得ないのかと迷っていると。
『甲斐田⋯今日泊まってく?』
「⋯⋯え?」
『いやだって、こんな時間だし、いくら男だからって深夜にひとりなんて危ないし⋯』
「いやいやそんな迷惑なこと出来ません!すぐ帰ります。ごめんなさい長いこと居座って。色々お世話になりました」
『えちょ、待てよ甲斐田!』
僕は逃げるようにリビングを出て玄関に急ぐ。
不破さんも僕を追いかけてきていたが、引き止められると思って振り返らないようにする。
一緒にいたい気持ちは山々だが、泊まるなんてそんな疲れるようなことをさせたくない。僕自身が、誰か家に泊まるとなるとそう思うから。
『か、帰んのっ!』
「はい、ありがとうございました。お邪魔しました」
『ま⋯待ってよ甲斐田!』
玄関のドアを開けようとした時腕を掴まれる。彼を助けた時心配してくれた時のように。
『まだ帰らんで!お願いやから!まだ、一緒におりたい⋯』
悲しそうな顔で見つめられると、どうしてもこの手を振りほどく気になれない。
帰りたくない気持ちと引き止めてくれた喜びと迷惑をかけたくない気持ちが絡まって答えを導き出せない。
「な、なんでそこまで⋯?」
『っ⋯⋯』
この質問は2回目だ。手当させて欲しいと迫られた時も同じことを言ったが、今はあの時みたいにすぐに教えてはくれない。
迷惑だけどこのまま帰らせるのは失礼だ、なんて言えないもんね。
やっぱり甘えずに帰ろう⋯
『⋯き、だから⋯』
「え?」
『か、甲斐田に興味があんの!』
「⋯⋯僕に?」
『そうや!大学で会った時からずっともう一回会いたいなって思ってたんよ!』
焦ったように言葉を紡ぐ不破さんの目は本気だった。包み隠さない、ホストらしからぬ表情に不覚にも鼓動は高鳴った。
『おねがい⋯』
その言葉と目に吸い込まれるように、僕はもう一度家の中に入った。
次の日目が覚めると、僕は不破さんの家のベッドで眠っていた。昨日の記憶も、彼の家に連れ戻されてから覚えていない。
おそらくだが酒を飲んだからだろう。しかし肝心な不破さんが見当たらない。
寝室に居ないことを確認してリビングに行くと、不破さんがソファで眠っていた。そしてリビングには散らかった酒の缶がいくつも転がっている。お互い飲みまくり、片付けないまま眠りについたのだ。
不破さんは薄い毛布を被っているだけだったので、僕は寝室のベッドの掛け布団を持ってきて彼の上にそっと乗せた。
モゾモゾと動き始め起こしてしまったかと思ったが、ただ首元まで布団をまくりあげただけだった。
そして僕は「昨夜はお世話になりました。ありがとうございました。ご迷惑をかけてしまい、申し訳ありませんでした」という簡単な置き手紙だけかき、静かに家を出ていった。
頭が痛い⋯飲ますぎちゃったな⋯⋯何飲んだんだろ⋯バイト帰りに買った酒だったかな。
若干二日酔いの脳みそは機能せず、その日の大学の講義はあまり頭に入ってこなかった。
彼との出会いはまさに運命で、自分には程遠い存在の人だった。
綺麗で、憧れで、カッコよくて、気も利いて、ホストになるべき人。
僕みたいな陰キャとは縁のない人なんだ。2度も会えて、手を握って貰えて、興味がある⋯とかも言ってもらえたっけ。夢みたいな話だ、アニメとか漫画でしか知らない展開に踊らされていただけ。
調子に乗らないで、今まで通り影の薄い大学生に戻らなきゃ⋯⋯。
ピロン
夜9時、家で課題をやっていると長尾からメールが来た。
《俺の家の前にいるイケメンが、甲斐田をここに呼べって言うんだけど、俺の家まで来てもらえる?》
「⋯は?」
イケメンって確実に不破さんの事じゃん⋯
僕は頭をかきむしった。
何だ、なんなんだあの人は!どうしてそこまで僕に執着する!
大学で会った時に運命感じたってことか!?そんな感じじゃなかったぞ!?少なくとも興味があるようには見えなかった!
あの時はホストとして彼女に尽くさなきゃいけなかったからそう見えなかっただけ⋯?
⋯あぁ、そういうことか、、、僕の事も落としたいわけだ⋯だからここまで執着してくるのか
男の客は珍しいから離したくないって⋯?断然女性の方がいいくせに⋯僕で遊んでんのかあの人。昨日真剣に見えた眼差しも嘘だったのかな⋯。
そういうことならのってやる。会って話して、成敗してやるわ!
とんでもない勘違い野郎の甲斐田ですみません
コメント
2件
頑張ってください!なんかもう言葉選びが最高です!