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hrfw
付き合ってない
年齢操作
Hなし
伏せ字なし
////あります
エセ関西弁
約2000字
解釈違いあります
ご本人様に関係ありません
甲斐田晴⋯大学3年生、根暗、最近ホストの不破に振り回されている
不破湊⋯社会人でホスト、大学で会った時から甲斐田が気になっていて───?
第3話.陰キャはホストの気持ちを知る
長尾からの連絡を見てすぐに家を出た。轟々と燃える心は痛く苦しい。利用されていたと知った悲しみのせいなのだろうか。
だが向かう途中に段々と気持ちは冷めていき、長尾の家に着く頃にはもうすっかり落ち着いてしまった。
長尾は僕が来たのを確認してマンションに入っていった。
不破さんは眉尻をあげ、僕を睨みつけるようにこちらを見ている。表情から怒っていることは丸わかりで、見返すことも出来ず下を向く。
『甲斐田っ』
「ッ⋯は、はい」
1歩1歩近づいてくるその歩き方がもう怖い。その場にペタンと座り込んでしまいそうになるほど圧がある。 さっきのやる気はどこへやら。僕は泣きそうになりながらその場に固まり続けた。
『なんで勝手に帰ったん? 』
「いや⋯あのッ⋯⋯」
『ちゃんと答えろや』
「めッ、迷惑に⋯なるかと、思って」
『迷惑やないってゆーたよな?』
「あの、でも⋯」
『あ?』
「アイエナンデモナイデス」
体は凍ってしまったように動かない。威圧的な態度に分かりやすくビビる僕の肩に、不破さんは頭を預けた。
「えっ⋯⋯」
『嫌やったんなら教えてや、俺が間違ってたんなら言って』
「⋯⋯」
突然のことに動揺して余計に固まったが、多分彼も彼なりに色々考えたんだろう。きっと僕が思う以上に、僕は彼に嫌われていない。むしろ好かれているかもしれない。
自信なんてない。でもここに呼んだことや今頭を預けてくれているのは、僕に多少なりとも愛情に似た感情を抱いているからだろうか。
大切な人になるかもしれないこの人を、自分から手離したくない思いが一瞬で強まった。
彼の頭を優しく撫でる。
不破さんの体はビクッと跳ね、それでも逃げようとはしない。
『ッ⋯甲斐田⋯?』
「不破さんは間違っていません」
『⋯じ、じゃあ何で⋯』
「僕はそもそも人が苦手なんです、誰かの家にずっといる事が落ち着かないんです。だから⋯⋯でも不破さんの家は、不破さんの匂いがしてすごく心地よかったです⋯」
『⋯俺の、匂い⋯⋯』
「ふふ、なんか変態みたいなこと言いましたね、忘れてください」
『忘れん!!絶対に!!』
突然顔をあげ、さっきとはまた違う睨み方で僕に威嚇する。
それはもう可愛くて、でも理由は分からず尋ねる。
「どうしてですか?」
『⋯俺の匂い、甲斐田が好きって言ってくれたから⋯』
「みんな思ってますよ、きっと」
『ばか!違うわ!!お前が言うことに意味があるんだよ!!』
「え?」
『だからっ!⋯⋯やっぱええわ⋯お前鈍感すぎて話にならんもん』
不破さんは呆れたようにそう言って、僕から離れる。少し失望した、残念がる表情を見せられて僕も申し訳ない気持ちになった。
鈍感というか、信じられないだけだ。勝手に喜んで勝手に落ち込むのが容易に想像できて、そうなりたくないだけ。
「なんか、すみません⋯」
『⋯いやいい。その代わり絶対分からせてやるからな!』
ビシッと僕を指さし、鼻の先にちょんと当たる。真っ直ぐな眼差しに僕の心臓はドキドキしていて、やはり間違いなく彼に恋をしている。
例え同じ気持ちじゃなくてもいずれは伝えられたらいいな⋯
ちゅっ
そう思った時、一瞬唇に温もりを感じた。そらは気のせいなんかじゃなかった。
ふにっという感触とほんのり甘い味。
『⋯また、明日会うからな』
彼はそう言い残して走って逃げていった。
僕は数秒体が硬直し、状況の整理も追いつかなかった。
ようやく頭が理解すると、僕はその場にしゃがみ込んだ。
「ここ外なんだけど⋯////」
顔が熱い。心臓もかつてないほどに大きくはやく跳ねている。
初めての、キス。
元カノとさえしなかった、出来なかったのに。
心もファーストキスも、彼は僕の初めてをどんどん奪っていく。
⋯何やってんだ、男にこんな風に思わされるなんて⋯ましてや相手はホストのくせに⋯男の僕にあんな顔しやがって⋯。
必ずいつか仕返しする⋯⋯やられっぱなしでなんて居られるか!!
謎に燃えた対抗心はキスによる熱に後押しされ、僕のやる気を掻き立てる武器となった。
──────
次の展開めちゃくちゃ難しい⋯