テラーノベル
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いよいよ時が来た。
私も御多分に洩れず着て行く服を悩みに悩み結局どう見えるかより着ていて楽な服を選んだ。
ファーの帽子にニットワンピースにスニカー。出会ってから数日間この日をとても楽しみに心地良く過ごしていたのでこの日の服装も着ていて心地良いものをと思った。
(〜心も体も心地良く〜)
なーんて安っぽいキャッチフレーズみたいだなぁ…なんて1人で思いながら身支度をして待ち合わせ場所へ急いだ。
待ち合わせ場所は彼お薦めのラーメン店の最寄り駅。その後は近くのレトロな遊園地に行くことになっていた。
お待たせしては良くないので10分前に着いていたがお花屋さんがない。
改札を出て右に曲がったお花屋さんの前で待ち合わせなのだがお花屋さんがなくなっていた。
すると絃さんからメッセージがきた。
[由布ちゃん遅れてごめん、もうすぐ着くから!]
まだ10分前であるのにきちんと連絡をくれたので 緊張していたのが少しほぐれた。
[まだ10分前だから大丈夫ですよ。それより
お花屋さんがないから私改札前にいますね。]
と返信した。
というかそもそも改札前で待ち合わせで良かったのでは⁈と思いながら待っている。
絃さんが小走りで改札を通り抜けやってきた。
「お待たせ由布ちゃん、あ、今日の服も雰囲気がまた違っていいね。よく似合ってるよ!」と
ワイルドでイケメンな顔立ちから覗かせる屈託のない笑顔でそんなこと言われたものだからドキドキが止まらなかった。
でも私はまた持ち前の変な自己防衛モードを発動し、(ハイハイ、お世辞お世辞)と呪文の様に唱え心を落ち着かせた。
「スーツもお似合いでしたが今日のデニムも素敵ですね!」私もお返しにこう言った。
お返しというより本当にカッコ良く似合っていたのでむしろ伝えたかったのだ。
「ありがとう由布ちゃん、そうそうお花屋さんなくなったんだね。実はお花屋さんの前で待ち合わせしてお花を一緒に選んでプレゼントしたかったんだよね。残念!」
そういう事だったのか。素敵すぎるお心遣いに又ドキドキしながらお礼を言おうとすると ふいに、
「あの、由布ちゃん手繋いでいい?迷子になると困るから…俺が。」
「え⁈あっそうなんですか、それじゃ繋ぎしょうね、ウフフ」
(それにしても展開早いな…まぁミッション1個
クリアっ)
一気にドキドキからキュンキュンに変わったのだった。
そんな冗談めいた言い回しが面白くも心地良くもあった。
そして忘れかけていた久しぶりの気持ちが一気に溢れ出てきた瞬間であった。
コメント
1件
わあ、第8話、読ませていただきました!待ち合わせのドキドキ感がすごく伝わってきました。お花屋さんがなくなってて焦るところから、絃さんの「迷子になると困るから…俺が。」っていう手を繋ぐ理由、めちゃくちゃキュンとしました。由布ちゃんの自己防衛モードと、それでも溢れ出す気持ちの描写がリアルで、読んでいて懐かしいような甘酸っぱい気持ちになりました。次が気になります!