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⚠️この作品には以下の表現が含まれます。
・同性愛(BL)描写
・自殺・自殺未遂の描写
・性的暴力(性暴力、強制的な性行為など)
・殺人(衝動的な暴力含む)
・一部、精神的に不安定な描写
苦手な方は閲覧をお控えください。
心理的負荷を感じる可能性がありますので、苦手な方はご注意ください。
ーーーーー続き 。
肌が、触れ合うたびに震えていた。蒼の手首を押さえつけたまま、蓮は執拗に舌を這わせた。
逃げようとすれば押さえつけ、拒めば力で封じる。
「やめろ……っ、やめ……やめて……」
蒼は何度も懇願するように声を漏らした。
けれど蓮の耳には届かない。
届かせるつもりもなかった。
「お前が、他のやつの前で笑ったのが……どうしても許せなかった」
蓮はそう言って、蒼の胸元に噛みついた。
痕が残るように、わざと強く。
その反応すら、興奮の火を煽った。
「泣くなよ。……可愛いから、余計にやめらんなくなる」
ズボンのベルトを外しながら、蓮は執着のこもった目で透を見下ろす。
蒼はもう、ほとんど力を入れて抗うことができなくなっていた。
恐怖と絶望で、膝が震えている。
「俺のこと、嫌いになってもいい。殺したくてもいい。
でも……お前のこと、どうしても、忘れられなかった」
ゆっくりと指が入り込み、蒼が息を詰める。
無理やり広げられる痛みが走るたび、彼の身体は跳ねた。
苦しそうな表情。涙。
それでも蓮は止まらない。
「このまま、全部、俺に塗り替えてやる」
「やめて……お願い、やだ……っ」
「黙れよ。ずっと、欲しかったんだ……お前の全部が」
そして——
蓮は、蒼を貫いた。
悲鳴とも、息ともつかない声が教室に響いた。
冷たい床の上、壊れそうなほど細い身体を、蓮は容赦なく抱きしめて、貫き続けた。
愛してる、愛してる、愛してる。
何度も、何度も、息の間に呪文のように呟きながら。
蒼の目は虚ろになっていた。
それでも蓮は止まらなかった。
欲しくて、欲しくて、どうしようもなかった。
この愛が狂っているとわかっていても、もう止められなかった。
涙が頬を伝い、声にならない震えが全身を駆け巡る。
「っ…あ…いた…やだ…やめて…」
声はか細く、でも必死に抵抗しようとしていた。
それでも、蓮の手は容赦なく身体を押さえつけ、無理やり彼をねじ伏せる。
「だめ……だめ……お願い……っ」
泣きじゃくる声が、部屋に響く。
蒼はもう、逃げる力も、叫ぶ力も、残っていなかった。
ただ、胸の奥で叫ぶ恐怖と孤独に耐え続けていた。
蓮の唇が無理やり蒼の口を塞ぎ、言葉は全部飲み込まれた。
「泣くなよ……泣いたら、もっとお前を傷つけたくなる」
その囁きが、蒼を絶望の淵へと追い込んでいく。
蓮の手が、ゆっくりと蒼の首筋に回る。
締め付けるように首を強く締めつける。
蒼の呼吸が一瞬だけ止まった気がした。
怯えと戸惑いが混じる瞳が蓮を見上げる
「っ….ぁ…」
その柔らかな圧迫に、蒼の呼吸は乱れ、口から空気が溢れるように漏れていく。
涙が頬を伝い、震える声で、蒼は必死に抵抗する。
「や…め、お願い…蓮……」
けれどその声は蓮の耳に届かず、ただ蒼の小さな体が震えるのを感じ取るだけだった。
教室の静寂を破るように、水音と肌が弾け合う微かな音が響き渡った。
ひとつひとつの音が重なり合い、空間に緊張と熱を生み出している。
「ぁ..っ..イ..っちゃ..」
蒼はぎゅっと目を閉じたまま、ひときわ大きく肩を震わせた。
堪えきれないものが波のように押し寄せ、身体の奥から込み上げる感覚に呑まれるように——
静かに、果てた。
指先がかすかに痙攣し、唇からはか細い息がこぼれる。
濡れた睫毛が揺れて、蒼はただ、微かに震える身体をそのまま委ねていた。
「ぅ….ぁ..」
蒼の身体がひときわ強く震え、吐息が漏れる。
果てたことを悟った俺は、その細い背をぎゅっと抱きしめた。
けれど、まだ終わらせたくなかった。
求める気持ちを抑えきれず、俺の動きは止まらない。
「……まだ、足りない」
呟いた声は、自分でも驚くほど熱を帯びていた。
蒼の体温が、鼓動が、肌のすべてが、俺を離させてくれなかった。
濡れた睫毛がかすかに揺れて、彼はただ、黙って抱かれていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
やがて、熱の波が引いていくように、蓮は静かに動きを止めた。
しばらくのあいだ、蒼の背中に額を押しつけたまま、浅い呼吸を繰り返す。
重ねていた身体をゆっくり離すと、蒼の肩が小さく震えた。
その背中は、何も語らなかった。
蓮は無言のまま、乱れた制服を整え、床に落ちたズボンを手に取って身に着けた。
金具の留まる微かな音だけが、妙に静まり返った教室に響いた。
まだ茜色の光が、窓から差し込んでいる。
けれど、さっきまでの熱は、どこにも残っていなかった。
蒼は、床に伏したまま肩を震わせていた。
頬を濡らす涙を拭うこともせず、ただじっと、何かに耐えるように。
俺はその背中を黙って見下ろしていた。
その細くて脆い身体を、さっきまで俺は何度も抱いたはずなのに。
それでも——
あのとき、彼の口から「愛してる」も「好き」も、一度だって聞こえてこなかった。
「……言わなかったな」
ぽつりと、誰に言うでもなく呟いた。
言葉が空気に溶けて、教室の静けさに吸い込まれていく。
俺だけが、必死だったのかもしれない。
欲しかったのは身体じゃなくて、あいつの心だったのに。
でも、それはどこにもなかった。
目の前で泣いている蒼の姿が、酷く遠く感じた。
触れたはずの温もりが、たった一言も残さなかったことが、
何より、俺の胸を冷たく締めつけた。
蒼は、崩れた呼吸を整えることもできないまま、震える手でズボンを探った。
指先が布に触れると、ほとんど反射のようにそれを掴み、必死で脚を通す。
足元はふらつき、身体はまだ震えていたけれど、蒼はそれでも無理やり立ち上がった。
蓮の方を一度も振り返ることなく、足早に、逃げるように教室を後にする。
その背中を、蓮はただ、黙って見送っていた。
呼び止めようと思えばできた。
追いかけることだってできた。
けれど、唇は凍りついたまま、喉の奥からは何も出てこなかった。
蒼の気配が完全に消えたあとも、蓮はひとり、教室の片隅で立ち尽くしていた。
ただ、自分の両手だけがやけに熱くて、吐き気がするほどだった。
何も言えなかった。
何も、できなかった。
ーーーーーーーーーーー
俺が悪い。そんなことはわかってる。
蒼が逃げたのも、泣いたのも、怯えたのも。
全部、俺のせいだ。
それなのに。
どうして、俺の方が涙を流してるんだろう。
気づけば、頬を伝うぬるい雫が落ちていた。
止めようとしても止まらなかった。
こみ上げてくる感情に、胸の奥が軋んで、どうにもならなくて——
「……俺、何してんだよ」
呆れるように笑ってみた。
でも、それはあまりに力なく、
誰に向けたものでもない、虚ろな笑みだった。
誰もいない教室の隅で、
俺はただ、誰にも見せられない顔をして泣いていた。
指先で乱暴に涙を拭う。
それでも、滲んだ視界はなかなか元に戻らなかった。
ゆっくりと制服の襟を直し、ズボンのベルトを締め、乱れた身なりを整えていく。
まるで、何もなかったかのように。
けれど、肌のどこかに残る熱と、胸の奥にこびりついた感触だけは、消えてくれなかった。
静かに教室のドアを開ける。
きぃ、と軋む音が、やけに耳に残った。
外はすでに、夕闇がすっかり校舎を包み込んでいた。
蛍光灯のついていない廊下はぼんやりと暗く、誰の気配も感じない。
ポケットに手を突っ込み、蓮は黙って校舎を後にした。
薄暗くなった校庭を抜け、誰もいない昇降口を通り、無言のまま門へと向かう。
鉄の門を過ぎた瞬間、外の空気が肌を刺すように冷たかった。
風が頬を撫でるたび、火照っていたはずの体温が少しずつ奪われていく。
「……寒いな」
独りごとのように呟いた声は、小さく空へ溶けていった。
足取りは重く、視線は地面に落ちたまま。
ただ家に帰るだけなのに、ひどく遠く感じる。
蒼の背中も、声も、泣き顔も。
全部が胸の奥にひっかかったまま、消えてくれなかった。
寒いのは、風のせいじゃない。
そんなこと、分かってるくせに。
玄関を開けた瞬間、怒声が襲いかかる。
「おい、遅ぇんだよ!どこで何やってたんだ、てめぇ!」
蓮は何も答えられずに、ただ黙って靴を脱ごうとした。
だが、怒りに震える父親の手が一瞬、蓮の頬を強く叩きつけた。
「返事もしねぇのか、くそったれが!」
痛みが頬から頭にかけて走る。
蓮は顔を歪め、堪えきれずに小さく呻いた。
父親の怒号と暴力は止まらず、追い打ちのように背中を何度も殴られた。
床に膝をつきそうになりながらも、蓮は必死に耐えた。
「……ごめんなさい…」
涙がこぼれ、嗚咽が漏れる。
だが、その声は届かず、父親の怒りは続いた。
やがて、父親は疲れたようにその場を去り、
静寂だけが部屋に戻ってきた。
蓮は震える身体を抱きしめるようにして、深く息を吐いた。
痛みも、恐怖も、誰にも理解されず、ただ心の奥に沈んでいった。
やっとの思いで自分の部屋へ戻ると、蓮は重い身体を布団に沈めた。
冷えた部屋の空気が肌に触れるたび、心の痛みがわずかに和らいでいく気がした。
瞼がゆっくりと閉じられ、雑念が遠のいていく。
今日のすべての出来事が、霧のようにぼやけていった。
やがて、深い闇の中へと沈み込み、蓮は静かに眠りに落ちていった。
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ほぼ私が小説書くの好きだから書いてるだけ、すぐにかく。