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──明け方
カーテンの隙間から差し込む光が 牛沢の頬を撫でる
目を開けると すぐ隣に寝ているのはキヨ
その向こうにはレトルトが ぐっすり腕枕で眠ってて
反対側のソファには ガッチマンが長い脚を組んだまま 軽く目を閉じていた
「……なんだよこれ どんな修羅場だよ」
ぼそっと呟いた声も 誰にも届かない
身体の節々が痛い 動かすたびあちこちが熱い
「マジで歩けねぇって…」
腰をさすりながらゆっくり起き上がると
寝ぼけた声がすぐ耳元で響いた
「どこ行くの うっしー」
キヨだ 目も開けずに牛沢の手首を引き寄せる
「トイレだよ 離せ」
「だめ まだ俺の隣で寝てて」
「おいキヨくん! うっしーは俺と一緒に寝るって約束してたんやからな!」
レトルトも目を覚まして 抱きついてくる
牛沢はうんざりしながらも その腕をふりほどけずにいると
「ん…さすがに 朝から三人がかりは可哀想かな」
ガッチマンが目を開けて 薄く笑った
「でも うっしーが欲しいって言ったら 別だよ?」
「言わねぇからな絶対!」
叫んだ声が空に溶けて
牛沢の朝は 今日も甘く乱される予感しかしなかった
──たぶん こいつら 全員本気で俺を壊す気だ