あれから何年も経ち、僕は会社員になり、30代になった母さんからは
『そろそろ結婚しないとやばいんじゃない?』
とよく言われるが、
『俺にはショウカしかいなかったんだ、ほかの女になんか好意を持てないよ….』
と毎回返している、お母さんは僕の将来を本気で心配しているようだ、
毎日家を出るときに2人のショウカの仏壇で手を合わせる、この遺影は、昇華のお母さんが最近寿命を迎えて、譲り受けたものだ、その後、職場へ向かい、仕事を切り上げ、たまにコンビニでお酒を買って軽く呑んで寝る、飲むお酒はもちろんほろ酔いだ、お酒は好きだが、どうもかなり弱いらしい、ほろ酔いはいつも3から4分の1飲むと顔を赤くしてもう飲めなくなる
ショウカと一緒にお酒飲めたら、そう思う日だって何度かあった、きっとあいつは僕とは違って、お酒も強いんだろうなぁ…
僕は父さんみたいにギャンブルだったりキャバクラ、タバコはやらない、でもお酒は好きでなんでる、まぁ、週にほろ酔い2本しか消費できないんだけどね
そんなイレギュラーのない生活を何十年も続け、僕にもお迎えが来たんだ、それはひどく安らかだった
周りが光に包まれる、ここはどこだろう、それに、なぜか11歳の時の体になってる
『もう、遅いよ!』
そこにいるのは、昇華だった!
『昇華!』
僕は急いで彼女の元へ駆け寄る、そしたらいきなり拳骨をもらった
『遅いよ!50年以上待ったんだよ、もうちょっと早く来てくれてもよかったじゃん!』
『あはは、ごめんごめん』
僕は73歳まで生きた、まぁ、かなり退屈な人生だったから、平均寿命より短くて逆によかった
『ところでさ、ここには僕と昇華しかいないみたいだけど、何でなの?』
『ここはね、死者が彷徨う世界なんだ、自分だけの世界を作り出せる、だから、ここには私と水城しか入れないの、』
そう言って、パチン!と手を叩く、すると
周りに緑が溢れかえる、沢山の花畑だ!その中に、ブランコがポツンとある、
『あそこに座ってさ、話そうよ!昔みたいにさ!』
手を引っ張られる、どうやら、ほぼ強制のようだw
ブランコに座る、ショウカが話しかける、
『昔ここでプロポーズしたっけ、でも、私たちね、結婚できないんだって、』
へ?何で?僕はそう思った
『実は私たち、、、、』
『腹違いの兄弟なんだって…』
『この世界で見たんだ、私ね、あなたのお父さんの子供なの、正確には、あなたのお父さんの不倫相手の子供だったの、、、、』
僕はその言葉を聞いて絶句した、、、何で、じゃあ僕らは結ばれない運命だったのか…….
父さんは僕の全てを奪ったんだ
葬式にて
『ごめんなさい、、、、ごめんなさい、、、、実は私、あなたの夫さんと付き合ってたの、それで子供まで孕んで、、、、ごめんなさい、、、ごめんなさい、、、』
『あなたの幸せを奪って、、、ごめんなさい……』
『私のお父さん、、、私たちの幸せを何度も奪って、、、、最低だよ……』
昇華は涙を流す、
僕も、昇華とはどっちにしろ一緒になれなかったということを聞いて絶望した、、、
『でもさ、次の人生ではさ、良いお父さんに会えると良いね』
『そうだね…..』
『ねえ水城…』
『…..どうしたの?』
『その、、、さ….こんな年だから言うの恥ずかしいんだけど、、、次の人生ではさ、
大人になったら、結婚しようね!』
そう昇華は僕に言う、それに僕は
『うん、約束だよ、』
と、昇華に向けて薬指を出す、昇華も薬指を出す
指切りげんまんをした、
扉が現れた
『ねえ、ショウカ、あれなに?』
『あれ?フフ、何だろうね、私が猫になった時もあの扉を潜ったの、だからさ、安心して一緒に通ろ!』
『うん!そうだね、』
2人は繋いだ手を離さずに、2人でその門を潜って行った、猫になった君でも、僕は愛し続けることができたのかな……
〜終わり〜
コメント
1件
次作も楽しみにしててください、一応既に結末は決まってて長編になったらいいなぁって感じです、ハッピーエンドにしたいですね