ーー県の山奥、捉えた桃太郎との交渉によって得た情報を頼りに四季を助けようと足を向けた。
練馬区の偵察隊、隊長副隊長に上り詰めた淀川と並木度。
戦闘部隊でなくても、それこそ桃太郎にも名を轟かれている最強になった無蛇野。
戦闘部隊の背中を守る為に、京都支部援護部班隊長の座に立って多くを救う花魁坂。
教師という肩書きを捨てて最前線に立とうと決めた朽森。
非常員勤務として羅刹に勤務しながらも戦闘をこなしている印南と猫咲。
皆四季がいない間に、四季を探す為にも来る日も来る日も空けない泥沼のような中で鍛えてきた。きっと今日の為に。
四季のいない間彼らは遠くに行った。全て四季を見つけまた会う為に
計7名が一動に山奥の廃村に立つ。
桃太郎機関が拠点にしている建物は鬼と違って何処かしこにも建設されている事の方が多い。隠れる必要性はそこまで高くはない、なんて言ったって政府が後ろ盾となっているからだ。
…けれど、桃太郎機関という集団ではなく一隊が勝手に行っている行動ならば隠れていても不自然ではない。それこそ鬼神が関わっているとなれば尚更。
「馨ぅ」
「…はい」
人気が無い廃病院。草木が生い茂り自然すらも隠すように建っている病院の前で並木度は自身の血を入れた小瓶を数度振った。
「…桃太郎が、大凡500前後」
「鬼は…2、いえ…3ですかね…」
「はっきりしないのか」
「えぇ、1人は確実です…一ノ瀬先輩は居ます」
「ですが……」
「言え」
あの並木度が明確な数字を出せないことに無蛇野は眉を顰める。妙に嫌な汗が並木度を抜いた全員に伝った気がした。
少し歯切れが悪い並木度に淀川は続きを促した。いや…答えさせた
「…はい」
「1人は一ノ瀬戦闘です、残りの不明瞭なのは恐らく生後間もない幼児です」
「…おい」
「ふざけんなよ…」
「ふざけてるように見えるのか…?」
見えた物を自分の中でも納得がいかないと思いながらも続ければ、変に勘がいい紫苑が眉間に皺を寄せて胸ぐらを掴む。困惑の混じった顔の紫苑の腕を並木度は掴み悲哀に染まった顔で睨んだ。
「…チッ」
「…四季の子供と言うことか?」
「はい、恐らく確定です」
手袋がギチリと悲鳴をあげているのにも関わらず掌を握りしめる真澄。
目を細めて顔に暗い影を作る無蛇野。
悲しみとも怒りとも取れる表情で虚空を見詰める花魁坂。
猫咲は下唇が八重歯でブツリと切れて血が流れるほどに噛み締める。
印南は咳き込んで手に付いた血をただ握りしめる。
並木度の服を舌打ちしながらも手を離す紫苑。
「…行くぞ、四季が待っている」
無蛇野も真澄も相変わらずのポーカーフェイスだが、怒気や殺意は隠し切れては居ない。
さぁ、乗り込もうじゃないか…彼らの最愛を救うために…
次回は遂に敵陣に乗り込み
次の次ぐらいで最終話になるんじゃないかな…と思います
最後はハッピーエンドとバットエンドどっちが良いですかね…
希望があればコメントくださると嬉しいです…
大まかかな内容があっても良いですし、
『こうなって〇〇とくっつ居てほしい』とか
『こんな感じの雰囲気が好き』とかでも全然構わないですので…
コメントいただければ色々書きますので…
書いてる最中からこの設定存外と楽しくなってきちゃいましたので…
コメント
8件
四季ぃぃ(TT)みんな四季のために怒ってるってことが最高なんよね👍️自分は幸せ好きだからハピエン~!バドエンでも(๑•̀ㅂ•́)و✧

