窓がカタカタと揺れる
今日は風が強く、もうすぐ台風がやってくる
枯れ葉が舞い上がり、強い風の音まで店内に聞こえてきた
ガランとした店内で俺とウェンは、いつもは掃除が出来ない所まで掃除していた
「もうそろそろ降って来そうだな」
「うん。3日間くらいずっと雨だもんね」
2人で外を見ていると、店の入り口に置いてある看板が風で持っていかれそうになっていた
「マスター!もう店の看板しまった方が良いかも!」
「あぁ、そうしてくれ。もう終わりの時間だしな」
ウェンが看板を中に入れると入り口の鍵を締めた
「ウェンそのままレジ閉めしてくれる?俺このゴミまとめて捨ててくるから」
「今日ゴミ多いけど大丈夫か?俺も手伝うよ」
「大丈夫だよ、このくらい。じゃあ終わった方から手伝おうぜ」
「分かった」
今日暇で片付けた分、いつもの倍で4袋ゴミが出来た
台車に乗せても無理だな
風も強いし‥‥‥
裏口に4袋まとめて置き、外へは2袋ずつ待って行くことにした
風の強い中ようやく全部のゴミを捨てる
そして戻ろうとした時、誰かに強く肩を掴まれた
驚いて振り向くも風が強く、自分の髪の毛が邪魔をして前が見えない
手で髪の毛を押さえて顔を上げた
コイツ‥‥
この前店に来たあの2人組
「よう、お兄ちゃん。初めて会ったのもここだったな」
「‥‥何か用ですか?」
肩を掴む手を払おうと手を上げた瞬間、その腕を掴まれる
「この前はあのままいなくなっちゃうから俺たち寂しかったんだけど?」
「‥‥あの、すいませんが手を離してください」
「ねぇ、仕事終わったんだろ?このまま俺達と遊びに行こうぜ」
「いえ、まだ仕事中ですから」
「良いじゃん。俺達と行こうよ」
掴む手を解こうと力を入れる
でももう1人もそばまで来ると俺の腕を掴んだ
「ちょっ‥‥やめて‥‥」
「聞いたか?『やめて』だってよ。俺達も手荒な事はしたくないんだからさぁ、早くこっちに来いよ!」
「離せよっ!!」
2対1で勝てる訳がない
体はズルズルと男達に引っ張られていく
それでも抗い続けて大きく体を捩り、腕を振り回した
そして何がどうなったのか、フッと体が軽くなった
俺は勢い余って後ろのゴミのコンテナの角に背中と頭を強く打ちつけてしまう
「‥‥っ‥‥‥‥」
「お、おい!‥‥‥‥」
ぶつかった瞬間、頭の中が黒くフェイドアウトしていくのを感じた
体が何かに掴まれている
そしてふわふわと宙に浮いた感覚
俺‥‥‥‥
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コメント
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こ、こや...? ウェン~気づいて~ 師匠僕決めました!あの こや に絡んだ虫は許しません!! 続き楽しみ~