TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

グク「ヌナ、やっと起きたの?さすがに飲み過ぎだよ。はい、これ飲んで」


私「お水?あ、ありがとう」



差し出されたミネラルウォーターを飲むと、少しは頭痛が緩和される気がした。


ジョングクはラフなビッグシルエットTシャツと黒スウェットに着替えていた。

シャツを押し上げる厚い胸板と、太い腕っぷしに彫られた派手なタトゥーに、ドキッとする。



グク「ヌナ、起こしても起きないから、連れて来ちゃった」


私「うん、テヒョンから聞いた。迷惑掛けてごめんなさい」


グク「……一応言っておくけど、ホテルに入る所パパラッチには撮られてないから。それに部屋は人数分取ったし」


私「う、うん」


グク「…ねえヌナ、俺たちだってオトコなんだから、そんなに隙を見せたらダメだよ」


私「…?」



隙って、何のことだろう?

あ、そっか、ビジネスホテルとはいえ、BTSのメンバーと私情でホテルに泊まったことが世間に明らかになったら、たぶん処罰だもんね。会社に反省文を出すくらいならまだいいけど…



グク「それと…」


私「?」


グク「ヌナが気付いてないようだから俺が言うけど…着替えさせたのは、シャツを洗うためだから」


私「えっ?」



私は驚いて、自分の姿を確認する。

ボタンの白ワイシャツは脱がされ、ジョングクと同じようなビッグサイズのTシャツに着替えていた。

下は、ジーンズのままだった。



私「あ、あれ?どういうこと…?」


グク「だから、焼肉屋でヌナのワイシャツ汚れちゃったでしょ?シミになるといけないから、さっきホテルのワンコインランドリー借りて洗濯してきた。乾燥機もあったから、ここ出る時には着られると思うよ。その服はコンビニで買ったやつ」


私「ジョングクが洗濯してくれるの?ありがとう」


グク「………どういたしまして」


私「本当に、何から何までごめんね…全部でいくら掛かった?」


グク「ん?」


私「飲み代、ホテル代、洗濯代、シャツ代、あとミネラルウォーターも!お金返すよ」


グク「えーと…」


私「もしかして、タクシーとかも使った?ごめん、本当に」



ジョングクは、テヒョンに助けを求めるように視線を投げた。



テテ「そういうのいいから」


私「えっ、でも…!」


テテ「俺たちがそうしたくてやったんだから、ヌナは気にしないで」


私「うーん…困る…」



いくら相手が億万長者BTSとはいえ、私はヌナだ。お金や恩の貸し借りは作りたくない。



テテ「じゃあ、こうしよう」


私「?」


テテ「ヌナは、彼氏との事を俺たちに逐一報告すること」


私「えっ…」


グク「名案じゃん」



合いの手を入れたジョングクに、テヒョンは頷きを返した。



グク「そうしよう。それでいいね、ヌナ?」


私「でもそれって、二人に余計迷惑を掛けることになるんじゃ…」


テテ「迷惑とか思ってない」


私「えっ……?」



戸惑う私。どうしてそんな風に言ってくれるんだろう?



私「で、でも…二人にはもうこれ以上迷惑は掛けられないよ。お酒で失敗しちゃったことは謝るよ。だからちゃんとお金で返させて!」



今回は心が弱っていたタイミングでご飯に誘われて、ついつい乗ってしまったけれど…


原因は交際関係にあるといっても、ヤケ酒して眠り込んで二人に迷惑を掛けてしまったのは私だ。


それに、私は彼氏のことをまだ、ちょっとだけ信じたい。


私のことを大切にしてくれるんじゃないかって…


『彼との家に帰らなきゃ』


『彼に、無断で外泊してごめんって謝らなきゃ』


ずっと、そう思っている。


叩かれたり、暴言を吐かれたりしても…


私の帰る場所はあそこなんだって、そう思ってるから。


私が我慢すれば。


もう少し多く彼にお金を渡してあげて…彼の親の借金返済のサポートしてあげれば…


きっと、今だけ。


もう少し我慢すれば、きっと良くなる。


また付き合いたてのあの頃みたいに、二人で笑い合って…私のことを大切にしてくれる。



私「そ、それに、すぐ仲直りするから!そんなに気に掛けてくれなくても大丈夫だよ。私はほら、丈夫だし、元気だし!」



笑おうとして、頬の絆創膏が引き攣って、傷んだ。



私「…っ!」



痛いのは頬の傷だけじゃなかった。

胸が、チクチクと痛い。

鼻の奥がツンとして、涙が溢れそうになった。



テテ「ヌナ…!」



テヒョンが、私のいるベッドに腰掛けた。


そしてジョングクもベッドに腰掛けて、私の手を握ってきた。


イケメン二人に左右から囲まれて、私はどうしたらいいか分からなくなる。



グク「ヌナのそんな姿、見たくないよ」


私「………」


グク「ねえ、お願い。もっと自分のこと大切にして」



ジョングクが何を言いたいのか、本当は全部わかってる。

分かってるけど……



グク「ヌナが、カレシのことまだ好きなのは分かるよ。分かるけど…ヌナは、本当の自分の気持ちに気付いてない」


私「わ、私は…彼と話し合って、仲直りする……」


グク「でもそいつ、浮気してるんでしょ」


私「……!!」



ジョングクの声音が冷たい。それに、すごく怖い顔をしている。



グク「ヌナは仲直りするって言ってるけどさ、ヌナは悪くないよね?」


私「そ、それは…きっと私が何か、彼を怒らせるようなことをして…だから彼は…」


グク「ヌナが何をしたっていうの?」


私「…………」


グク「そういう考え方って、DV受けてる女の子の典型だよ。自分が悪いから殴られる、自分が悪いから浮気されるって…そんなのおかしい」


私「…………」


グク「俺なら、ヌナを幸せにしてあげられる」



ジョングクはそう言って、私の手をぎゅっと握った。


そして、私の目を真っ向から見据えた。



私「ジョ、ジョングク…?」


テテ「僕もいるし」



テヒョンが私の隣に座ってきて…


私と深く指を絡めて、恋人繋ぎをしてきた。


すごい…男の人の手だ…!

大きくて、力強くて、ゴツゴツしてて…あったかい。



テテ「彼との事、もう少しよく考えてみて」


私「テ、テヒョン…!」


テテ「ヌナには、もっと相応しい男がいると思うけど」



テヒョンはそう言いながら、恋人繋ぎしている私の手の甲を、自分の頬に押し当てた。


テヒョンに何度もメイクはしたことがあるけれど、それはブラシだったり、スポンジだったり。


…素肌に触れるのは初めてだった。



私「わっ…!」



ち、近すぎる…!!!


思った以上に柔らかいテヒョンの頬の感触。

長いまつ毛と、綺麗な瞳。

右目の下まつ毛の間に隠れたチャーミングなほくろまで、よく見える。


突然の甘い雰囲気にテンパる私を見つめながら、テヒョンは私の手の甲にチュ、と軽いキスを落とした。



私「!?」



私は真っ赤になって固まった。


キ、キスした…!?


えっ、えっ、えっ…!?


なんで………!?!?



グク「テヒョン、そういうのダメ!」



すかさずジョングクが割り込み、私とテヒョンを引き剥がした。


怒ったジョングクが面白いのか、テヒョンはニシシ、と笑って、サイドテーブルに置いてあったミネラルウォーターを一口飲んだ。



私「あっそれ私の…」


グク「テヒョン!もう!」


テテ「えへへ〜」



私とジョングクにダブルつっこみをされて、テヒョンは楽しそうにふにゃふにゃと笑った。


さっきまでのド・イケメンモードは何だったんだろう?すっごいドキドキしちゃった…!!

さ、さすがBTSのV!演技が上手いなあ…!!



テテ「俺たちの気持ち、伝わった?」


私「う、うん…」


グク「とにかく、ヌナはこれから俺たちに報告をすること」


私「わ、分かった…」

メイクヌナとグクテテ

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

24

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚