「…っは??」
「お前に挿れられるとか」
「ま、っ」
俺の口を塞ぐかのようにキスをする。
少しくらい喋る余裕くらい与えてくれてもいいだろう。
「…ふ、待……てって!」
893の手が俺の腰に触れる。
この体制は、騎乗位でもするのだろうか。
いや、まさか…。
まさか。
「ちょっとー、力抜いて?」
「学校、でこん、なこと…」
「えぇ?てか俺の席だし。 片付ければいいじゃん。」
こいつにバレちゃだめだという考えはないのか。
と思いながら少し嬉しく思っている自分がいる。
一回挿れられればもう抜け出すのは無理なような気がして、 今のうちに必死に抵抗してみる。
が、こいつは力が強い。
「あー…もう無理」
さっきよりも強い力でグッと押さえつけられる。
その途端俺の体は下に真っ直ぐ落ちていく。
「ぁ゛ッッ!!??」
「ッあ?く゛……ゥ」
「ふ、っ…は、ぁ?!?」
俺の体が一気に跳ね上がる。
まだ声を抑えられている。
「ん、ちょ、締めないで………」
穴は元々緩かったがこんなでかいのを挿れられるのは初めてだ。
というか挿れられたことも無かった。
頭がふわふわして、何も考えられない。
ただ喘ぐことしかできない。
知らない間に俺もイッている。
「ん゛ッん゛、ぁう゛ッ…」
苦しい。痛い。上手く息ができない。
なのに気持ちいい。
そんな変な感情で自然と涙が出てくる。
「やァッ…だ…ィ、イ゛ッた、から」
「止め…てェッ!!」
「はぁ?先輩、止めてって言ってる割には自分から動くよね。」
「っ…く゛ぅ…」
冷房まで付けているというのに俺の体は汗でびしょ濡れだ。
俺の精液と涙で更にぐちゃぐちゃになっている。
「あ!!ぅ゛、ごめんなぁさァ゛!!?」
「あ゛ッ……はゥ゛ッ、ぅ゛ぅ゛!んっ」
893が動きを止める。
「ッう゛……?」
「………あ、もう片付けかなぁ。」
「オーボエの子もう帰ってる。早いね(笑)」
「片付けなきゃなぁ…」
そんなこと言うなら早く抜けよ。
…今は俺だけ、っなのに。
「今からはもうちょっと静かにしよーね。」
「………ねぇ、いっくん。実はこれもうちょっと入るの。」
「ぅ、あ゛ッ?」
「ゃ、えぅ゛…」
上手く言葉が出てこない。
最初挿れられただけでも相当苦しかったのに、
これ以上奥に、挿れられたら、おそらく俺は動けなくなる。
「否定しないってことは、良いってこと?」
「嫌だったら言ってね。」
ここで出てくるこの小さな気遣いはいらない。
でも、少しキュンとしてしまった。
「…ッお゛、ぉあ゛ッ゛ひ!?」
視界がチカチカしている。
カヒュ、という自分の浅い呼吸音が微かに聞こえる。
「ん゛ッッッ!!!!?」
「いっくん、またイッてる…っ。亅
体が女の子になってしまったよう。
何度もイッているせいで苦しい。
「あ、待って俺も、イッちゃう」
「抜くから、力…抜いて…ッ」
「ほんと、バカ…!早く…!」
腰が勝手に動く。
苦しそうな顔をした893の髪から汗が落ちる。
何気にこんな余裕のない893を見るのは初めて。かもしれない。
「ん゛ん゛んッ、」
「は、ッ…無…理…、!」
「く゛ぅ゛ッ………」
中があったかい。
そして前を見れば893の上目遣い。
こんな時でも893はイケメンだ。
ずるい。悔しい。
「片付け、しよっか。」
 
 
 
 〜後々の会話〜
「いっく〜ん、立てる〜?笑」
「立てるわ…っ!」
「あぐ、っ、」
「立ててないじゃん笑」
「………ねぇ、先輩。」
「俺と、付き合ってくれませんか?」
「俺、本気で好きになっちゃった。」
「…俺でも、こんな好きになると思ってなかったんだけどね。」
「………ッ…。」
「…周りに言いふらさないし、嫌だって思ったらすぐ改善する。」
「何より、いっくんの役に立ちたい。」
「いっくんの喜ぶ顔が見たい。」
「お願いします…」
「ッ…俺じゃ、だめですか。」
ずるい。
俺はもう893の手を取っている。
 「………ありがとう…笑。」
「まぁ、とりあえずまともに立てなさそうだからフルート持ってって。」
「譜面台とチューバは俺が持ってく。」
さっきのロマンチストはどこへ。
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