テラーノベル
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「俺学校行ってくるね!」
玄関に立ってそう叫べば、ドタドタと賑やかな足音が聞こえた。音の主は京夜さん。
「四季くん、忘れ物は?」
「京夜さん!大丈夫ないよ!」
「ハンカチティッシュ、絆創膏、防犯ブザー、GPS、催涙弾は?」
後半に行くにつれて物騒になる荷物確認に違和感を覚えなくなったのは何年前からだっただろうか…。
「俺らがいるから少しは安心しろ」
「皇后崎!」
「学校じゃねぇんだから…迅、で良いだろ…」
「!迅っ!!」
満遍の笑みで皇后崎に抱きついた四季を穏やかな顔で見つめる花魁坂。
どうか彼が辛い目にあうことがないようにと微笑む顔の下で乞い願う。
「ほら、四季君達行ってらっしゃい」
背中をポンと押され元気よく手を振って行ってきます!と広間のみんなに聞こえるように叫んだ。
小さくなる背中をずっと見つめている。皇后崎と楽しそうに話して笑う姿。その顔には過去の面影は見られない。
『四季君!!』
肌にまとわりつく雨に濡れた服が重くて、イヤに気持ち悪さがのしかかる。
セットした髪が崩れようと、靴が濡れようとも雨の中走り続けてようやく見つけた。
四季君は傘も刺さずに廃工場に立っていた。
『おい…らんざか、さん……』
四季君の顔に伝う雨は頬を滑り落ちる。すぐさま近付いて涙か雨かわからないその雫を拭う。
『四季君…』
『ごめんなさい……』
小さく呟いて、四季は俯いた。
小さく雨に濡れた頭を花魁坂は静かに撫でて、抱きしめた。四季の冷たい体に花魁坂の暖かい体温がじんわりと移った。
『ここには俺しかいないからさ…』
『我慢しなくて良いよ』
『ッ…ぅ、あ゛ぁぁぁぁっ!!!!!』
雨音ですら掻き消せない程の喘鳴が響く。花魁坂のジャージを掴み胸に蹲るように涙を溢す。
そんな四季を外部から守るかのように上着で包み込み頭を撫でた。
『四季君…帰ろ?』
止み始めた雨と花魁坂のただただ優しい声が四季の耳を温めた。
『ぅ…ん、帰るっ!!』
今年こんな不穏系なもので良いのだろうか…
ちょっと急いで無陀野さんハピバイラスト描いてきます!!!!
コメント
15件
不謹慎ですが不穏系大好きなんです…苦しい過去がある元気系キャラ大好きです!!!
めっちゃ良かった! 昔の四季くんに泣いてしまう程のことがあったと思うとえ心が苦しくなるね~
めっちゃ最高✨ 今回も面白かった!! 続き楽しみです!!