1人の君にカーテンを。
彰人⇒うつ状態。
冬弥⇒彰人を支える。
スタート
何も考えたくない。そんな時はカーテンの隙間に座ってぼーっとしてる。
外は何も無い。ベランダと青い空が見えるだけ。家はマンションで冬弥と2人で五階に住んでいる。
居心地はそんなに。居場所があるだけいいか。
そんなどうでもいいことをぼーっと考える。
すると時間が過ぎるから。
☕「ただいま。」
☕「彰人?」
ぴらっ…(カーテンをめくる)
🥞「…」
☕「ここに居たのか。俺も座ってもいいか?」
🥞「…コクン…(頷く)」
☕「ありがとう。」
☕「今日は何かあったか?」
🥞「…………」
☕「些細なことでいい。昼ごはんは食べたか?」
🥞「…たべて…ない…」
☕「そうか。じゃあ夜ごはん一緒に食べよう。今日は何がいい?」
🥞「………」
☕「ハンバーグか魚。どっちがいい?」
🥞「…ハンバーグ、」
☕「わかった。話してくれてありがとう。ご飯作り終わったら呼ぶからここにいてもいいぞ。」
🥞「……」
彰人と住み始めたのは1年前くらいだったか?確か寒い時期だった。
とある日絵名さんから電話があってカフェで話したい。との事だったからカフェに向かうと少し焦っているような絵名さんがいて席に座って話を聞いたところ彰人がうつ状態でなにもしない。そんなことを聞いた。
「話しかけても無視だし部屋にこもっててご飯も食べないの。冬弥くん何か知ってる?」
俺達は伝説を越えれなかった。精神的に辛かったのだろう。彰人は伝説を超えるのを苦痛と感じて彰人だけが違う道に進んだ。苦しいはずなのにずっと笑ってへらへらして。
「彰人を助けて欲しい。救って欲しい。」
例え死んでも救う。
そう心に決めて彰人の家にお邪魔して部屋の扉越しに話しかけた。
「彰人」
その声を聞いて彰人はびっくりしたのだろう。部屋から出てきて俺にすがった。
「俺どうしたらいいかわかんなくてっ…ごめんなさい」
俺に助けを求めてくれた。そう解釈をして俺たちは一緒に住むことになった。
最初は自分からベランダに出て寒い中薄いスエットだけを着てずっと自分を苦しめていた。
自傷行為。自分を苦しめることで快感を得てきっとそれが身についてしまったのだろう。
無理にはとめないけど1時間2時間となるとさすがに寒すぎて凍え死んでしまう。
30分くらいしたら彰人をベランダから回収して話をする。
「今日はどうしたんだ?」
答えてくれないけど話してくれる日を待ってる。
☕「彰人。できたぞ。」
🥞「…………」
☕「彰人。」
🥞「…うん、」
☕「ほら、行こう。」
俺は彰人の手を握って椅子に座った。
☕「いただきます。」
🥞「…………」
☕「…前に手に力が入らないと言っていたからフォークに変えてみた。食べにくかったら言ってくれ。」
🥞「……うん、」
🥞「…パクッ…モグモグ…」
🥞「モグモグ…モグモグ…」
☕「美味しいか?」
🥞「…うん。」
☕「(ご飯の時はちゃんと食べてくれてて良かった、。)」
🥞「…ごちこうさま、」
☕「ごちそうさま。今日も全部食べれて偉いな。」
🥞「………」
☕「お風呂もう沸かしてあるから入ろう。」
🥞「(別に汗なんてかいてないのに、)」
☕「脱げるか?」
🥞「…うん。」
ぱさっ…(脱ぐ)
☕「じゃあ入ろう。」
彰人の手を引いて風呂場に入った。
☕「頭濡らすから目瞑ってくれ。」
️🥞「(……………)」
☕「(多分話聞いてないな…。なるべく目に入らないように…)」
しゃかしゃかしゃかしゃか…(頭を洗う)
☕「痒いところは無いか?」
🥞「…コクン(頷く)」
☕「わかった。目に入るから目瞑ってくれ。」
🥞「…コクン(頷く)」
しゃ~~…(流す)
☕「彰人 髪の毛伸びたな。もし邪魔なら切るが…」
🥞「…このまま…がいい、」
☕「わかった。ありがとう。」
2人とも洗って
ちゃぷん…(湯船に浸かる)
☕「やっぱりお風呂はきもちいな。」
🥞「…コクン(頷く)」
☕「明日は新しい入浴剤を入れてみよう。シュワシュワしてきっと楽しい。」
🥞「…コクン(頷く)」
☕「そろそろ出ようか。」
🥞「…コクン(頷く)」
☕「(さっきから頷いてばっかりだ。きっと今は気分が悪い…。そっとしておこう。)」
ぶぉぉぉぉ…(ドライヤーの音)
🥞「…コクン…コクン…(眠い)」
☕「(眠いのか 笑 今日はすぐに寝れるといいが…)」
お風呂に出てからというもの…
彰人は今気分がとっても悪い。ずっとカーテンの隙間に縮こまって爪を噛んでいる。
彰人が爪を噛むのは癖で気分が悪い時によく噛み始める。
最初は少し見守るがずっとそうしていると流石に爪も割れて噛む場所がなくなってもっと気分を損ねる。
早いうちに寝かせて落ち着かせるか。
☕「…彰人。」
🥞「…なに」
☕「寝よう。」
🥞「…先に寝れば」
☕「彰人と寝たいんだ。ほら、落ち着こう?」
🥞「…俺は寝たくない」
☕「…」
きっとこのままだと無理だな。
きっと今日は1ヶ月に1回くらいの程度で出てくる症状だな。
辛い気持ちも分かるが寝てしまった方が楽。
けど今日は…
☕「(こうなったら無理やりにでも…)」
がしっ…(彰人の手を掴む)
🥞「なっ…」
☕「寝た方が楽になる。そんな苦しい顔を見たくない。」
🥞「ッ…」
ベットにて
☕「彰人が好き放題するなら俺も彰人に好き放題にする。今日は寝てくれ。」
ぎゅっ…(抱きしめて逃げないようにしてる)
🥞「嫌だっつってんだろっ…」
☕「暴れるな。彰人が辛いのは俺が1番わかってる。落ち着こう。」
🥞「離せっ…(逃げようとする)」
☕「俺の事嫌いになっていい。どう思ってもらっていい。絶対離さない。」
🥞「ん”っ~~」
げしっ…(冬弥を蹴る)
☕「い”っ…!!」
するっ…(彰人が逃げる)
🥞「っ…」
☕「彰人!」
ガシャ…(ベランダの戸を開ける)
🥞「(もう何も考えたくないッ…)」
☕「あ…きと、?」
🥞「…おね…がいだから…」
🥞「もう…着いてこないでッ…」
☕「あきっ…!」
がちゃ…(ベランダのドアを閉める)
🥞「(自分を痛めつけないと…もう耐えらんねぇ、)」
☕「(今の外の気温は0℃を下回ってる…あんな薄いスウェットだけでは凍え死ぬッ…)」
🥞「(寒い、肌が痛い、風が痛い、心も痛い、ずっと痛い…もっと痛めつけないとっ…)」
☕「(ごめん…彰人。)」
がちゃ…(ベランダのドアを開ける)
☕「ごめんな。嫌がっていること分かって今このドアを開けた。彰人が今自分を痛めつけないと落ち着かないことは十分分かってる。卑怯なやり方をするがもしこのまま彰人がここにいたいなら俺も一緒に居よう。一緒に彰人の痛みを俺にぶつけて欲しい。」
🥞「なんでそこまでッ…」
☕「…好きだからに決まってるだろう?彰人のことが好きで好きでしょうがないからずっと隣にいたいんだ。だからもしこのまま彰人がここにいたいなら俺にもその痛みを分けてくれ。」
🥞「そんなの…ずるすぎる、」
☕「だから言っただろう?俺は卑怯なやり方をするって。」
🥞「…部屋いくから…1人にさせて、」
☕「分かった。ありがとう。わがままを聞いてくれて。」
🥞「………」
ベットにて…
(お互い反対を向いて寝ている)
🥞「(さっきは…気分悪くて変な態度取っちゃって…。謝らないと、けど怒ってる…よな、。)」
🥞「(やらずに後悔より…やって後悔ってとーやが言ってたな、。)」
ぐるんッ…(冬弥の方を向く)
🥞「…とーや、」
☕「…ん?」
🥞「起きてる、?」
☕「起きてるぞ。」
ぐるん…(冬弥も彰人の方を向く)
🥞「態度…悪くしてごめん、。気分悪くて…そんなの言い訳だけど、迷惑かけた、ごめん…なさい、」
☕「ふふ、気にしなくていい。それに迷惑だなんて思ってない。俺は彰人が大好きだからな。」
🥞「っ!」
🥞「とーや、、」
☕「もう謝るのは無しだ。わかったな?」
🥞「…コクン(頷く)」
☕「ふふ、やっぱり可愛い。」
🥞「?!」
END…
今回ちょっと長いのにここまで読んでくださりありがとうございます🥺
結構頑張ったのでコメントくれると嬉しいです😸
おつたに!
コメント
3件
たにさんの作品最高過ぎます🥲🥲