──数分前。
ノーマンとルーマリが抱き合っているのを、
木陰から見守るふたりの影があった。
エマ「……っはぁ〜〜……!」
レイ「お前、声デカい。バレるだろ。」
エマ「だって!だって見た!?今の!完全にいちゃラブじゃん!!!」
レイ「いや、まあ……いちゃラブだな。」
(※冷静に認めた)
ふたりは顔を見合わせ、
次の瞬間、にやりと笑った。
エマ「……よし、もうくっつけるか!(物理的に)」
レイ「お前が言うとろくな未来にならないんだよな……。」
エマはそのままスタスタと隠れ家へ戻ると、
ルーマリの部屋に入っていき、布団の中へズザァッと潜り込んだ。
レイ「おいエマ!?何してんだよ!?」
エマ「待機!作戦の一環!」
レイ「作戦名、なんだよ。」
エマ「“ふたりが帰ってきたら自動でくっつく大作戦!”」
レイ「うわぁ……ネーミングセンス……。」
頭を抱えるレイだったが、
結局その場を離れず、壁にもたれてため息をついた。
レイ「……まあ、いいや。
ふたりが戻ってきてお前が寝てるの確認したら起こすからな。」
(※すでに未来予測完了)
「……ノマルマ、物理的くっつきイベント見届けようぜ。」
エマ「任せてっ!」(なぜか親指を立てる)
──そして、予想通り。
数分後。
ドアの向こうから足音と、柔らかな声。
ノーマン「……そろそろ戻ろうか。」
ルーマリ「……あの、さっき腰が抜けて……///」
レイ(小声)「あー、はいはい、もうフラグ立ったな。」
エマ(小声)「キャーッ!だっこだっこぉ〜!!」
ドアのすき間から覗くと、
ノーマンがまさかのお姫様だっこでルーマリを抱えて入ってきた。
エマ(口パク)「ほんとに来たぁぁ!!」
レイ(口パク)「展開読めすぎて怖ぇ……。」
ふたりはそのままノーマンの部屋へと向かい、
寝る準備を始める。
レイが小声でエマの肩を軽く叩いた。
レイ「おい、起きろ。始まるぞ。」
エマ「……(半寝)んあ……もう始まってるの!?」
レイ「お前、映画かよ。」
エマが目をこすりながらドアの隙間へ滑り込み、
レイと一緒に**コソッ**と覗く。
ノーマンがルーマリに毛布をかけ、
穏やかに笑っていた。
そして——
ノーマン「……ルーマリ、好きだよ。」
ルーマリ「……私も、好きだよ……」
……沈黙。
エマとレイ、固まる。
そして——
レイ「……お前も成長したな……ノーマン……(涙)」
エマ「ルーマリ可愛すぎ……尊い……(涙)」
なぜかふたりとも**感動して泣いていた。**
レイ「俺ら、何見てんだろ……」
エマ「奇跡だよ……(鼻すすり)」
レイ「奇跡(寝息)。」
静かに扉を閉めるふたり。
その後、リビングに戻ってからも——
エマ「ねぇレイ、ノマルマって正式にくっついたってことでいいよね!」
レイ「……多分、もうとっくにくっついてるだろ。」
エマ「いちゃラブ確認任務、完了!」
レイ「任務名がダサすぎる。」
こうして深夜の「見守り隊」は任務を終えたのだった——。
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