テラーノベル
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妊娠するらしいです((
男でも妊娠できる世界、、だとか()
そんじゃどぞ!
タイトル:シンデレラボーイ - はじまりの朝に -
◆ ある日、検査薬の小さな線
「……りうら。」
洗面所から、ないこの呼ぶ声。
「ん? どしたの?」
りうらが来ると、ないこは無言で細長いスティックを差し出した。
「……これって、もしかして」
「うん。多分……できた。」
しばらく言葉が出なかった。
りうらの目が見開いたまま止まる。
ないくんも、少し震えていた。
「……どうする?」
「わからん。でも――」
深く息を吸って、ないくんの手を握る。
「育てたい。ないくんと一緒に。」
ないくんは黙って頷いた。
その顔には、不安と、喜びと、覚悟が入り混じっていた。
◆妊娠中のふたり
つわりがひどい時期、ないこはベッドから動けなくなっていた。
そんなとき、りうらは慣れない料理本を片手に、 必死でおかゆを作った。
焦がしたトーストじゃなくて、ちゃんとした食べ物を。
「、、食べれる?」
「……味は?」
「まあ、味は……愛情だから。」
「ふふ……それ、一番信用ならんやつ。」
でも、全部食べた。
その夜、ないくんは言った。
「……りうらが隣にいてくれてよかった。」
「ないくんこそ。」
◆ 出産の日
病院の廊下。りうらは手を震わせて待っていた。
「なんで俺がこんな緊張してんだろ……」
数時間後、看護師に呼ばれたとき、
りうらは思わず泣きそうになった。
ガラス越しに見た、小さな命。
「ちっちゃ……」
でも、ちゃんと息をして、泣いていた。
そして、ベッドにいるないこの手を取って、
りうらは泣きながら言った。
「……ありがと、っ」
「……ほんと、泣くの早くない?」
「うるせえ……」
「でも……ありがとう、りうら。」
子育ての日々
寝不足の日。夜泣きが止まらない日。
お互いイライラして、言い合いになる日もあった。
でも、子どもの寝顔を見るたびに、ふたりは思い出した。
「この子、俺たちの“未来”なんだね。」
笑い方がりうらにそっくりで、
寝相はないくんにそっくり。
初めてしゃべった言葉は「ぱぱ」だった。
「……ずるくね?普通ママじゃね?」
「りうらが言わせたろ、絶対。」
「してねえよ!」
「してたよな!? あやすとき“ぱぱだよ〜”って!」
「おい、それ言うなよ!」
ふたりで笑いながら、
子どもの成長を少しずつ、ちゃんと見つめていった。
未来へ
ランドセルを背負って、玄関に立つその小さな背中。
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい!」
バタンとドアが閉まる音。
しばらく静かになったリビングで、
りうらがつぶやいた。
「……早すぎない?」
「わかる。」
「なに、もう“お父さん”の自覚出てきた?」
「まだ慣れないけどね…でも、悪くない。」
ないこが微笑む。
「悪くない、か。」
「ないくんとだからだよ、きっと。」
「……そういうの、急に言うのやめろ。」
「ふふっ、変わんないね、ないくんは。」
エピローグ:いつかの0時すぎ
子どもが寝たあと、ふたりでリビングに残る。
夜風が窓を揺らす音。
ソファに並んで座って、りうらがぽつりと言う。
「0時過ぎても、もうないくんは泣かなくなったね。」
ないくんがりうらの肩に頭を預けながら返す。
「うん。もう、隣に“全部”あるから。」
タバコの匂いもしない。
傷つける言葉ももう、ない。
魔法じゃない、
選び続けた現実の中でできた家族が、
そこにちゃんと生きていた。
一応終わりだそうです~!
前から書き留めしてくれてて今日完結できたので一気にのせました!!!
ありがとうこざいました!
コメント
3件
すげぇ…めちゃええやんけ… お友達もちーちゃんもすげぇ…
なんと‥一気に連載だからうれしすぎる‥ 私もテノこん一気に出します((
くッ…、 この量を書けるなんて… 強すぎる…