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第一話 『旅行者は嘆く』
＿世界軸A-2352にて
「おいイブ」
『どうしました～？』
「どうしたも何も、なんで世界軸Aまで戻ってるんだ」
『嗚呼、ちょいとDが渋滞してて…いいじゃんか、兄ちゃんここ好きだったろ？』
「だからといってAまで戻るか普通…まあいい、観光でもしておくか」
『いやぁ～やっぱりA-2352は食べ物がおいしい！』
イブが頬張っているのはこちらの世界軸で言う饅頭のようなもの。
「どうして案内者が一番満喫してるんだ…」
『だって兄ちゃんが食べないからだろ～？』
「それどころじゃないだろ…渋滞の様子とか見れないのか？」
『見れるさ！』
イブが取り出したのは スマホの様な機器 。
「…そこそこトラベルテレポートが使われる様になって来たんだな。」
『まあ、兄ちゃんが来た時はだいぶ過疎化が進んでたからね〜…今は、兄ちゃんみたいな感じで飛んできちゃった奴も多いし、何より兄ちゃんが居た世界軸以外からもそういう奴増えたからね。』
「…そこまで分かってるのになんで俺がいた世界軸の番号が分からないんだ」
『そりゃ、いくら兄ちゃんが居た世界軸から沢山飛んできても、みんな自分の世界軸の番号知らないんだもん。どうしようもないさ』
「1人ぐらいは居ないのかよ…」
『居てもいつか忘れちまう。普通はトラベラーしか番号知らない訳だから、世界軸番号のアルファベット１個あたり5000も世界軸があるのを周りまくってたら忘れるに決まってる』
「まあ、そうか…」
『あっ、そうこうしてるうちにだいぶ空いたよ。お腹も満たせたし、そろそろ行くか！』
「そうだな。」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
世界軸解説
世界軸番号《A-2352》
此方の世界軸で言う 日本位発展している世界軸。
住人は異形頭であるが 身体や脳はそのまま人間。
食べ物の質が良く、大体の人の口に合う。
D・J・Mの世界軸が渋滞していた際の休憩所としてよく使われる。
主人公のお気に入りの世界軸の1つ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
作者です。
色々補足説明しておきます( ..)”
・トラベルテレポート
世界軸トラベラーが世界軸を移動する際に使う機械。テレポートと言いつつ、現代の車みたいなもの。渋滞等の概念がちゃんとある。
・”兄ちゃんが来た時”
現実世界の時間の進み具合で 大体5年前ぐらい。この時は家に篭もる人が多く、異世界へ行く方法を試す人や世界軸トラベラーが急激に減った。
・世界軸番号のアルファベット
“アルファベット”というのはあくまで現実世界の人がわかるようにした表し方で、他の世界軸だと違う言い方をしたりする。
世界軸番号の最初に着いている物で、1つあたり5000個世界軸がある。アルファベットで言うU位まである。
これぐらいでしょうか 。
文字数が少ないですが 投稿頻度が早めなのでご安心ください 。
スクロールお疲れ様でした 。
では 。
