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教室リーグ~底辺モブ生徒が分析スカウターで超名門校の序列をぶっつぶす~
第39話 - 第39話 聖女の覚醒!女王の残酷な意図を跳ね返す衝撃の決断と、教室を二分する三人の王の絶対的権力
26
1,712文字
2026年05月10日
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れいとうみかん
39-1◆女王の配役、そして聖女の決断◆
天宮と久条のその的確な指示によって、クラス全員の役割は順調に決まった。
クラス全体が演劇の成功という一つの目標に向かって、動き出したかのように見えた。
その時だった。
久条亜里沙が満足げな笑みを浮かべながら、パンと手を打った。
「待って。まだ一つだけ決まっていない配役があるわ」
彼女のその声に教室が再び、静まり返る。
「オフィーリアに仕える侍女の役よ。主役である莉奈の悲劇的な美しさを引き立てるための、目立たず、それでいて、儚い雰囲気の人が必要だわ」
久条亜里沙にとって、その提案は悪意ではなかった。
ただ完璧な舞台を作り上げるための論理的な配役だ。
誰がその役にふさわしいか。
久条の視線が、結城の隣に座る取り巻きの美尾敦子を一瞬だけ、捉える。
(莉奈といつも一緒にいる美尾さん?いいえ違うわ)
久条の思考は即座にその可能性を切り捨てた。
(彼女はあまりにも「陽」の気が強すぎる。侍女にしては少し派手な印象。彼女が隣に立てば、莉奈の悲劇性が薄れてしまう。それにただの仲良しごっこに見える。それではダメ。最高の舞台にはならない)
久条の視線が、教室の隅へと向かう。
白瀬ことり。
(ああ、いたわ。彼女が最適任だわ)
(あの存在感の薄さ。人形のような無表情。そして影のような雰囲気。彼女が莉奈の隣に立てば、莉奈の輝きは、より一層、増すでしょう)
久条にとって、それは悪意でも罠でもない。
最高の舞台を作るためのただの論理的なキャスティング。
最高の絵画を完成させるために、最もふさわしい色をパレットから選ぶ。
ただそれだけのことだ。
その絵の具に感情があるなどとは、彼女は一ミリも考えていない。
「この役に、最もふさわしいのは白瀬ことりさん。あなたしかいないわ」
その久条の純粋な問い。
しかしクラスメイトたちは、それを「公開処刑」だと受け取り、息を呑んだ。
俺の脳内にミラーの声が響く。
ミラー:「きたな。女王の無意識の残酷さだ。どうする奏。助けに入るか?ヒーロー」
奏:「黙れ。俺は今ただ観測するだけだ。彼女自身の選択を」
クラス中の視線が、ことりに突き刺さる。
誰もが、彼女が拒絶すると思っていた。
そして数秒の沈黙の後。
ことりは、静かに立ち上がった。
だが彼女は久条ではない。
教室の対角線上にいる俺のその真っ直ぐな瞳だけを、見つめてこう言ったのだ。
その声は、小さくしかし凛とした響きを持っていた。
「やります」
「その役、私がやらせていただきます」
その一言にクラス中がどよめく。
久条ですら一瞬だけ、驚きの表情を浮かべた。
そして俺。俺の心は、激しく揺れ動いていた。
(なぜだ?白瀬は演劇の役を、引き受けるような性格ではないはず)
(どういうことなんだ?俺は、ますます彼女がわからなくなった)
39-2◆二人の王との統括責任、そして最初の軍議◆
その日のホームルームのあと。
俺と天宮そして久条の三人は教室の隅で最初の会議を開いていた。
この演劇という名の王国を支配する三人の王。
その最初の軍議だ。
口火を切ったのは天宮だった。
「さて三人で進め方の確認をしておこうか。まず俺が全体の予算とスケジュール管理、それから先生や生徒会との交渉を担当する。演出等クリエイティブも俺が責任を持つ。脚本は俺と音無くんが共同で完成させる」
彼は自らが「制作・演出」のリーダーであることを宣言した。
次に彼は久条へと視線を向ける。
「亜里沙には舞台監督をお願いしたい。稽古の進行管理と本番のキュー出し。現場のリーダーは君しかいない」
「ええ。望むところよ」
久条は完璧な笑顔で頷いた。その視線の奥に一瞬、俺は計算の影を見た──気がした。
そして最後に天宮は俺を見た。
「そして音無くんには、舞台技術の全てを任せたい。大道具・音響・照明・衣装など。この劇の世界観を作るのは君の役目だ」
「分かった」
俺は短く答えた。
ミラー:「面白い役割分担だな。王と女王、そしてお前。三頭政治の始まりか」
奏:「ああ。だが、この協力関係がいつまで続くかな」
天宮、久条、そして俺。
三つの力がひとつの舞台を創り上げる──
だが、王たちの間に永遠の平和など存在しない。
その危ういバランスの上で、俺たちの文化祭の準備は始まった。
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