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鉄の扉が閉ざされる鈍い音が、 四人の心を沈めた。 そこは薄暗い拘束室。壁一面に監視カメラが光り、 兵士たちの銃口が容赦なく突きつけられていた。
kz「……なんで、俺たちが……」
───四人は、捕らえられた。
経緯はよく…覚えていない。いつも通りの日常だった。そこに、何やら怪しげな影が忍び寄り…。
夢から覚めると、見知らぬ場所に居て。明らかに異質漂うそこに、畏怖を感じなかった者は居ないだろう。
ただただ、「やってしまった」。
そうやって四人の誰もが思っただろう。
rm「俺らを…どうする気だよ。」
自分への怒りの感情もまとめて、rmが低く呟く。 その横でsyuは震える手を必死に握り締めていた。 fuは無言。だが目は鋭く敵を睨み続けている。
カツカツ、とまるで牢獄のような空間に足音が響き、だんだんと近づいてくる。威圧感漂う態度。この研究所の上層部分の人…のような。そんな雰囲気。
.「お前たち四人の中から、一人を実験体として選ぶ。… …ただそれだけ、だ。そうしたらお前らを解放する。」
直球的に投げられた言葉。その言葉は、身近に絶対存在しない言葉。そんな言葉を聞いてしまったら、幻聴かと思い込みたくなるのも当たり前だ。
syu「っ…ふざけ……!」
rm「誰がそんなもんに協力するかよ!」
だが兵士の銃口が即座に向けられる。
引き金にかかる指。思わず息を呑む四人。
───そのときだった。
kz「……俺がやる。」
静かな声が室内に響いた。 どこか静音としているが、芯が通った、そんな声。 その声の持ち主は、他でもない。kzだった。
fu「kz お前何言ってんだ…ッ、! やめろ!!それなら俺が……」
fuが反射的に振り返って、kzに言い返す。 ……が、kzは至って冷静に呟いた。
kz「だって、俺がやれば…… 他は助かるんだろ?」
淡々と、しかし決意に満ちた声。kz の目は、決して恐怖に揺れていない。代わりに、仲間を庇う意志だけが宿っていた。
rm「っ、バカ言うな!お前を人質に、 俺らが黙ってられるわけ…ッ!」
syu「そんなの、仲間じゃないだろ……!」
だが、そんなことは気にも留めずに、兵士が冷たく銃を突きつけてきた。
.「他に誰か名乗り出る者はいるか? 」
はく、と詰まった息の音が聴こえる。kzを止めるためにも、三人は名乗り出そうと身を起 こす。 ……が、それを静止するようにkzは
一歩前に出た。
kz「いい、三人とも前出んな。」
kz「俺でいい。……俺がなる。だから、他の三人は解放してくれ。」
鋭いピンクの眼光が、兵士を貫く。 上層部の男が口元を歪め、笑った。
.「……ほお、面白い。 随分と威勢が良いものだ…。」
……もう、彼はkzを人間として見ていなかった。 指先から、足先まで。穢れた視線がじっとりと纏わりつき、蝕んでいく、そんな感覚。
fuの拳が震えた。 ───守れなかった。止められなかった。 その事実が胸を締め付けた。それはきっと、fuだけじゃない。rmもsyも同じだった。
fu「……っ、kz……」
威勢良く、三人を庇うように立ちはだかる背。 それとは対比し、酷く震えた情けない声を絞り出すことしかできない。
kzは振り返り、仲間を見て微かに笑った。
kz「なーに怖い顔してんだよ、」
kz「大丈夫だって。 俺のこと信じろよ。な? 」
いつも通り。なのに、どこか不安を揺さぶられる。 ───その笑みが、他でもない。後に「呪い人形」へと変わっていく最初の瞬間だった。