藤澤の身体が、熱を持って震えている。
大森に抱かれていたその身が、まだ疼きを残したまま、呼吸も浅く、ピクリと脚が跳ねた。
 若井がそっと、藤澤の手に触れる。
熱を持ったその手は、まるで壊れ物のように柔らかくて、少しの力で割れてしまいそうだった。
 
 
 
 「苦しいの、まだ続いてるのか……?」
 「ん、うん……っ、でも……大丈夫……もう、少ししたら……」
 「――無理するなって。涼ちゃんが“もう大丈夫”って言うとき、いつも顔に出てんだよ」
 
 
 
 そう言いながら、若井は頬に触れた。
びくり、と藤澤が反応する。
その様子に、大森も静かに横から手を添える。
 
 
 
 「涼ちゃん、俺たちのこと……拒んでる?」
 「……ううん、違う、違うよ……っ、こんなふうにされるの、初めてで……」
 「大丈夫だよ。優しくするから……俺と元貴で。」
 
 
 
 若井が囁いた瞬間、藤澤の表情がふっと揺れた。
その揺らぎを逃さずに、若井はゆっくりと藤澤の足の間へ手を滑らせる。
 
 
 
 「あっ、や、やだ……若井……それ、っ……」
 「ん、やだって顔じゃないけど?」
 
 
 
 くすっと笑うその声には、いつもの優しさと違う、わずかに滾った熱が混ざっていた。
大森が後ろから藤澤の肩を支えながら、耳元に囁く。
 
 
 
 「もう我慢しなくていいよ。副作用でも、そうじゃなくても……涼ちゃんが欲しいから、俺たちはここにいるの」
 「んっ……そんなこと言われたら、もぉ……俺……っ……」
 
 
 
 藤澤の目尻に、涙がにじんだ。
疼きだけじゃない。
心が、張りつめていたものが、静かにほどけていく。
 若井は、そっと唇を近づけた。
濡れた瞳を見つめながら、静かに、まるで壊れ物を包むように、キスを落とす。
 
 
 
 「ん……っ……んん……」
 
 
 
 甘く溶けた藤澤の吐息が漏れ、身体が弛緩していく。
大森は、藤澤の腰のくびれをなぞりながら、背中にやさしいキスを落としていた。
 
 
 
 「どこが一番、楽になれる?」
 「ん、んん……そこ、……もっと、撫でて……」
 
 
 
 指先の繊細な愛撫が、藤澤の身体の奥にこもった熱を掘り起こす。
疼きが鎮まるどころか、二人のぬくもりに誘発されるように再び高まり始めていた。
 
 
 
 「まだ、足りてないんだろ?」
 
 
 
 若井が、震える藤澤の下腹部に触れたとき、藤澤は小さく悲鳴を上げた。
 
 
 
 「若井っ、だめっ、もう、限界で……っ」
 「じゃあ、俺たちで、終わらせてあげるよ」
 
 
 
 その言葉に、藤澤はふるりと瞳を閉じた。
そして──
大森の手が、胸元をゆっくり撫で、若井の指が、藤澤の中心を這う。
 
 
 
 「んっ……はぁ……っ……やっ、だめ、……っ、気持ちよすぎて、おかしくなる……っ」
 「おかしくなっていいよ。2人ともついてるから……大丈夫」
 「いっぱい気持ちよくなって……涼ちゃん」
 
 
 
 愛が、絡まり合っていく。
3人の心が、過去と痛みを乗り越えて──今夜、ようやく一つになる。
 
 
 
 
 
 
コメント
4件
若井が言った言葉がちょーかっこいい(`✧∀✧´) 涼ちゃんも優しさがそのままで言葉選びが最 & 高だな(´-ω-) インフルで遅れて多分取り戻したどー!! 続きが待ちどうしいな!
私、今、すごいキュンキュンしてます! なんか、いっそ、3人とも結ばれちゃえ〜!って思ってますw 主さんの言葉選びが美しすぎて、ついつい時間とか色んなコト忘れて魅入ってしまいました! いつもお忙しい中、作品の更新ありがとうございます🙏 次のお話も楽しみにしています😊