「ん、」
冷たい床で意識がはっきりとし、身を起こした
「、寝ちゃってた、のかな」
今は何時だろうか、
私が襖の出っ張った場所をさがしていると
“ あなた 起きる ? ”
「!這いばいさん?」
後ろから手を握られる感覚がし、這いばいさんの声が響いた
「 ” 私 起きる あなた 起きる ?” 」
“ あなた 起きる ! 一緒 ! ”
「ふふっ、そういえば、赤傘さんは?」
“ 私 ここ ”
赤傘さんの声が聞こえ、私の手に何かが当たった
「!もしかして、赤傘さん?」
何かを拾い、触ってみるとどうやら傘のようで、赤傘さんは傘に擬態したようだった
“ これ 姿 あなた 疲れる 減る ? ”
「!、うん、ありがとう赤傘さん」
おそらく、私がいつも白杖の代わりに傘を使っているので、彼なりに気を遣ってくれたのだろう
そして、私は傘、もとい赤傘さんを持ち、
這いばいさんに手伝ってもらい襖を開ける事に成功した
「お母さん、もういないかな?」
耳を澄ますと、遠くから微かに呼吸音が聞こえた
“ ..アイツ 別 部屋 眠る ”
「別の部屋、という事は居間にいるのかな、」
私は傘をトントンと辺りを確かめながら、音のする方へ歩いて行った
歩くたびに呼吸音は大きくなり、とある位置に立つと、呼吸音がはっきりと聞こえた
「お母さん、まだ寝てるのかな、」
“ あなた ! 今日 あそこ 行く ? ”
「あそこ、学校の事かな?」
私は傘で辺りを確かめながら、お母さんには内緒でこっそりお小遣いで買った点字カレンダーを触った
「土曜日か、ちょっと家には居られないな、」
お母さんは基本的に土曜日、日曜日に帰ってきて、平日はどこかへ行ってしまう
お母さんは私がいる事を嫌がるから、私は外で一日中時間を潰さなくちゃいけない
「この時期に外は、ちょっと厳しそうだな、」
“ ? あなた 悲しい ? ”
私がそう呟くと、這いばいさんが私の服をつまんできた
「 ” ううん 大丈夫 今日 あそこ 行く ない ” 」
「 ” 代わり 今日 ずっと 一緒 可能 ”」
“ ! 一緒 ! ”
“ あなた 好き ! ずっと 一緒 ! ”
「ふふっ、じゃあ、お母さんが寝ているうちに行こうか」
その後、私は二人と共に家を後にした
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「、アイツか?」
「あぁ、あの赤い奴も一緒だし、間違いないだろうね」
「ってか、なんか一体増えてねぇか?」
「おそらく報告に出ていたもう一体の怪異だろう」
五条、夏油の2名は例の少女がアパートから出る様子をじっと見つめていた
「んで、あの腐ったみかん共は見つけたら殺せって言ってけど」
「もちろん、そんな事はさせないさ」
「だろうな。とにかく、あのガキから話を聞かなきゃ始まらねぇな」
「悟、子供相手にそんな態度だと怖がられてしまうよ」
「うっせぇ」
この二人の出会いが、少女の人生に大きく影響する事はまだ、誰も知らない
コメント
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ずっと前から見さしてもらってます!この作品めっちゃ好きです!?いつも応援してます.ᐟ.ᐟ.ᐟ