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📖 第十三章:「すれ違いの朝」
翌朝。
まだ少し眠気の残る校舎に、朝のざわめきが広がっていた。
昇降口には、生徒たちの声と靴箱の開け閉めする音が響いている。
○○は、いつもより少しだけ早く学校に来ていた。
○○:(……こんなに早く来ちゃった)
自分でも理由は分かっている。
○○:(……もしかしたら、会えるかもって)
少しだけ、胸がそわそわする。
靴を履き替えようとして——
ふと、視線が止まる。
○○:(……あ)
少し離れたところ。
下駄箱の前に立っている後ろ姿。
見間違えるはずがない。
——凛だった。
朝の光が差し込む中で、静かに靴を履き替えている。
○○の心臓が、少しだけ速くなる。
○○:(どうしよう……声かける?)
昨日、一緒に帰ったばかりなのに。
それでも、朝に話しかけるのはまた別の緊張がある。
○○:(……でも)
一歩、踏み出す。
○○: 「……凛」
少しだけ小さな声。
凛の手が止まる。
ゆっくりと振り返る。
凛: 「……何」
いつもの短い返事。
でも、その目は少しだけ柔らかい。
○○は少しだけ近づく。
○○: 「おはよ」
言った瞬間、少しだけ照れくさくなる。
凛は一瞬、間を置いて——
凛: 「……おはよ」
小さく返す。
それだけなのに、○○の胸がふわっと軽くなる。
○○:(……返してくれた)
ほんの些細なこと。
でも、それが嬉しい。
⸻
隣同士で靴を履き替える。
距離は近いのに、少しだけぎこちない空気。
○○:(何か話さないと……)
でも、言葉が出てこない。
は先に靴を履き終えて、立ち上がる。
そのまま歩き出そうとして——
一瞬だけ、止まる。
凛: 「……今日」
○○: 「え?」
凛は振り向かないまま、
凛: 「放課後、空いてる?」
突然の言葉。
○○の頭が一瞬止まる。
○○: 「え、あ……うん、多分」
慌てて答える。
凛は小さく頷く。
凛: 「じゃあ」
それだけ言って、今度こそ歩き出す。
○○はその背中を見つめたまま、しばらく
動けない。
○○:(……今のって)
胸の奥が、ドクンと大きく鳴る。
○○:(誘われた……?)
⸻
教室へ向かう廊下。
朝の光が差し込む中で、
○○の足取りは、少しだけ軽くなっていた。
ただの「おはよう」から始まった朝。
それだけなのに——
昨日より、もっと近くなった気がした。
コメント
1件
え?なに?おばさんドキドキしちゃう!///(👈こんなだけどまだ12です)