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9 - 第9話 閲覧注意 オルハン ケーキバース

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2024年12月24日

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そろそろクリスマスなので、ケーキが食べたくなるよね!(久しぶりっす)

ケーキバースとは?

この世界では、オメガバースのように「ケーキ」、「フォーク」、「その他」の人間が存在するよ!世界を構成するのは「その他」の一般人が大多数を占めているんだ!

「フォーク」の人間には通常の味覚が無く、「ケーキ」である人間だけを甘くて極上のケーキのように食べられる!

通常の味覚が無い分、「ケーキ」に目がなく執着し、最終的に捕食に至ってしまうため世間からは「予備殺人鬼」と言われている。

ちなみに、自分はオメガが分かんないんだよ〜!


これは、そんな世界にいる、フォークとケーキの話…


警察署の屋上で一人呟いていただけだ。


“…はぁー…お腹は減ったが、食べなくないな…”


[どうしたの?オルカちゃん。]


突然、声を掛けられ驚く。気付いたら隣に居た。


最近、何を食べても美味しくない。ゴムを食べているようだ。


しかも、甘い匂いがしてくることがある…


“レッサンは味を感じるか?オルカは感じなくなっちゃったんだ!”


[え?そりゃ感じるけど…オルカちゃん、病院に行ったら…?]


“病院はいいよ!色々あるし…”


しかも、今日は大型があるんだ。休んでる場合ではない。


[…?お腹減ってるよね?カップケーキでいいなら食べよ?]


正直、食べても意味ないと思っていたが、食べることにした。


“…美味しくないなぁー…やっぱり、食べる意味ないのか…”


ピロン!パシフィックの通知が鳴ってしまった。


“ん!パシ行かないと!?”


[うん!私ヘリ出すから!!]


パシフィックの方向からは、ほんのり甘いケーキの匂いがする。


“今どのギャングが来て…え?”


噎せ返る程の甘い匂いにクラクラしてきた。


“ごめん…レッサン、目眩が酷い。遅くなるな。”



無事に制圧は出来ている。犯人の中には…


ハンが居た。


理性を失うような、強い空腹感と、甘い匂い…


眼の前に居るハンに齧り付こうとした瞬間に、


[オルカちゃん!?大丈夫!?]


慌てたレッサンに止められた。しかし、もう限界だ。


“ハン…ちょっと…ごめんな…!”


「やめろ!!」


動きが止まって正気に戻った。


“…ごめんな、オルカおかしくなっちゃったんだ…”


息が止まるほどの空腹が、理性によって覆される。


“ごめんな…っ…バイバイ…”


とりあえず、ヘリに乗って本署に戻る。


ずっとヘリの中で葛藤し続けていたが、結論は見当たらない。


“オルカ帰還したー!”


果たして、本当にあれはなんだったのか。


少し、気になる。


“…レッサーン?犯人どうなった?”


[今プリズン行ったよー?どうかしたの?]


何もかも終わったんだから、もう大丈夫だ。だから…


“ハーンー?終わったかー?”


そっと扉のそばから声をかけてみる。


「え!?オルカ…?な、なんでこっちに…?」


ハンは、刑務作業が終わっていたみたいだ。しかも、明らかに動揺している。


“…オルカが責任とらないとだからな!”


“ごめんな、オルカが悪いんだ。”


「…オルカは、食べてみたかったのか?」


迷うまもなく、答えた。


“あぁ!”


とても腹が減ってきてしまう。絶対に食らいつくしたい。


「オルカ、俺のこと全部食べていいんだよ。」


「もう大丈夫…心配しないでくれ」


よく分からない。食べていい…?でも!大切な人だから…


“とりあえず…一緒に遊ばないか?”


落ち着いて、とりあえず優しく居ような。


“たまには、のんびり過ごそう?”


「そうだな。久しぶりにさ、どっか行くか!」


こういうなんでもない時間を想い出に、塗り替えていく…


“あははっ!ハン!”


久しぶりに無邪気に遊ぶ気がする。このままずっと続いてほしかった。


「ハハハッ!楽しいな!」


しかし、この平穏を崩す匂いがいる。


甘い、食欲を最大限引き出すような匂いがしている。


“なぁなぁハン…”


少し控えめに、喋ってみる。


「どうしたんだー?」


“ハンのこと、食べちゃっていいか?”


欲望が溢れて止まらなくなってしまったから、この提案をした。


「あぁ!食べていいんだよ!」


“ありがとう…ごめんな、いただきます”



そこからの意識はあまりないが、極上の甘さにうっとりした。


“へ…?な、なんで…あぁ、そっか。”


美味しかった。そのことだけは、忘れやしない。


“あはは…ごちそうさまでした”


この味が忘れられない、追い求めるしかない。


全部全部美味しかった。甘い甘いチョコのような味…


“ありがとな…ハン!”


もう食らいつくしたから、何も残っていない。


残ったのは楽しい想い出だけだ。


誰も知らない殺人犯が、また生まれてしまった。


欲望を求める

End52

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