赤くん病み
桃side
俺の弟の赤はPTSD。
PTSDとは酷く衝撃的な出来事(トラウマ)を体験した後、1ヶ月ほど経ってもその記憶を思い出し日常生活に支障が出ることです。
数ヶ月前、両親が殺された。
優しくて兄弟みんな大好きだった。
死因は両親ともに通り魔に。
その時は、赤と両親の3人で出かけていた。
6人兄弟で生まれた俺らは両親を独り占めすることは余りできない。
長い年月の間 我慢して自分が両親を独り占めできる買い物の日。
赤の目の前で両親がころされた。
赤は両親に守られ、切り傷で済んだ。
でも心には大きな傷が残った。
その後、犯人は死刑執行が下され、もう亡くなっている。
でもそれで赤の心の傷は治る訳もなく。
勿論、赤以外の兄弟も
たくさん辛い思いをした。
辛い気持ちに順位は無いけど、
目の前で大好きな両親がころされた気持ちは誰にも何があっても覆せないだろう。
あの日から、他人はもちろん俺たち兄弟も怖いらしい。
ずっと部屋に引きこもっている。
いつも部屋の前にご飯を置いているが少しだけ。
食べない日だってあった。
お風呂は深夜。
それも毎日じゃない。
お腹や腕にある 痕がのこった傷を見ると辛くなるとこの前聞いた。
あの時を思い出して、鏡がある洗面所にはあまり行きたくないそう。
赤にメールを送っても返事は来ない。
既読もつかない。
大好きだったゲームもしてない。
色々考えちゃって何も出来ないのだろうと俺たちは考えている。
ある日、
いつも通り起きて朝ごはん、昼ごはんを食べてリビングのソファーでスマホを見ていると
2階から”ドンッ”と大きな物音がなった。
2階にいるのは赤のみ。
兄弟みんな心配している。
かなり大きな音だったから。
雷が落ちたような、何かが爆発したかのような。
紫「俺‥行ってくるね」
と、長男が言い2階に進む。
赤side
ある日、俺の大好きだった両親が目の前でころされた。
楽しみだった買い物の日、
6人兄弟の俺は久しぶりに両親を独占できた。
好きなものを買ってもらえて、美味しいスイーツを食べれてルンルンな帰り道。
大通りに進んで少しすると、悲鳴が聞こえた。
数秒後には”通り魔だ”って。
直ぐに状況を理解した両親は俺の腕を掴んで走った。
でも、何故か通り魔は俺たちの所に向かってきた。
俺たちは人が沢山いるところにいたからだろう。
人が沢山いて、逃げ遅れた人たちの中には俺と両親がいた。
母親は俺の手を絶対に離さないでくれて、
父親は”こっちだ”って色んな人を誘導していた。
でも、犯人は物凄い速さで近づいてきていて。
その後追いつかれ、逃げ遅れた人達の7割は刺しころされた。
俺の両親も。
俺を守ってくれた両親は亡くなって、俺は生きて。
その事件後、俺は人が怖くなった。
大好きな兄弟も。
みんな、急に裏切るんじゃないのかって。
そんな事ないのは分かってる。
でも、あの日みたいに急に刺されるんじゃないかなって怖くて。
外に出るのも怖い。
ご飯を少ししか食べる気にならない。
お風呂も。
俺は両親に守られ、腕と服を貫通したお腹の切り傷で済んだ。
でもお風呂に入る度、鏡で痕が残った傷を見ると思い出して苦しくなる。
だから毎日は入っていない。
スマホも触らないしゲームもしない。
大好きな漫画も見てないしテレビも。
何にもしてない。
ただ毛布にくるまってボ-ッとしてるだけ。
周りから見たらボ-ッとしてると思うんだろうけど、俺の心は色んな気持ちでいっぱいだ。
あの日、俺が買い物に行かなければ。
俺が両親に守られなければ。
そもそも、俺が生きてなければ。
そんな事をずっと考えている。
沢山切った。
深夜にお風呂に入った時にバレないように棚から薬を取って、沢山飲んだ。
でもしねない。
飛び降りようと思っても外に出るのが怖い。
人が怖いのを理由にしてしねない弱っちいやつなんだって思ってまた苦しくなる。
考えてばっかで苦しくなって、
何も出来ない俺が嫌で。
もうこんな人生は嫌だ。
俺は両親を追うことにした。
目が覚めて、また嫌なことを考えて。
昼頃ぐらいだろうか、棚から取った薬を沢山手に取って飲み込む。
馬鹿な俺は何故か椅子に座って薬を飲んだ。
数秒後、頭がふわふわしてきて。
吐き気も頭痛もした。
倒れそうに、意識が飛びそうになった。
ベットに行こうと思い、椅子から立ち上がった。
でも遅かった。
足に力が入らず、近くにあったローテーブルの角っこに頭をぶつけ、意識を失った。
紫side
昼頃、それぞれ自由に過ごしていると
末っ子しかいない2階から大きな物音が。
とりあえず、長男の俺が見に行こうと思い、
紫「俺‥見に行ってくるね」
と言い、立ち上がる。
正直嫌な予感しか無かった。
ココ最近、赤くんがベットから動くことはなかったと思うし、何もしていない。
色々考えていると、赤くんの部屋の前に着く。
“コンコンっ”と2回、軽くノックして
紫「赤く-ん‥?」
と聞く。
いつもある返事がない。
怖かった。
普段は重たくない扉をゆっくりと開ける。
衝撃だった。
想像していた何十倍も。
机にはカッターと薬瓶。
床には、血の着いたティッシュと赤くんが倒れていた。
紫「‥はっ、」
理解できなかった。
でも、今はそんな場合じゃない。
赤くんが最優先。
紫「橙くん、!!」
“俺だけじゃ無理だ”と思い、次男の橙くんを呼ぶ。
声をかけても赤くんは返事をしない。
幸い、息はしていた。
その後、救急車を呼んでもらった。
救急車が来て、救急隊の方々が部屋に入ってきて赤くんを担架に乗せる。
俺は救急車に同行した。
他の兄弟は後から橙くんの車で来るらしい。
救急車では”そこまで赤くんを追い込めてたんだ”って気持ちでいっぱいだった。
もっと気にかけてあげてればなと思った。
赤くんは救急車で、数回吐いた。
その時に白く丸い、少し溶けている個体赤くんの嘔吐物に混じっていた。
病院について、緊急治療室に連れていかれた。
俺はずっと待合室で俯いて祈っていた。
“赤くんが無事でありますように”って。
数十分後、橙くんらが来た。
青は泣いていて、黄くんは泣いたのか目が真っ赤だった。
数時間後、医者が来た。
医「無事です。」
って伝えられた。
青はもっと泣いて、黄くんは泣き始めた。
医「もう少しで目を覚ますと思うので近くにいてあげてください」
って言われた。
赤くんの病室に案内されて、入ると
赤くんの細い腕には沢山の管でいっぱいだった。
頭には包帯。
酸素マスクをしていた。
黄「ねぇっ、赤‥」
と黄くんが言う。
黄「赤の手動いた‥」
とずっと赤くんの手を握っていた黄くん。
そう言われたので、赤くんを見てると目がギュッと反応した。
みんな”あっ”って顔をしていた。俺含め。
紫「赤くん!」
赤「…」
赤くんが完全に目を覚ました。
紫「橙くんナースコール押して!」
橙「おっ、ぇっ‥」
橙「これ‥?」
紫「そう、押して!」
ぽちっと橙くんがナースコールを押す。
数秒後、さっきの医師と看護師が数名来た。
赤くんは薬の過剰摂取で倒れた。
救急車で数回吐いて、薬を吐き出したが
それが全部か分からないため胃洗浄をした。
身体に栄養が足りてないらしく点滴も。
数日間、入院することになった。
毎日お見舞いに行った。
でも、赤くんの笑顔が見れた日はなかった。
一応続き書いてます!!!!!!
公式配信中に失礼しました🙇🏻♀️🙇🏻♀️
2.24 🈂️とみさん誕生日おめでとうございます!
👋🏻👋🏻👋🏻
コメント
3件
ねぇほんとになんでこんな神作かけるんですか🤦🏻♀️✨ さすがに神作すぎて連ぶくする以外の選択肢なかったです😖