⚠️
・nmmn
・2人とも学生設定
・青桃
・エセ関西弁
・パクリ、通報等禁止
・似ている作品があっても決してパクリではございません‼️
「この学校に転校してきたいふです。まだ分からないことが多いので色々教えてくれると助かります。」
いつもの笑顔を振り撒くと教室が大きく湧いた。
親の都合でこの学校に転校してくることになったが、まぁ上手くいきそうだ。
黒板の前の俺にクラスメイトの視線が集中する。窓際の席の彼を除いて。
少しもこちらを見ない彼を不審に思って目線をそちらに向けると心臓に火がつけられたような衝撃に襲われた。
桃色の髪の毛は窓から吹き入る風に揺られていて、白い肌が彼の桃色の瞳、髪を引き立てている。一瞬にして俺の心が奪われた。
「…てことだからお前の席は佐々木の隣な。」
彼に夢中になっているうちに先生が何かを話していたらしいが、何も頭に入って来なかった。
適当に微笑んで先生の指差した席に座る。
先生が話している間もずっと窓際の彼を見つめていた。
「ねぇ!いふくんってカッコいいね。」
休憩時間になると隣の席の佐々木という名の女子が話しかけてくる。その話に前の席の女子も乗っかってきた。
「わかる!高身長だしイケメンだし!このクラスで気になる人とかできた?」
「ん〜、どうだろうね。」
濁すように答えると彼女たちは恋バナを始めた。
その場をこっそり抜けて俺は1人で席に座っている彼の方へ歩み寄る。
「なぁ、君なんて名前?」
俺が彼に話しかけたことに気づいたクラスメイトたちは会話を止めてこちらを見た。
クラスメイトは気づいているのに彼はこちらを見る素振りも見せない。
…こんなイケメンが話しかけてんのに気づかないとかある??
「あー、コイツ耳聞こえねぇんだよ。」
横で談笑していた男子生徒が言う。
「え…耳が?」
「そ、あんま関わんねぇほうがいいぞ。コイツ気味悪いし。」
気味悪い。そんな酷いことを言われても彼は気づきもしなかった。
聞こえないからってそんな言い方ねぇだろ。
俺はスマホに文字を打ち込んだ。
彼の机を軽く叩くと、彼はようやく俺の存在に気がついた。
「…?」
ゆっくりと顔をあげると、なに?とでも言うように優しく微笑んでくれた。
あまりの眩しさに顔を背けそうになるのを堪えながら彼にスマホの画面を見せた。
『俺いふ。今日転校してきた。』
彼はその分を読み終えると、カバンから自分のスマホを取り出す。
『俺はないこ!よろしくね』
画面を見せながら微笑むないこは俺が今まで見てきた中で1番美しく見えた。
ないこか…。
『いい名前やね』
『そう?女っぽくて変じゃなーい?』
『変じゃないよ』
『てかまろ超イケメンじゃん』
イケメン。言われ慣れた言葉のはずなのに異様に胸に響く。
あれ、まろ…?誰かと勘違いしてないか?
『俺いふだけど?』
『あだ名!!仲良しっぽいでしょ?』
自慢げな表情を浮かべる彼が愛おしい。
もっと話したい。もっと知りたい。
そんな俺の邪魔をするように授業開始のチャイムが鳴り、俺は席に戻ろうとする。
俺の袖を引っ張り、ないこは画面を見せてきた。
『今日一緒にお昼食べよ』
俺は嬉しすぎて一度目を擦る。
彼には俺が嫌がっているように見えたのか、少し不安げな表情になった。
俺は慌てて彼に親指を立てて席に戻った。
まろ…まろ…まろかぁ、っはは。
授業なんか聞かずにただひたすらにニヤついていた。
「幸せやなぁ、」
口に出ていたことに気づいて自分の口を手で塞ぐ。
「どうしたの?」
佐々木さんが怪訝そうにこちらを見つめていた。
「いや、なんでもないよ」
俺は窓際のないこに目を向けた。
…かわええなぁ。
彼に見惚れていると、男子生徒の言葉が脳裏をよぎった。
彼は毎日あんな扱いを受けているのだろうか…。聞こえないからって近距離で堂々と悪口言われて。
そんなの俺が許せない。次なんかあったら俺がぶっ飛ばしたろ。
授業中はないこのことで頭がいっぱいだった。
昼休みになると、ないこは俺の席に来た。
『どこで食べる?』
『ないこが好きなところで食べよ』
彼は俺の手を引いて教室を出ていく。
どこに連れて行ってくれるのだろうか、ワクワクしながら着いていく。
いくつか階段を登って、ないこは目の前にある古びた扉をこじ開けた。
どうやらこの扉は屋上への扉らしく、綺麗な青空が広がっていた。
「わ、綺麗やなぁ」
呟いた言葉に彼は気づく様子もない。
ないこは立ち止まるとその場に座り、俺に微笑みかけてきた。
ないこの横に腰を下ろし、スマホを取り出して文字を打つ。
『空綺麗だな』
『でしょ?まろに見せたかったの』
彼は弁当箱の蓋を開けて中に入っていたおにぎりを食べ始めた。
俺もサンドウィッチを食べる。
食べている最中も彼からは目を離すことができない。
ないこは突き刺さるような視線に気づいたらしく、口の中に米を沢山詰め込んだのか頬を膨らませながらこちらを見つめてきた。
彼と俺の視線が絡まり合ってその場には沈黙が流れる。
ないこは口の中の米を飲み込むと、ぐいっと顔を近づけてきた。
「っえ、?」
あと少しでも動いてしまえばその桃色の唇に触れてしまいそうなほど、ないこの顔は近距離にあった。
俺は咄嗟に目を瞑る。
しかし、なかなか唇に温もりを感じることがなかったので俺は気になって目開けた。
「っはは、あははは、!」
目の前のないこは腹を抱えて笑っていた。
『なに目瞑ってんの?まろって意外と乙女?w』
自分の勘違いがあまりにも恥ずかしくて俺は手で顔を覆った。
すると俺の手に温かいないこの手が触れ、俺の手は顔から剥がされた。
「あ、あい…ね。」
「…え?」
ないこの口から出てきた言葉。
だがその意味がわからずに頭を抱える。
「かあ、いい、ね!」
かあいい?かぁいい…可愛い!!??
ないこの言っている意味がわかって一気に顔が熱くなる。
「え、ないこ、今なんて…。」
口で聞いてもないこには伝わらないことを思い出し、スマホの画面を彼に見せる。
『今可愛いって言った!?』
読み終えたないこはとても満足そうな表情を浮かべていた。
『伝わったの!?やった!』
俺にハイタッチを求めるないこ。俺はないこの手に自らの手を添えた。
その瞬間、校内にチャイムが鳴り響く。
『そろそろ戻ろうか』
『え、もうそんな時間!?まろと一緒だと時間経つの早いな〜』
その時俺に向けた彼の笑顔がどうしようもなく眩しくて、俺は一生この笑顔を守りたいと思った。
後編へ続く
みなさん遅くなりましたがあけおめです‼️
そして地震大丈夫でしたか⁉️
私は全然大丈夫です👍
今年は去年よりも沢山投稿するつもりですし、後編も近日中に出す予定なので楽しみにしててください❗️👊
最後まで読んでくださりありがとうございました‼️
コメント
4件
めっちゃ好きです!続きが楽しみすぎる!
待って好きすぎる♡♡♡天才だぁ😳