けどやっぱり君には勝てない
今は3:35。手首についてるスマートウォッチをタップして確認。
会計を済ませて外へ行く。紅葉ももう1部のみ。ほとんどの木は寒そうにしている。
ふいに隣でくしゅっ、と聞こえた。
少し横を見ると鼻や耳が紅く染まっている。
「寒いか?」
「ん、…ちょおな」
つけていたマフラーを取って宗四郎の首へと巻いてやる。白よりのクリーム色。ちょうど今日の宗四郎の服の色とも合っていた。
もともとなんでも似合って可愛い恋人だがもっと可愛くなった。
「んぇ、…ええの、?」
「鳴海さん体冷えてまうよ、?」
眉を下げて少し困ったようにボクの顔を覗き込んでくる。そこまで身長差はないはずなのに少し上目遣い。たった4センチでお前そんなことできるなら……他の隊員にもってことか??
急にそんな事を思うとまた心がムズムズしてきた。せっかくの2人きりで休日……。なのにこんな他のやつが入ってくるなんて…。。あーーー、もう……考えれば考えるほどまた狂ってきた。いやいやいやいやいや、……今はせっかくの休日。例え保科がどんなやつと居ようと今こいつはボクだけに夢中なんだ。まあこの先一生ボクより完璧でかっこよくてなんでもできるやつで保科に見合っててお似合いでこんなにも保科を満足させられるやつなんかこれっぽっちも!!1ミリも!!絶対に!!絶対に居ないがな!!!!ふっ、と心の中で笑ってからまた目の前のかわいい恋人に目を向ける。
小さくて朱色に染まってる顔の半分がマフラーで埋まっている。ただでさえ白い肌なのに、そこにちょうどその色のマフラー。マッチしすぎている。冬と良くあっていて…もう全てがかわいい。ボクだけの冬の天使だ。
「ボクはいい」
「お前が風邪ひく方が困る」
「え、…ほ、ほんなら、……」
ふふ、と言ってマフラーに少し顔を埋める。
ほんとバカみたいに惚れてる。
ずっとずっと見れそうだ。普段は第1の隊長。第3の副隊長。会ってもお互い犬猿設定。もちろん一部にはバレてるが、場を緩ませないため。それでも実際、嘘だと分かってても心にぶっ刺さるのが多々ある。保科に限っては公ではいつもツンとしててボクに対して冷たい。しかもまじでありえないほどワーカホリックだから、2人きりの時にボクが甘えようが何をしようが絶対にこいつは許さない。2人きりの時位はいいだろ、……。それで思い出したが、ボクは保科に触るのはダメなのに、あいつ、あいつだよ。あのクソ変態スーツ。なんであいつは許されるんだ。しかもなんかめちゃくちゃにマウント取ってくるんだが切り刻むぞ。何が『俺とホシナは一心同体で繋がってる』だ!!発言その物が変態だぞくそ!!そんなん言ったらボクだっていっつも保科と一心同体で繋がってるが!!??!?ちゃんと結合してるが!!??!?くそくそくそ……ッ!!
いろいろ考えてるうちにボクのポケットに何かが入り込んできた。
びっくりして隣を見ると少し目を逸らして照れくさそうにしていた。
ポケットの中には2つの手。そのうちのひとつ。細くて長くてマメだらけで硬くてゴツゴツ骨ばった手。その手の甲を指ですー、となぞる。するとほんの少し目を見開いてびっくりしている。顔をさらに紅く染めてボクの方を見てくる。
さっきのことなんか全部一瞬で忘れてしまう。
「ふ、…かわいいな」
「は、なに、…、、かわいないし、」
「お前から来たのに?」
「なっ、……いけず、…」
ポケットの中でキュッと手を繋いでくる。
可愛くてわざと少し解く。
それから手のひら、生命線や運命線、指先から手首にかけてを、指が触れるか触れないかギリギリでなぞる。ポケットの中の手はぴくぴく動いている。
ボクの中でびくびくと暴れている。
(語弊)
ふと隣を見る。
マフラーの上から口を抑えている。耳まで真っ赤に染まっていてボクの方を睨んでいる。
「ほ、っ、んまに、…やめ」
そのうち手だけでなくだんだんと肩までピクついてきた。
ひたすらにずっと触っていた。
また手の甲からひら、指先から手首にかけてを。
無我夢中。ぼーっとしながらポケットを見つめてずっと触っていた。
どのぐらい時間が経ったのだろう。
急に保科に思いっきり手を握られた
「いッ、……」
「ほんまに、ッ、……あかんってッ、…」
びっくりして保科をみる。
顔は全部真っ赤になっていてまるでリンゴのようだった。目元は少し涙ぐんでいて、少しばかり呼吸が荒い。寒いせいか、荒い呼吸、口からは白い息が出ている。
情報が渋滞に渋滞しまくっているが、結果、結論的に出てきたワードはエロい。
「もう、……じゅーぶんやろ、ッ、…」
「ええからはやく、っ、行こうや、……」
いやいやいや、お前そんな色気満々の顔面してどこに行くつもりなんだ??もう訳が分からなくなった。
「いや、もう帰る」
「え、……、?」
「な、なんで、?」
「いいから」
「コンビニ」
「よって帰るぞ」
もうポケットに手はない。そのまま手を握って引っ張って車に乗る。強引にエンジンをかけ車を出す。助っ席に乗ってる保科をチラ、と見る。オドオドしててらしくない。
そのまま車を走らせコンビニへつく。その間保科はずっとソワソワしてたし口すら開けなかった。なぜ、……??ボクなんかやらかした、……?
コンビニへ入って店内を歩く。すると突然、横から保科が話しかけてくる。
「あ、あの、……」
「ん?」
「ぉ、怒ってはる、……??」
急に口を開いたと思ったら怒ってる?なぜ??ボクはこれっぽっちも怒ってなんかないが??いや強いていえばあんな街中でどエロい顔してるのにはちょっと怒ったが??、
「怒ってないが?」
「なんでだ」
「い、いや、……その、」
「急に帰るとか言うて手ぇ引っ張るから、……」
「え、あ、……ちがッ、……」
「いや、……悪かった、ごめん、」
「でも怒ってないから、、」
「とりあえず買うもの買って帰ろう」
こくりと顔を頷かせまたボクの隣を歩いてくれる。
「なにかうん?」
「ゴム」
「とティッシュ」
「は??」
ねくすと70
またじかい✧·˚⌖. ꙳
なんか話の内容今回カスすぎてよく分からん
コメント
14件
保科さぁぁぁぁん!?!? 鳴海隊長二日目からヤル気ですか!? 鳴保尊い……✨️ 次回楽しみに待ってます!
保科さぁあん!? もしや手が性感帯……???? そわそわふわふわしてる保科さん可愛すぎる…!!😖😖🫶🏻🫶🏻🫶🏻👉🏻👈🏻 ていうかカオスすぎるどころか綺麗にまとまってめっちゃ凄いですよ!?🫶🏻🫶🏻🫶🏻 "出できたワードは〜"のあたりからある程度察しちゃった自分が恐ろしいです…😓😓 今回もめっちゃくちゃ最高でした!💖💖💖💖 続き楽しみに待ってます!🥹🫶🏻🫶🏻
わー!!!今回も素敵なお話ありがとうございます!✨ 鳴海サンなんと2日目から行こうとしてます?!!?!(笑) ちょっと夜が明けるまでしないでくださいね~😹😹 「コンビニ」ってワード出た瞬間察してしまった・・・・ 病気だなぁこれは・・・・・・・・🤣🤣 保科さんぜったい白マフラー似合いますよね! それつけてた鳴海さんもまた良き・・・・・ 犬猿尊い😘😘 今回のお話も面白かったです😖💞 次もまってます🥰💞