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三郎「すみません。この泊まりたいんですけど」
カウンターの人「何日の宿泊でしょうか?」
三郎「…一泊で」
カウンターの人「かしこましました。301号室となります」
三郎「分かりました」
もう寝るか
ピピピピピ
三郎「んっ…朝か」
三郎「あっ…碧棺左馬刻に一兄は居ないって電話してないや」
三郎「今からでも出てくれるかな」
プルルルルル
左馬刻「んだよクソガキ」
三郎「…突然すみません、一兄、山田一郎はもうこの世に居ません」
左馬刻「何言ってんだおめぇ」
三郎「…ナゴヤ・ディビジョン内の爆破事件に巻き込まれました」
左馬刻「、そうかよ」
三郎「はい、では。」
碧棺の声は少し震えてた
せっかくあのバトルで和解した仲だ
悲しむのも当然だ
なのに
どうも思わない弟は最低だな
ごめんなさい
僕が弟で
死ぬのが僕じゃなくて
一兄で、すみません
僕だったら良かったね
碧棺も
泣かずにすんだよね
ごめんなさい…。
あ、チェックアウトの時間少しすぎちゃった…。
三郎「すいません」
カウンターの人「チェックアウトで宜しいでしょうか?」
三郎「はい」
カウンターの人「少しお時間が過ぎていますので、その分料金はかかりますが…」
三郎「ああ、それならこれ、全部あげます」
カウンターの人「あっ、はい、」
三郎「…では。」
あ…。交通費も無いや
まぁいっか
どうせバトルに出たヤツだ。
ファンの奴捕まえて金貰ったらいいわけだ
グサッ
近くでなにか嫌な音がした
周りの人は少し驚いた顔をしている
少し目の前が暗くなる。
そうだ。
刺されたのは僕だった。
人々の中には僕を知る人は沢山居た
もちろん、知らない人も結構居ただろう。
三郎「僕はファンにも迷惑をかけてしまうのか…。」
遺言はこれだった。
走馬灯が流れる。
1〜2歳頃に二郎と一兄に遊んでもらってたこと
零が構ってくれてたこと
二郎と喧嘩したこと
初めて他のディビジョンの奴らと話したこと
初めてラップバトルに出たこと
この頃が全て新鮮で
楽しくて
幸せだった
「幸せは続くものじゃない」
一兄が言っていた
二郎は
「何があっても助け合おうな」
その言葉、僕はもう忘れちゃったよ。
僕の分まで頑張ってね
まだ14歳だけど
もうこういう運命だったみたい
次回連投 2025.7月18日18時以降