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数日後。
すまないスクールに依頼が舞い込んで来た。最近猛威を振るっている泥を被ったモンスターを討伐し、出来ればその発生源を潰して欲しいという依頼だ。
「……“死んで来い”という事でしょうか……」
ブラックがキレ気味に呟いた。そのモンスターが被っている泥に触れると触れた部分が麻痺したり激痛が走ったり、最悪の場合死に至る事もある、と書かれていた。危険な依頼であるが故にそれ相応の報酬は提示されているが、あまりにも危険すぎる。というかこんな依頼が舞い込んで来たらすまない先生が一人で行ってくると言い出して、大怪我をして帰ってくる所まで完璧に想像できてしまうくらいオチが読めすぎる。
「いくらすまない先生が不老不死と言えど人間なんですから……人の命を使い捨てくらいにしか思ってない依頼は受けられません……」
そう言って依頼書を破り捨てようとするとひょいと上から取られた。無論取ったのはすまない先生だ。
「すまない先生!」
ブラックが声を上げるもすまない先生は意に介さず読み、
「じゃ僕が行ってくるよ!」
と言った。ブラックはあまりにも予想通り過ぎて頭を抱えた。
「で、ブラック。なんでついて来たの?」
モンスターの湧く沼に向かう道すがらすまない先生は隣を歩くブラックにそう問うた。
「すまない先生ほっといたらすぐ怪我するからに決まってるでしょう?」
ブラックは呆れ気味にそう答える。
「もう〜、ブラックはひどいなぁ〜」
すまない先生はそう笑って言うが本当に血だらけで戻って来た時はこちらの心臓に悪いのでやめてもらいたい。
「で、なんで貴方もなんです?」
同行者がもう1人。
「暇だから」
謎の少年・風夜である。風夜も死なないらしいがそれですまない先生と同じように考えず突っ込まれても、ブラックの胃痛の原因が増えるだけだ。
「胃が痛い……ボソッ」
ブラックは早くも胃痛を感じげんなりしてしまった。
「ここが依頼にあった沼だね」
目の前の峡谷には泥が溜まっている。そこから時折泥を被ったモンスターが湧いてくる。上がって来るたびにすまない先生がダイヤモンドの剣で一閃して倒しているが。
「あの泥に触れると危ないんだっけ?」
「ええ、依頼書にはそう書いてありました。依頼書の情報提供に嘘を書いたら二度と依頼を受けない、と警告しているので嘘という可能性は限りなく低いでしょう。お得意様ですし」
ブラックは依頼書を見ながらそう答えた。
「あの沼……そこあるの?事によると底無し沼とか……」
「可能性はゼロではありませんね」
「冗談じゃないよ!?死なないにしても苦しいのは嫌いだからね!」
風夜はぎゃあぎゃあと喚き立てる。
「そんなに嫌なら来なければよかったものを」
「こんなに危険だと思わなかったんだもん!」
「どんなでも最悪の状況を予測するべきです。バカですか?」
「悪かったね!バカで!」
そう言い合っているとすまない先生が息を張り詰めさせた。
「二人とも……来るよ!」
次の瞬間、先程すまない先生が一閃していたものより、格段に大きなモンスターが沼から這い出て来た。