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「紗夜(さや)氏ーおはようございますー」
紗夜が登校して教室に入り、席につくと
同じクラスの小木樽(おぎだる)夜瑠(よる)が席に近づいて挨拶してくる。
「あー、夜留ー。おはー」
と挨拶を返していると
「おぉ〜はぁ〜」
同じクラスの百噛(ももがみ) Ellie(エリー) Nina(ニナ)も挨拶をしてきた。
「ニナーおはー」
「最近遅ない?どったん?低血圧?」
ニナが紗夜に聞く。
「いやぁ〜、ま、低血圧なのは元からなんだけどね?」
「じゃあ寒いとか」
「そりゃ寒いでしょ。手先足先氷点下よ」
と言う紗夜に
「おぉ〜いいねぇ〜、手先足先氷点下。リズムがいいね。手足ぃ〜足先ぃ〜氷点下ぁ〜Yeah。
うち(紅ノ花水木女学院)で流行らそ。女子ばっかだし、みんな共感して使い始めるんじゃない?」
「ま、私が流行を作るってのは悪くないな」
と腕を組んで満足げな表情で「うんうん」と頷く紗夜。
「だしょ?」
「でも寒さが原因ではない」
「んん〜?違うのか」
と腕を組んで考えるニナ。
「あ!もうそろ1年が終わるからって気ぃ抜いてんじゃないの〜?」
ニナが「このこのぉ〜」みたいな言い方で言う。
「いや…。それは少しあるかも」
「あるんかい!いや、私もあるけど」
「あるよね?」
「あるある。あぁ〜もう1年経つのかぁ〜って思いと、もうそろ2年かぁ〜って思いね」
「わかる。でも嫌なんだけど、2年でニナと夜留と別れんの」
「わかるぅ〜」
「それはわかる」
「そっか。紗夜は2年で私らと別のクラスになるのを想像して
寂しくて寂しくて朝の足取りが重くなってるんだな」
「うんうん」と腕を組んで頷くニナ。
「ま、それは思ってるけど、そんなこと朝から思わんし」
「違ったかぁ〜。じゃあ別の理由があると」
「そうねぇ〜…。…ま、…ちょっと顔合わせづらい人がいてね」
紗夜が顔を合わせづらい人物。それは
「おはぁ〜」
爽咲(さく)が砂奏(さな)の両肩を揉むようにしながら挨拶してくる。
「爽咲。おはよ」
挨拶を返す砂奏。そう、紗夜が顔を合わせづらい相手というのは砂奏のこと。
紗夜は砂奏から告白?とも取れるようなことを言われて以来
朝、同じ電車に乗らないように、ホームで遭遇しないように
家を出るのをいつもより遅らせていたため、必然的に登校も遅くなっていたのだ。
「なん?高校時代の親友と喧嘩でもした?」
「あぁ〜、去年の達磨(達磨ノ目高校)の文化祭で会った子?」
「いや、なんか勝手に話進行してるけど違うからね?」
「あ、違うん?」
「違う違う」
「じゃあ誰?紗夜からその子の話以外聞いたことないんだけど」
と腕を組んで悩むニナ。
「おい。人を友達少ないやつみたいに言うなよ。女友達は割と多い方だったわ」
「で?誰?中学時代喧嘩したまま別の高校行っちゃった友達とか?」
と夜留に言われて言うか言わまいか悩む紗夜。
「…いや…。あのぉ〜…まっ、…最近知り合った男子でして…」
と紗夜が言うと
「え?紗夜ってたしか男嫌いだからうち(紅ノ花水木女学院)に入ったんじゃなかったっけ?」
と夜留が言う。
「いや、男嫌い…ってか、なんかギャルを軽く見る男が嫌いなのよ。
1,081
あとここ(紅ノ花水木女学院)入ったのは、男の目を気にしなくて済むからよ」
「へぇ〜。そうなんだ?」
「ニナはいいよね。単純に美人だから」
「えぇ〜?そぉ〜おぉ〜?」
と目をぱちぱちするニナ。
「腹立つな。でもニナは違うにしても夜留もギャルじゃん?」
と言われて夜留は「そおかな?」的な顔をする。
「いや、そうだって。なんか言われたこととかなかったん?」
「んん〜…。わからん。言われてたかもだけど、聞いたことなかった。あんま現実に興味ないからかな」
「あっ…。さすがはオタクといったとこか」
「ありがとうございます」
「褒めてはないけど」
「え?ヲタクに「ヲタクですね」は、ギャルに「ゆき○よみたい」って言ってるようなもんよ?」
「いやわかんねぇよその例え」
「でもなに言われたん、さやぽよ。ま、言いたくなければ言わなくてもいいけど」
とニナに言われてまた言おうか言わまいかを迷う紗夜。
「いや〜…。詳細はめんどいから言わんけどあのぉ〜、なんてーの?
ギャル、っていうか見た目が派手なだけで、尻軽だーみたいに一緒くたんにする感じ?」
と詳細は言わなかったが言った紗夜。
「あぁ〜」
「なるほど?」
「いや、ギャルでももちろん尻軽はいるよ?10代で経験人数100人とか。
ま、聞いた話だけどね?聞いたときファンタジーかと思ったわ」
「それな。私もマンガの中の話かと思った」
「ね。でもギャルでも恋愛に重きを置いてる人もいるし
清楚系でもビ○チもいるし、マジ純粋清楚もいるしって感じで
当たり前だけど、同じギャルでも違う人間なんだってのを考えずに
「お。軽そー」って感じで見てくる男が、マジで好きじゃなさすぎて」
「あぁ〜。マンガやアニメで描かれるタイプのギャルね」
「そ。だからマンガもアニメも私は見ない。
マンガとかアニメに出てくるギャルとかって、どうせ童貞キモ陰キャが抱いている妄想だろうから。
あとピアス好きとしてはピアスの描写が雑なのも好きじゃない。マンガ全般に言えることだけど」
「はいはいどうぞどうぞ。私は友達にヲタはいらないんで。私基本同担拒否系軽腐女子なんで。
ま、ピアスについては同感だけど」
「基本どうた…なに?漢字多すぎてなに言ってるかわからんわ」
なんて話していると担任の先生が教室に入ってきて、朝のホームルームが始まった。
桜ノ丘高等学校でも朝のホームルームが終わり、各生徒、勉強をする生徒、友達と話す生徒が出始める。
しかし他の高校と違って、友達で話す内容も勉強のことや成績のことなど。
「昨日のドラマ見たー?」とか「あのバラエティーめっちゃおもしろかったんだけど」とか
そういう雑談はほぼない。ただ1人を除いて。
「砂奏ー、昨日「古都生(ことば)」出てたの見た?」
そう、爽咲である。
「あぁ〜。見たよ?歌ってたね」
「いいよなぁ〜。あの“日本語”を大事にした歌を作る感じ」
「爽咲、古文とか現代文とか好きだもんね」
「まあぁ〜…。日本語って美しいからね」
柄にもないこと言う爽咲。
「「古都生」の曲を聴きながら植物を愛でるっていうのがまたね。至福よ」
と話していると1時間目の授業の先生が入ってくる。
そして桜ノ丘高等学校でも紅ノ花水木女学院でも1時間目の授業が始まり、4時間目までの授業が終わる。
「終わったぁ〜…」
伸びをする紗夜。
「お昼じゃいぃ〜…」
紗夜はいつも夜留とニナとお昼ご飯を食べに屋上に行く。紅ノ花水木女学院の屋上は芝が生えており
ベンチや東屋と呼ばれる、公園などにある木造の屋根のついたものあるエリアがあったり
ガゼボと呼ばれる、ヨーロッパ版の東屋のようなものがあるエリアがあったりと
屋上もそして中庭も充実している。そこでお昼休み、放課後など本当の女の花園が開催されている。
屋上に東屋は2つ、ガゼボは1つある。東屋もガゼボも結構広めの造りなので、7人くらいなら入れるのだが
1グループが使っていたら、どんなに空いていようがだいたい他のグループは入ってこない。
東屋もガゼボも早い者勝ち。と、ここまで紅ノ花水木女学院の屋上について話してきたが
現在、紅ノ花水木女学院の屋上や中庭には人が少ない。それはなぜか。
「いやぁ〜…早く春になってくんないかな…」
そう。絶賛冬だからである。だいたいみんな教室内で毛布を脚にかけて過ごしている。授業中もお昼も。
「それなぁ〜」
「でも春になったら2年になってクラス替え」
「あぁ〜…嫌だな」
と言いながらニナを見る紗夜。
「ルナは?」
ルナとはニナの双子の姉、百噛Milly(ミリー)Luna(ルナ)のことである。
「ルナはクラスメイトと食べてるよー。呼ぶ?」
「あ、いや、いい。友達と食べてるとこ悪いし、それにルナはニナと違って真面目タイプだし」
「おい、誰が不真面目タイプだ誰が」
とお箸で紗夜を指すニナ。
「ニナだよ」
「ニナー、箸で人指さなーい」
と夜留に注意されるニナ。
「ルナはそんなことしないし」
「…たしかに。家でも私だけママに注意される」
「っしょ?今思うと達磨(達磨ノ目高校)の文化祭誘ったのも、なんか悪いことしたかなぁ〜って思うんだよね」
「なんで?」
と夜留が聞く。
「いやさ?ルナってさ?割と大人しめなタイプじゃん?」
「そうね?」
「んでうちらって割とうるさめじゃん?」
「「紗夜だけじゃね?」」
と声を揃えて言う夜留とニナに
「夜留はともかく、ニナには言われたくないわ」
と返す紗夜。
「ま、んでさ?テンション感も違うわけじゃん」
「ま、そーな?」
「だから、…あ、いや、テンション感が違うからって私が嫌だってことではないからね?
私はルナ大好きだから。でもルナはうちらのテンション感好きじゃないんじゃないかなぁ〜って」
紗夜は夜留とニナに、どちらかといえばルナの妹であるニナに向けて言っており
「あぁ〜…」
と言いつつも夜留も傍目でニナを見る。しかし当のニナは一拍置いてから
「え?なんで?」
とまるで自分に向けて言われているとは思っていない。
「なんでって。…今言った通りだけど」
「いや、ルナ、達磨(達磨ノ目高校)の文化祭めっちゃ楽しそうにしてたじゃん。そー思う意味がわかんないわ」
「いや、ま、そーなんだけどさ?ルナってニナと違って大人じゃん?」
「おい。誰が子どもだよ」
「だから、しゃこーじれー?できんのかなってさ」
「あぁ〜、表面的なやつね?」
「それ」
「いやぁ〜?家でも楽しかったって言ってたし、紗夜と夜留も好きだって言ってたよ?」
と言うニナに
「いやぁ〜ん。ルナに惚れられたぁ〜」
と身をよじらせながら言う紗夜。
「…金髪ピアスのギャル×(かける)大人しハーフ美少女の百合か…。なかなか…」
と呟く夜留。
「てかさ!」
ニナが急に話題を変える。
「紗夜の件よ」
「わっち?」
「そ。朝のやつ」
「あぁ〜。たしかに。忘れてた」
「夜留は3次元に興味ないだけでしょ」
「で?誰ぞ?その男子」
とニナが聞く。
「いやぁ〜…。サクオカ(桜ノ丘高等学校の略称)の生徒なんだけどー」
「は?」
「は?」
ポカンとする夜留とニナ。
「ギャルと縁遠いでしょ、サクオカの生徒なんて」
「それな」
「ナンパされたん?」
「そんなチャラい生徒いないっしょ」
と笑うニナに
「…いや…ナン、パ、なのかな?」
と斜め上を見ながら言う紗夜。
「は?」
「は?」
またポカンとする夜留とニナ。
「え。ガチで言ってんの?」
「…まあぁ〜…。ナンパされたことないからあれがナンパなのかはわかんないけど」
「詳しく」
「いやぁ〜さ?わしHIGHTOKU(ハイトク)でバイトしてんじゃん?」
「うん」
「そこに来てたらしくてさ?」
「おぉ。お客様との禁断の恋だ」
とニナが言うと
「いや、メイドとお客じゃないんだから、禁断でもなんでもないでしょ」
と言う夜留。
「たすかに」
「で、その日めんどい客が来てさ?列割り込んでさ?しかも相手子ども」
「うぅ〜っわ」
「ま、わかるよ?子ども小さいから気づかないってのも。でも注意したのに聞かなくてさー」
「制裁」
と言いながらお箸を刀に見立てて右上から左下に斬るような動作をするニナ。
「ニナ、お行儀悪い」
「あ、ごめんなさい」
夜留に注意されてやめる。
「で、割とキツめに注意したによ。したらー…。ま、いろいろ言われたのよ。その客に。
で、ま、いろいろってその客は帰ったんだけど
その後レジに来たそのー、人?に「ファンです」?とか「好きです」って言われてさ?」
「おぉ!紗夜の漢気に惚れたわけだ」
「なるほどね?リアル式守さんだ?…いや、式守さんはこんなギャルじゃないけど」
「んで、ま、そんときはよくわかんなかったから流したのよ」
「相手は?」
「あぁ〜。なんか走って逃げてった」
「万引き犯かよ」
「なるほどね」
「で、駅でたまたま見かけてさ?」
「紗夜が?」
「そうそう。パーってホーム見てたら目が合ってさ?知らん人と目が合ったと思ってさ?
うっわぁ〜。気まずぅ〜って思った瞬間、あれ?ってなって
あぁ〜高校生だったんだぁ〜って思わず話しかけちゃってさ」
「昨日の今日で?」
「いや、すっかり忘れてまして」
「鳥頭かよ」
「Cock-a-cock-a」
「うるさいな。でー…まあぁ〜…」
紗夜は斜め上を見ながら考える。
あれは告白だったのだろうか…
と思う。たしかに「好きです」とも言われてないし、いや「好きです」とは言われたが、あれは未遂だし
「付き合ってください」とも言われていない。
「…告白ー…はー…されてはないんだよねぇ〜…よく考えたら」
「いや「好き」って言われたんでしょ?」
「まあぁ〜…。でもあれはなんか違う。
…ラーメン屋さんの前で匂い嗅いで「ここは美味い」って確信してような感じ?」
「なんだその例え」
「いや、ラーメン屋さんで例えちゃったけど
たとえば手作り料理を出して、匂いで「あぁ、これは美味いね」って言われたとしても
実際食べて「美味しい」って言われないと「美味しい」って言われたことにはならなくね?」
「あぁ〜…たしかに」
「わかりやしぃ〜」
「だからまあぁ〜…告られてないにしても、めっちゃ顔合わしづらいんだよねぇ〜…」
と言う紗夜。
「ねえ爽咲?」
植物についてをタブレットで調べている爽咲が
「ん?」
とタブレットから顔を上げる。
「「私に惚れたら火傷する」って言われた場合って、フラれたって考えていいのかな?」
「なにそのセリフ」
と笑う爽咲。
「いつの時代のドラマのセリフ?ニャマプラ(nyAmaZon prime)過去のドラマでも見てんの?
今のドラマじゃないよ…ね?…もしかして今のドラマで使われてたりするの?
ドラマとか見ないからわからんのだけど、兄ちゃんが、今女の子の間ではレトロブームが来てるって話してたし
もしかしてダサめのセリフが一周回ってドラマ界で流行ってたりするの?
で?そのドラマの続きが気になるって感じ?」
「いや…。現実の話なんだけどさ?」
「…現実。砂奏の話?」
「…い、や。友達の話」
「…ふぅ〜ん?どうなんだろ。オレも恋愛経験少ないし…。
学校終わりに兄ちゃんに聞いてみる。ま、兄ちゃんもまともな恋愛してないだろうけど」
と笑う爽咲。
「ありがとう。助かるよ」
「いいって。うち(桜ノ丘高等学校)での唯一の友達だからな!」
と寂しいことを笑顔で言う爽咲。そして学校が終わり、爽咲は兄の元へと向かった。
爽咲の家、実家は東京にあるのだが、爽咲の兄は一人暮らしをしている。
兄が一人暮らしをしているマンションのエントランスに入る。豪華絢爛。
高級感漂うエントランスで部屋番号を押し、呼び出す。しばらく呼び出し音が鳴った後
「…爽咲?どーしたん?」
「兄ちゃーん。遊びに来たよー」
と手を振ると、ガラス製のスライドドアが開く。中に入り、エレベーターで兄の住む階層へと上がる。
まるでホテルや高級旅館のような内廊下を進み、部屋の前についてピンポンを押す。
するとガチャッっとドアが開く。爽咲の兄はドアを開け
すぐリビングへ続く廊下へと歩いていったので、まるで自動ドアのようだった。
「お邪魔しまーす」
と言いながら玄関に入り、靴を脱ぎ、リビングへ続く廊下を進む。
まるで高級ホテルの大浴場の洗面所のような洗面所で手を洗いうがいをする。
「オーラでいい?」
リビングへ入ると爽咲の兄が爽咲に向かって言う。
「うん。ありがとー」
めちゃくちゃ広いリビングのソファーに腰を下ろす。そのリビングの大きな窓からは街並みが見下ろせる。
「ほい」
爽咲の兄がガラス製のローテーブルにソラ・オーラの入ったグラスを置く。
「ゆっくりはできないからな?ちょっとしたら行かないとだから」
「うん。わかってるよ」
なぜこんな高級マンションに暮らせているのか。
爽咲の兄、颯希(さつき)はホストクラブ「Run’s On1y」というお店に所属するホストであり
さらにそこのナンバー1ホストであるからだ。
「聞きたいことがあってきたんだよね」
「ん?なに?」
「友達の友達がさ?「私に惚れたら火傷するぜ?」って言われたらしいんだよね?
それで、それってフラれたのかな?って聞かれて、オレも恋愛経験少ないし
ここは恋愛経験豊富な兄ちゃんに聞こうかなって」
そう言われた颯希は爽咲を見ながら自分用に入れたソラ・オーラを飲み、グラスをローテーブルに置いて
「それ爽咲の話だろ」
と言う。そう言われた爽咲はキョトンとして
「ん?いや、学校の友達の砂奏の友達の話だけど」
と言う。
「じゃあそれ、その友達の話だな」
「…どーゆーこと?」
「「友達がー」って入りの話は十中八九本人の話。これ世の常」
「そうなんだ?」
「そう。覚えとけ?爽咲」
「うん!」
と頷いた爽咲だったが
「…ん?てことは砂奏の話だったってこと?…ってことは砂奏は誰かに告白したってこと?」
と今さらになって気がついた。
「ま、そーゆーこったな」
「…明日詳しく聞かないと…。あ、ちなみにそれってフラれてんのかな?」
「…んん〜…。ムズイなぁ〜…。たとえば友達だとしたら、友達の関係が気に入ってるから
それを崩したくないから冗談っぽく言ってるってパターンもあるし
友達じゃないんならぁ〜…んん〜?“オレが告って、相手が…”(“ボソボソ”)
…ま、どっちにしろ、もしかしたら相手にも恋愛感情なくはないのかもだけど
だからフラれてはないかも、だけど、今の関係を崩したくない。って可能性は充分に考えられるな」
「…なるほど?」
とスマホにメモする爽咲。その様子見て
「相変わらず真面目だなぁ〜爽咲は」
と呟いた。そして颯希が出かけるというので一緒に家を出る爽咲。
「んじゃ、気をつけて帰れよ?」
「うん!兄ちゃんもあんま飲みすぎないようにね?」
「…飲むのが仕事みたいなもんだしなぁ〜」
「体壊すよ?」
「心配どうも」
と言った後
「爽咲も、勉学もいいけど、他のことも学ぼうとしろよ?処世術とかな?」
「兄ちゃんは処世術の天才だもんね」
「…」
ジト目で爽咲を見る颯希。
「褒め、られてんのか?」
「褒めてる褒めてる」
純粋な目(まなこ)で頷く爽咲。
「…ま、いいや。ありがと。とりあえずちょっとでいいから勉学以外にも目を向けろ?
勉強より役立つことって、意外と多いからな?」
と爽咲の頭に手を置いて笑顔で言う颯希。
「うん!」
「じゃ、またな?いつでもー…は、いないときもあるからあれだけど
昼には大概家いるからいつでも遊びに来い?って今でもいつでも遊びに来てるか」
「うん!また行くね!」
と爽咲は家へ、颯希は仕事へ出かけた。砂奏は夜ご飯が終わった後
「ねえ兄ちゃん?」
と自分の兄、水奏にも聞いてみることにした。
「ん?」
「友達の話なんだけどさ?女性から「惚れると火傷する」って言われたら
それってフラれたってことだと思う?」
「…」
「あぁ〜」とは言っていないが、「あぁ〜」と言うように口を開けて、斜め上に視線を向けて一瞬考えたが
「…知らん」
考えるのを速攻でやめて結論を出した水奏。
「え?」
「オレんとこ男子校。告白のどーこーなんて知らねぇよ」
「ま、そうだけど、中学のときとかさ」
「んなダセェセリフ吐くやついなかったわ。それに中学んときからバスケバスケだったし。
まー告ったこともあったけど、周りの女子に言われてだからな。
勝算あったし。てか勝算しかなかったし。正味全然わからん」
「そっか…。ありがと」
「んー」
と部屋に戻った砂奏。
「…友達の話って…。勉強バカにも好きな人ができたか…」
兄の水奏にもバレていた。