テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

意味がわからず目を瞬かせる俺に、ゆらゆらと瞳を揺らめかせた雅輝は、ゆったりと口を開く。


「お互い仕事をしている間は、離ればなれになるでしょう? 今日は仕事をしている陽さんを見かけることができてラッキーって思えたんだけど、ハイヤーが俺の視界から消えた瞬間から、なんだか寂しくなってしまって。陽さんの全部をひとりじめしたくなっちゃったんです」

「そ、そうだったのか」


雅輝の告げた言葉の意味が、やっと理解できた。同じ立場にいたら、間違いなく俺も同じ気持ちになるだろう。だってコイツは、この世で一番俺が好きなヤツなんだから。

背けていた顔をもとに戻しながら、まじまじと俺を見つめる雅輝の顔面を鷲掴みにして、立っていた場所に移動させた。


「雅輝、あんまり見つめるな。そのうち俺の顔が、溶けてなくなるかもしれないぞ」

「しょうがないじゃないですか。ひとりじめしたいって考えたら、陽さんにすっごく逢いたくなった。両腕で抱きしめて、そのぬくもりを感じたくなりました。今朝まで一緒だったのに……。俺のエンプティランプ、午後から点灯しっぱなしなんですよ」


(出たよ、雅輝の直球。投げつけられる俺の身にもなってほしいくらいだ)


「雅輝のエンプティランプが消えたところで、渡すもの渡して俺は帰る」

「俺がこれを食べるところを、陽さんは見なくていいんですか? しあわせになれませんよ」


夜が遅いことと昨夜一緒にいたことを考え、さっさと帰る提案をしたというのに、雅輝が引き留めることを告げた。


「さっきのセリフで、俺のお腹は満たされてる。とってもしあわせだ」


言いながら半歩後ろに下がった途端に、雅輝の右手が俺の肩を掴む。思わず「ひっ!」と声をあげてしまった。


「陽さ~ん、どうして俺から逃げようとしてるんですか? せっかく俺のエンプティランプが消灯したのに、今の行動で半分くらい減ってしまったかも?」

「なっなんでだよ?」

「このまま帰すわけないでしょう。甘味で腹が満たされても、心までは満たされないんですからね」


したり笑いをした雅輝を見て、これ以上抵抗しても無駄だと悟り、素直に身を捧げた橋本。ふたりのラブメーターは満タンになったのでした。


愛でたし愛でたし♡


☆完結したのに、またお話が浮かんでしまいました。次回は恭介たちとゴーカート場にてダブルデートになります。お楽しみに!

不器用なふたり この想いをトップスピードにのせて

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

125

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚