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居場所

2 - 第2話

♥

55

2025年01月10日

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口調迷子アリ、歌舞伎町の構造よく分かりません!年齢操作アリ







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不破「ふぁ……。明那おはよ」

三枝「!えと、……おはようございます」

明那は少しぎこちなく挨拶する。

不破「あ〜、そういや言っとらんかったな。俺は不破湊。何とでも呼びな」

三枝「えと…じゃあ、不破さん。」

不破「ん。せや、今日は俺夜から仕事だから…今は昼やし飯食べるか」

三枝「!ありがとうございます」

不破「別にそんなかしこまらなくてもええけど…とりあえず、冷蔵庫なんかあるかな」

淡い期待を込め冷蔵庫の扉を開けると…

エナドリの缶が三缶ほど。

不破「…………なんもなかったわ。」

自分が自炊してたのなんて一人暮らし最初の1年くらい。その後は仕事で生活乱れきってたせいもあり、自炊をしなくなった。

明那も冷蔵庫を覗くと、わぁ…と声が漏れる。

不破「んぁ〜…エナドリも少ないし、スーパー行くか。明那は人混み平気?」

三枝「あ…大丈夫です、!」

不破「了解。出る支度しといて」

三枝「…はい!」

…言った後で気づいた。とりあえず部屋着は俺の使ってるけど、明那って外の服なくね…?

不破「あ、明那!」

三枝「なんですかッ!?」ビクッ

不破「明那って外の服ないよな?」

三枝「…?あぁ…確かに、?」

不破「あ〜…マジミスったわ。ちょ、今はこのパーカー着て誤魔化しといて!」

俺は比較的小さいパーカーを引っ張り出し、明那に渡す。

三枝「わ、!ありがとうございます…!」

不破「いーえ、あとこれ下…運良くあったから。キツかったり緩かったら言ってな」

三枝「すみません…本当ありがとうございます。」

明那が履いてみるとピッタリ。いらないと思っても高校の時の残しといて良かった…まぁこんな事になるとは思わんかったけど。

不破「じゃあ行こ!」

財布とスマホを肩掛けカバンに入れて、帽子とマスクとメガネを掛ける。こんなに変装するのは、姫と鉢会ってもバレないため。

俺が駆け出すと、後ろから焦ったような足音が軽やかに聞こえてくる。


外に出たはいいが、明那は明らかに緊張してます、と言っているような顔で辺りを不自然に見ている。

そいえばほとんど外に出たことがないんだったっけ。…そりゃ確かに周りは物珍しいものばかりであろう。まぁそんなに気を張っていてもしょうがないし…急すぎて生活の事以外何もかも聞いていなかったから、せっかくだし基本情報でも聞こうか。

不破「そいえば明那って何歳なん?」

三枝「あ、えっと…16歳です」

不破「高一かぁ。」

三枝「えと、不破さんは?」

不破「じゃあ逆に何歳やと思う?」

三枝「………うーん。20、…いや、23?いやそこまで歳いってないかも、22?」

不破「んは、どれも不正解!正解は24歳。」

三枝「えぇっ!?!?…あ、すみません」

不破「別にええよ。明那がめっちゃ真剣に考えとるのも面白かったし。むしろホストやから、若く見られた方が嬉しいわ」

三枝「良かったです。…一瞬10代かとも思いましたけど…大人っぽいから違うかなって」

不破「そっかぁ。でも明那も大人っぽく見えるなぁ」

三枝「え、俺も?」

不破「おん。なんか30代みたいや」

三枝「30…、!?なんでよ、俺そんなじじクサかった!?」

不破「にゃはは、」

三枝「にゃははじゃなくて〜っ!!!」

そんなこんなしていると、意外と早くスーパーに着く。

不破「よし、着いたで」

三枝「こ、ここが噂のスーパー、!!」

不破「噂て、笑」

明那といると、本人にとって新鮮なのもあってオーバーリアクションが面白くて久しぶりに心から笑ってしまう。きっと元々明るくてみんな笑顔にしてしまうような子なんだろう。

不破「なんか食べたいものある?」

三枝「ん〜………、?よくわかんないの食べてたしピンと来ないかも」

不破「そか、じゃあとりま見てまわろ。」

まず形が見える惣菜から。

三枝「おぉ〜…なにこれ!」

不破「明那、しー…な。これはきんぴらごぼう」

三枝「きんぴらごぼう…へぇ」

不破「こっちはそば。ん〜…まずはおかゆとかうどんのが良いんかな。普段どんな味と見た目の食べてた?」

三枝「えっと…金魚の餌…とか。あとは…こ、こんなの、?」

明那が指差したのは、明かりのついていない職員しか通れない部屋のところだった。

真っ黒。黒。…黒?

不破「…どゆこと?」

三枝「なんか臭くて…味しないやつ」

不破「あ〜、焦げたやつか。」

焦げたにしても真っ黒過ぎる気がする。

しかも金魚の餌とか…食べ物やないやん。今までどうやって生きてきたんだよ。そう問いかけたくなるが、喉のすんでの所で我慢する。

不破「じゃあ、とりあえず薄味のやつ試してみるか。…とりあえずおかゆの塩味?お米買って、あとうどんの袋も買っとくか。」

だしのつゆも買っておく。とりあえずろくなもの食べてなくても食べて平気そうなものを選んでいく。

明那はただきょとん、としながら着いて行った。


不破「…ふ〜…。これくらいあれば大丈夫やろ。」

そのあとは、行きと同じように話しながら帰った。明那は閉鎖的な家にいたせいか、知識がもの凄い程に偏ってて時々戸惑うけど…表情には出さないようにしている。ホストをやっていて良かったと思った。

とりあえずお米を炊いてレシピ通りにおかゆを作ってみる。

明那からは絶賛で、こんなあったかくて美味しいのは食べたことがない…と。

正直めちゃくちゃ緊張したし嬉しかった。

料理作って良かったって思うのは、もしかしたら…初めてかもしれない。







next…▶︎

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