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雨音がこっちに来たのはいいけど、どうやらここら辺は全く知らないらしい。まあ結構遠くに住んでいたから当たり前ではあるけれど、一から教えなければならない。まずは家からだろうか。
「ここがリビング、そして向かいが両親の寝室。」
「上に行ってすぐが俺の部屋。奥は雨音兄さんの部屋。」
俺が家のことを教える度に雨音はうんうんと頷いている。
「部屋見てもいいですか、?」
どうやら前の家では自分の部屋が無く、強い憧れがあったらしい。
自分の部屋だと聞いてテンションが上がったのか、期待して扉を開ける。
中にはベッドや机、本棚など、生活に困らない程度に物が配置されている。
実は葬儀の前日、どうせ誰も引き取らないだろうからと、あらかじめ部屋を用意していた。
「すごい、!です!」
敬語は辞めてくれないが、初めての自室に心を躍らせているのは分かる。
「ベッド、ふかふかです、!」
前は敷布団だったため、ベッドに寝るのは初めてらしい。まるで小さい子がはしゃいでいるような感覚だ。
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あっという間に夜になり、各自寝る用意をしていた。だが、雨音はまだ慣れないのか、ずっとそわそわしており、落ち着いてはいるのだが、落ち着いていないかのような雰囲気を出している。
「明日からは学校だから、早めに寝てね」
そう言うとビクッと全身を震わせ、全力で頷いている。
やはり可愛い、このまま俺の物に出来たら……なんて。