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「行ってきます」
姉
「行ってらっしゃい!!」
あれから、お姉ちゃんは満面の笑みで迎えに来てくれることが多くなった
前とは違う、無理して笑っているような顔ではなく、
自然な笑顔だった
母
「待って!」
「!」
母
「これ、持っていって?」
母に渡されたのはお弁当?だった
母
「頑張って作ったよ」
「…!ありがとう…!」
楽しみだな…
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もう田中がいなくなったから地獄ではない
あの優しい女の子の辛そうな顔も見なくて済む
弟子たちの幸せそうな笑顔を思い出すと、気持ちが軽くなる
お母さんの笑顔、お姉ちゃんの笑顔を思い出すと私も笑顔になってくる
「人助けっていいなぁ…」
電車の席でボソッとつぶやく
?
「な〜にが人助けって?!」
?
「ふざけるんじゃないわよ!」
ぁ゙…?
誰だろう…
私が殺した人の関係者かな?
でも私は悪い人しか殺していない
田中の父
「健を殺した…お前はただの人殺しだ!!」
健…?
…田中の下の名前って…
健だったよな…?
っていうことは田中の両親か
田中の母
「何で!!何で健を殺したのよ!!」
「…全部田中が悪いんですよ…」
田中の父
「殺したのはお前だろう!!」
「…電車で騒がないでください」
田中の母
「そんなの無理よ!!息子が殺されて…落ち着いていられると思っているの?!」
「私は落ち着いていられるのでわかりませんね笑」
田中の父
「…!お前はただの殺人鬼だ!!」
「…っ?!」
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私には嫌いな言葉がある
それは「殺人鬼」
私が殺してきた人々は、悪質な人ばかり
そんな…そんな、ただ人を殺すような人と同じにしてほしくないの
何回も言っているけど、
私の殺しは平和のため
殺人鬼の殺しは自身のため
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「私は…殺人鬼ではない…」
「確かに、人を殺して喜びを感じることはある…」
「でも、それを感じるのは悪いことをしてきた人たちだけよ!!」
「殺人鬼だったらとっくにお前らを殺してる!!!!」
「あんな奴と一緒にしないで!!!」
つい、むきになってしまった
電車の中で大声を出してしまった
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休み時間の時
女の子
「ねぇ、ボーっとして、どうしたの?」
また優しい女の子が話しかけてくれた
「あ、なんでもないよっハハ…」
女の子
「そう…?」
私は考えごとをしていた
田中の両親はなぜ警察に通報をしなかったのだろう、と
通報していたら警察がまず最初に来るだろ う
もし、通報していなかったら、両親が調べて位置情報をつかんだ…
通報しない理由があるとしたら、両親に知られたくない秘密がある…
まぁ、ただの推測だけど…
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さっきのことを思い出すと腹が立つ
私は、自分を守るために、女の子を守るために殺したのに
なんで私が責められるの?
もちろん、警察官も許してくれないと思う
警察も、私を殺人鬼にすると思う
人を殺したら何も聞いてくれないの?
殺して、自分を、他の人を守っちゃだめなの?
この世界は狂っていると思う