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ゆりかご.
149
ゆでだこ
77
すう
320
僕の目の前には……僕がいた。
「……何で僕がもう一人?」
僕?「んー……。分身、みたいなもんかな。」
「分身……。」
僕?「あ、もちろん君が偽物ね。」
……は?
僕が偽物……?
「僕は偽物じゃない!僕は僕だ……!」
僕?「じゃあ自分の名前、言ってみろよ。」
「あぁ!もちろん!僕の名前は……ッ、名前は……。」
あれ?
何で名前が出てこない?
もう一人の僕はニタニタと笑っている。
「僕は……誰?」
僕?「そりゃそうだ。名前がなきゃ、自分が誰かもわからない。……“おまえ”はただの僕の分身だ。そして、“おまえ”が冒険してきたこの世界は……僕の夢の中の世界だ。」
「ゆ……め……?」
もう一人の僕は頷く。
僕?「ここは僕にとっての夢……いわば幻想の世界。まあ、安直に名前をつけるなら……“幻想郷”、だな。」
理解できない僕を置いてもう一人の僕は説明を続ける。
僕?「僕は夢を見てるから、直接は幻想郷に行けなくてね……。僕の分身である“おまえ”を送り込んで、その生活ぶりを見て、楽しんでいた。……途中まではね。」
もう一人の僕は続ける。
僕?「君は僕にとって“解釈違い”な対応ばかりされていた。霊夢はもっと素直な良い子だし、レミリアはもっとカリスマ的存在だ。紅魔館のメンツは“おまえ”みたいな部外者にあんな対応はしない。特に、フランはもっと凶暴だ。お空もパジャマなんて着ないし、電話なんて持っていない。君が起こした僕にとっての“解釈違い”が積み重なり続けた結果……紅魔館と地霊殿は消えたんだよ。」
そんな……なんだよ、それ………。
僕?「紅魔館や地霊殿は幻想郷の世界観を保持する大切なオブジェクトだ。それらが消えてしまったら……ついに、現実世界と融合を始める。……僕は、ずっとこの世界を楽しんでいたいから、そういうの、困るんだ。……だから、君には死んでもらって、新しい僕を置かせてもらうことにした。“解釈違い”な対応をされない、完壁な自分をね……。」
もう一人の僕はずいっと僕に近寄る。
「……なんだよ。」
僕?「12時間。」
「………?」
僕?「君の余命さ。残り12時間。それが過ぎたら全て、“なかったこと”になる。」
「……そんなこと、本当にできるのか。」
僕?「うん、もちろん。」
「……イヤ、と言ったら?」
僕?「抵抗の余地はない。」
もう一人の僕は邪悪な笑みを浮かべる。
……何をされるか、わかったもんじゃないな。
とんでもないことをしてきそうな笑みだ。
僕?「今はまだ焦らなくて良いさ。僕は“おまえ”が残された時間のうち、どんな行動を取るか見守らせてもらうよ……。」
「………。」
僕はまっさらな土地の上で立ち尽くしていた。
……やっぱり、消えてしまったんだな。
霊夢「ち……地霊殿が消えちゃった……。」
チルノ「どーなっちゃってんのよ!?」
魔理沙「おい!ナマズ!お前が原因じゃなかったのかよ!?」
火主「シ、知ラナイ!確カニ俺ハ蜃気楼ヲ操レルガ、ソノ、紅魔館?ヲ消シタ覚エハネェ!」
魔理沙「うそだろ……?じゃあ、他に原因が……?」
霊夢「そうみたいね……。」
「……ねえ、みんな。」
霊&魔&チ「「「ん?」」」
「……みんな、いつの間に着替えたの?霊夢とか巫女服着てたし、魔理沙は魔法使いみたいな格好をしていたよね……?」
……そう。
彼女たちはごくごく平凡な、年頃の女の子の格好をしていた。
霊夢「はあ?確かに私は巫女だけど、流石に異変を解決する時は厚着するわよ。」
チルノ「厚着をするなんて臆病ね!半袖短パンのあたいこそさいきょーよ!!」
魔理沙「そうはならねえだろ。」
そんな……。
まさか、コレがさっきあいつが言っていた“現実と幻想の融合”?
周りを見渡すと、自販機や電線がわたされた電柱が一定間隔で設置されている。
魔理沙「なあ……?大丈夫か?確かに地霊殿が消えたのはショックだったと思うが……。」
僕はふらふらと歩き出していた。
行くあてなんてどこにもないのに。
……進んでも、無意味なのに。
「行かないと……もう、時間が、ない。」
魔理沙「お、おい!どこ行くんだよ!」
僕は石につまずいて、派手に転んでしまった。
魔理沙「やっぱり変だって!無理しないで、休んでくれ!」
僕は……僕は……なんで、夢の中でわざわざ優しくされているんだろう………。
僕は、何も持っていないし、何者でもないのに。
………僕はそのまま、意識を手放した。
残り11時間55分
さっさと決断したらどうだい?“おまえ”。
「……ここは?」
目が覚めたら見知らぬ天井。
どうやら、僕は室内で眠っていたらしい。
魔理沙「あ!起きた!」
見ると、魔理沙が心配そうにこちらを覗き込んでいた。
魔理沙「地霊殿が消えた後、アンタすっごい混乱してて……倒れちまったんだよ。」
「………ここは?」
魔理沙「私の家。狭くてぼろっちいけど、勘弁してくれ。」
「……助けてくれてありがとう。でも、行かないと……。」
起きようとすると魔理沙が僕を抱きしめて止める。
魔理沙「ダメだ。まだ休んどけ。そんなに急がなくても良いだろ?というか、どこに行くんだよ!」
「でも………。」
魔理沙「なあ……どうしたんだよ?何か悩んでるなら私でよければ相談に乗る。だから……もう少し、ここにいてくれ。」
「………。」
魔理沙「頼むよ………。」
窓の外の景色は雨で曇っている。
話せないから、辛いんだ。
話せないから、黙って見送って欲しいんだ。けど、魔理沙は決して僕を離してくれない。
彼女の体は、とても、ひんやりとしていた。さっきの地底の暑さとは正反対。
……僕は黙ったまま、再びベッドに横になった。
………。
しとしとと雨が降っている。
雨は気まぐれだ。
自分勝手だ。
全て雨のせいにしてしまいたい。
………僕は何を考えているんだ。
ベッドのそばに置かれた椅子に座っている魔理沙に、少し聞いて見る。
「……そういえば、霊夢たちは?」
魔理沙「あいつは火の主を連れて一旦神社に戻った。」
「どうして?」
魔理沙「地底の暑さで汗をかいたから、体を洗いたいって……。」
あぁ、なるほど。
「……でも、何で火の主を連れて行ったの?」
魔理沙「アイツ、ああいうちっこいのが好きでさあ……きっと今回のもアイツのお気に召したんだと思う。あーゆーところは年頃っぽくて可愛いんだけどなあ……。」
「飼ってくれるの?」
魔理沙「うん。そうっぽい。」
「僕も持て余してたし、それがちょうど良いや。」
魔理沙「火の主は俺ハペットジャネエ!とか騒いでたけどな。」
「はは……らしいなあ。」
………。
魔理沙「なあ。」
「ん?」
魔理沙「そっち……行っても良いか?」
「え?」
僕が答える間もなく、魔理沙は僕が入っているベッドに潜り込んできた。
「えっ!?ちょ、なにしてんの!?」
魔理沙「さみぃんだ……。ちょっとあったまらせろよ。」
魔理沙が僕の隣でひっついてくる。
「さ、寒いなら魔理沙がこのベッド使いなよ!僕はもう大丈夫だから!」
魔理沙「だめ。あんたがいたほうがもっとあったかいだろ……?」
魔理沙がとても積極的だ……。
さすが夢の世界、といったところか。
あいつならこれを“解釈違い”と呼ぶんだろうな。
結局、二人で一緒に寝ることになった。
「初めて会ったときさ、魔理沙紅魔館で寝てたよね?何であんなところにいたの?」
魔理沙「……本、読んでたんだ。」
「へえ?本読むの好きなの?」
魔理沙「あぁ。紅魔館の図書室は結構デカくてな……。全部の本読むってなったら……多分一生かけても達成できないな。」
「そんなに………。」
魔理沙「早くこの異変解決して、また本読みてえなあ〜!」
魔理沙が僕の隣でのび〜んと体を伸ばす。
いい匂いがふわっと香る。
「……僕も、早くこの異変を解決して、消えてしまったみんなと会いたい。」
魔理沙が伸びをやめてこちらに寝返りを打つ。
魔理沙「……やっぱり、なんか隠してるでしょ。」
「………。」
魔理沙「なあ、ちょっと話してみようぜ?私でよければだけど。あんたが何言っても私は笑わない。信じて。な?」
……自分が夢の世界の住人と言われたら、彼女はどう思うのだろうか。
……どうも、思わないのかな。
話しても……いいのかな。
足が少し触れ合って気がつく。
体がひんやりとしていたのは彼女ではなく、僕の方だった。
「実は………。」
そこからは何を話したのかよく覚えていない。
一つ覚えているのは……本当に彼女は親身に僕の話に耳を傾けていてくれたことだ。
魔理沙「なんだ、そんなことか。」
「………?」
魔理沙「そんなの、答えは簡単だぜ。あんたが死ぬ必要も、この世界が消える必要もない、みんながハッピーな選択肢を新しくつくっちまえばいいんだ。」
「そんなの、どうやって……。」
魔理沙「それは私には思いつかねぇ。でも、アテがあるんだ。」
「………?」
魔理沙「アイツは何でも知ってるし、会いに行く価値はある。」
「誰なの?」
魔理沙「八雲紫。もうアテにできるのはアイツぐらいだ。」
きっと、その人も、夢の世界の住人だ。
でも、魔理沙がこれだけ言う人なんだ。
だったら、僕にできることはたった一つ。
「……よし。その人に会いに行こう。」
彼女のことを信じることだ。
魔理沙「よし来た。……へへっ、それだよ。その顔が見たかったんだ。」
いつの間にか雨は止んでいた。
暖かい日差しが暗い部屋の中に窓を通して、注がれる。
と同時に、扉が叩かれる。
魔理沙「ん?誰だ?」
魔理沙がベッドから抜け出して、来客を迎えに行く。
魔理沙「はーい。今行きまーす。」
霊夢「お邪魔しマンモ〜ス。あん?魔理沙、お前……ウシガエルみてーな顔してんなぁ。いつもの、ウーパールーパーみたいな顔はどうした?」
魔理沙「れ……霊夢みたいだけど違う!誰だ!?お前……!?」
そこには霊夢と瓜二つだが……サングラスをかけ、防弾チョッキを身に纏ったまるで別人のような霊夢がいた。
霊夢?「あぁん?“霊夢”じゃねえよ。“Reimu”だよ。“Re”は舌を巻いて発音するようにって前言っただろカス。」
「レ、Reimu?」
Rei「おっ?お前男連れ込んでんじゃねえか!こいつらS◯Xしたんだ!!」
魔理沙「なっ、何だこいつ〜〜〜!?」
残り10時間
〜一方その頃〜
火主「プハァー!ヤッパ風呂上ガリノ牛乳ハ最高ダナ!!」
霊夢「ちょっと……私の分はとっときなさいよ。」
霊夢(はぁ………。またペットが増えてしまった……。うちは保護団体じゃないのよ。頼まれたからしょうがなくとはいえ……。でも、別に頼まれたらイヤじゃないし?断るのもアレだからもらってるだけだし……。」
火主「途中カラ声ニ出テルゾ……。」
霊夢「はっ!?」
不意に誰かが障子を開ける。
魔理沙「Reimu…来たぞ。」
霊夢「あら?魔理沙一人だけ?あの人は一緒じゃないの?」
魔理沙「(ン?いつもの小言を言ってこない……?)あの人とは誰だ……?」
霊夢「………(片目が潰れている……?)。」
魔理沙「?」
霊夢「あなた、魔理沙じゃないわね。何者?」
魔理沙?「W,What!?私はMarisaだぞ……!というか、Reimuこそ、様子がおかしいぞ!」
霊夢「そのネイティブ発音やめなさい!気に触るわ……。」
Mari「……ドウヤラ、お互い誤解しているようだな。ここは一旦、落ち着こう……。」
霊夢「はい、お茶。」
Mari「ドウモ。」
霊夢「なるほど……あなたには私とは別で相方の霊夢がいるのね?」
Mari「あぁ……。ここは別世界らしいな。困ったぞ、アイツを野放しにすることだけはあってはならない……。」
霊夢「たぶん、うちんとこの魔理沙の家に行ってんじゃないかな。」
Mari「!!それはマズイ……!早く行かないと!!」
霊夢「えっ!?ちょっ!足速っ!!待って!!」
火主「アレ?誰モイナクナッチマッタゾ?」
残り9時間15分
〜一方またその頃〜
チルノ「ばたんきゅう……。」
Rei「いや〜冷たかった。歯がキーンってなったわ(笑)。」
魔理沙「おい!霊夢!妖精をいじめるな!!あと歯がキーンってなるのはチルノと関係ないと思うぞ!!」
Rei「レイムじゃなくて、Reimuだ!!バカタレェ!!」
魔理沙「あぶねっ!?お前銃はなしだろ!!誰も勝てねえよ!!」
Rei「あぁ〜…まだまだ暴れ足りないなあ!!全員、逝き狂わせちまうぞっつってんだろうがよ!!」
妖精A「ひぃぃぃ〜!!あたおかだ〜!!」
「きっと、夢の世界である幻想郷が曖昧になってるせいで、他の世界の幻想郷と交わってしまったんだ!!」
このままだと幻想郷が持たない……!
Rei「イェーーーーーイ!!!!!!」
マシンガンの発砲音があたりにこだまする!
妖精B「うわあああああ!!誰か止めてええええええ!!」
Mari「よお。」
Rei「あっ!そのウーパールーパーみたいな顔は!!Mari!」
Mari「誰がウーパールーパーだこの野郎。」
霊夢「ハァ……!ハァ……!なにっ、このっ、状況……っ!」
魔理沙「ほっ、本物の霊夢だ〜!!」
魔理沙が霊夢に駆け寄る。
魔理沙「良かったぁ〜〜〜!お前があんな奴じゃなくて良かったよ〜!!」
霊夢「どっ、どういうこと……?」
Mari「皆さん、うちのReimuが多大なる迷惑をかけたこと、深くお詫び申し上げます。ほらっ、てめえも謝れビート板。」
Rei「許してちょんまげ(笑)。」
Mari「お前なあ……このっ。」
Rei「いででででで!ちょっ!頭の横ぐりぐりすんなって!悪かった!悪かったよぉ!」
……あの魔理沙はReimuの世界の魔理沙かな?
片目が潰れているところがこの世界の魔理沙との違いか。
そんなことを考えていると突然、木々が倒れる音が鳴り響く!
「!?」
あれは!?
???「うわああああああ!!!!」
魔理沙「何だ!?このクソでけえ怪物は!?」
霊夢「私だ!」
魔理沙「え!?」
霊夢「何となくわかる!これ私だ!」
魔理沙「はあ!?これが!?もう原型ないじゃん!!」
怪物「うわあああああああ!!!!」
Rei「へっ。生憎だがてめえのそのブサイクな顔では何も湧かないなあ!そのカモヅラ、クソガキもちびる顔に叩き直してやるよお!!」
Mari「全く、お前といるといつもこうだ!!」
Rei「つべこべ言ってねえで構えろ!!来るぞ!!」
どうやらReiMariはあの怪物を相手してくれるらしいぞ!
魔理沙「おい!早く乗れ!!」
魔理沙はほうきに急いで乗るよう僕に促す。僕はそれに向かって駆け寄り、飛び乗った!
「乗った!!」
魔理沙「よおし!出発進行!!」
ほうきは豪速球の如く、飛び出す。
下の方はすでに火の海。
そこら中で爆発が起こり、煙が上がっている。
終わりの時が近づいていた。
残り8時間30分
霊夢「どこに行くの!?これ!!」
同じくほうきに乗った霊夢が叫ぶように問う。
魔理沙「紫んとこだ!!そこ行けば多分どうにかなる!!」
霊夢「え!?紫!?あんま私、行きたくないかも……。」
魔理沙「言ってる場合かよ!!ほら!なんかいるから早く撃ち落としてくれ!!」
周りを見ると、翼が生えた人たちがこちらを狙っている!
「まずい!こっち来るよ!」
霊夢「任せなさい!全員撃ち落としてやるわ!!」
霊夢の攻撃は敵をみるみるうちに撃ち落としていく!
???「ゆっくり霊夢よ!」
???「ゆっくり魔理沙だぜ!」
ゆ霊夢「ねえ!私たち確か手相占いについての解説してたよね!?これ、どういう状況!?」
ゆ魔理沙「私たちはどうやら並行世界に飛ばされたらしい!」
ゆ霊夢「今、戦ってるのは!?」
ゆ魔理沙「原作の霊夢と天使界の霊夢たちが戦っているんだぜ!」
ゆ霊夢「天使だから翼が生えてて、飛んでるのね!?」
ゆ魔理沙「その通りだぜ!ちなみに下の方ではReimuとMarisa、怪物霊夢が戦ってるんだぜ!」
ゆ霊夢「うん、何も分からないわ!」
「……!あれは……!?」
???「グオオオオオン!!!」
前の方から魔法使いの格好をした赤いドラゴンが飛んでくる!
魔理沙「うわっ!?でけえ私!?ていうかドラゴン!?やば、避けれない……!」
体当たりの衝撃で僕はほうきから落ちてしまった。
ゆ霊夢「あぁっ!男の人が落ちちゃった!」
ゆ魔理沙「体当たりしてきたのはドラゴン魔理沙!全長50メートルの怪物だ!」
ゆ霊夢「めちゃくちゃでかいわね!もう何でもアリじゃない!」
「うぅ……ここは……?」
???「おはよ。」
「……ふっ、フラン!?」
そこにはあのフランがいた。
フラン「どうしたの?そんなに驚いて。」
僕はフランの部屋で寝ていた。
「あれ?僕はほうきに乗ってて……そしたら、ドラゴンとぶつかって……。」
フラン「ぷっ!あははは!」
フランがおかしそうに笑う。
「な……何?」
フラン「寝ぼけすぎだよぉ。そんなの夢に決まってるじゃん!」
「ゆ、ゆめ?」
フラン「そう。ぜーんぶわるいゆめ。」
「は、はは……。そっか。夢か。」
フラン「うん。こっち来て、いっしょにあそぼ?」
「………うん。」
ゆ霊夢「全部夢なわけないよね?」
ゆ魔理沙「あぁ、もちろん。コイツは寄生フラン。人間を上手くおびき寄せて捕食する奴だぜ。」
寄生「もっとこっちに来て……。」
ゆ霊夢「うわっ!?顔が裂けて口になっちゃった!?何でこの人は逃げないの!?」
ゆ魔理沙「精神干渉を喰らっていて、もうまともに頭を動かせていないんだな。」
ゆ霊夢「と、止まってー!男の人ー!」
ヒュウウウ……ドゴオオオン!!
寄生「!?」
???「おぉー!ここか!」
???「すご!画質良!」
???「ひゃっほーい!綺麗なとこだー!」
???「妖夢ホラゲーじゃないからはしゃいでるぞ。」
妖夢?「だって今回お散歩ゲーですよ!皆さんも嬉しくないですかぁ!?」
(寄生フランと目が合う)
妖夢?「やっぱホラゲーじゃないですかあああ!」
寄生「!!」
ドゴオオオン!!
???「えっ何それ。」
???「なんか出た……。」
妖夢?「X押したら出ましたよ!」
ドゴオオオン!!
???「うおお!!爆発だ!!」
???「このドアから進めそうね。」
Roading…
ゆ霊夢「寄生フランが消し飛んじゃったわ……。今のは?」
ゆ魔理沙「今のはゆっくり実況の世界の霊夢、魔理沙、妖夢、さとりだ。どうやらアイツらはここがゲームの世界という体で放り込まれたらしいな。」
……愉快な四人組……いや、四まんじゅう組に助けられた。
危なかった。
「……急がないと。」
残り2時間
僕は走り出す。
いろんな世界の奴らを横目に置いてひたすらに、走る。
目指す目的地はただ一つ。
八雲紫の居場所。
遠くに見える家屋めがけて、走る。
何でそこに八雲紫がいると確信したのかはわからない。
“無意識”に身を委ねてみた……。
それだけだ。
ゆ霊夢「よく見たらこの人の近くに古明地こいしがいるわ!」
ゆ魔理沙「夢の主の無意識を操って地霊殿と共に消されるのを回避したんだな!」
ゆ霊夢「消される……?一体何のこと?」
ゆ魔理沙「読者さんがわかればそれでいいんだぜ!」
ゆ霊夢「え、えぇっ!?」
「ハァ……ハァ……!」
僕はとうとう八雲紫がいる(であろう)場所にたどり着いた。
が、僕は止まらず、その勢いのまま玄関に突っ込んだ。
扉が吹き飛ぶ。
さすが夢の世界。
全然痛くない。
残り1時間30分。
僕は行く手を阻む壁を突き破りながら、まっすぐ進み、ついに対面する。
???「えっ!?壁が!?えっ!?」
「ハァ……!ハァ……!こんにちは……っ!」
???「えぇ………。」
残り1時間15分
紫「なるほど。夢、ねえ。」
八雲紫。
一般的な少女と変わらぬ背丈をしているにも関わらず、その出立からは知性と妖艶さを感じる。
紫「結論から言うと……私たちにはどうすることもできない。」
「……!そんな……。」
紫「でも!」
「?」
紫「……託すことならできるわ。」
「たく……す……?」
紫「幻想郷は他の世界と混ざり合いすぎて、今にも崩れそうだわ。制限時間が終わって幻想郷が元に戻ることは避けられないでしょうね。……でも、私はスキマを使って外の世界とコンタクトをとれる。この隙間に“助けて!”って感じの手紙を出して、外の世界の誰かに届けば、解決するかもしれない。その人の手によってね。」
「でも、それって……送った手紙がリセットされてしまうかもしれない。」
紫「えぇ。これは一か八かの賭けよ。あなたにとっては辛い選択でしょうけどね……。」
……もし、成功して再び幻想郷が戻ったら。もし、またフランやお空、他のみんなの声が聞けるのなら。
………僕は!
「………やります。紙とペンをください。」
僕はペンを走らせる。
さっき僕が走ったように……いや、それ以上の速さで、必死にペンを走らせる。
残り30分。
届かないかもしれない。
届いたとしても、すぐ捨てられてしまうかもしれない。
でも、やるしかないんだ!
「………できた!」
振り返ると、紫はすでに準備を終えていた。スキマの中の暗黒はまるで僕を試すかのように渦巻いていた。
紫「………紙飛行機型にしたのね。」
「うん。この方が届けっ!って感じがするから。」
紫「届くわ、きっと。信じましょう。」
僕はスキマに向かってメッセージを投げた。どうか、届きますように。
そう思いながら。
スキマはゆっくりと閉じた。
「………さあ。」
僕は深呼吸した。
「………後は待つのみ。」
紫「………。」
僕は縁側に腰掛け、景色を眺める。
………綺麗な夕焼けだ。
そんなことをぼーっと考えていると、紫が話しかけてきた。
紫「………綺麗ね。」
「ああ………。」
紫「………少し、質問しても?」
「いいよ。」
紫「……ここはあなたにとって幻想の世界。それでもあなたはここが好き?」
「……僕はここの人たちに救われた。みんないいやつだ。景色も綺麗だし………。」
紫「………。」
「それに、もう一人の僕はここが幻想の世界とかほざいていたけど……この世界で初めて目覚めた僕にとっては、この世界こそが現実世界だ。」
紫「……そう。なら、良いのよ。」
夕日が沈んでいく。
逆光で紫がどんな表情をしているのかはわからなかった。
紫が手元の懐中時計を確認する。
残り30秒
紫「………そろそろ時間ね。ゆっくり、おやすみなさい………。」
「あぁ………そうするよ。」
光が揺れている。
僕はただそれを立ち止まって見る。
ヒカリが揺れている。
揺れている。
夕日が空と重なり服が赤く染まる。
ヒカリがユレテル。
ユレテル。
僕はそれを見送り、共に目を閉じる。
赤かった視界は、色を失くした。
なにもない。
ここはどこ。
???「だーれだ?」
突然、目を覆い隠される。
「この声は……フラン?」
そう言うと、覆い被さった手はそっと離れ、正面に少女が回り込んできた。
フランだった。
「フラン………。」
僕は彼女を抱きしめる。
彼女は少し驚いた後、またすぐに抱き返してきた。
「ごめん……!僕の力だけでは、君を取り戻せなかった……。本当に、ごめん……。」
フラン「……あなたは頑張ったよ。そう気を落とさないで。」
「………ごめん、ありがとう。」
フラン「あ、見つかったんだ。」
「………?」
フラン「それ。」
フランが指を指す方には僕の手……あの手紙を書いたペンを握った手があった。
「あっ……これはあの時の……。」
フラン「探し物、見つかってよかったね!」
フランがにこっと笑う。
このペンはあの時のものではない。
というか、ペン自体無くしてもいないし、持ってもいなかった。
だけど、そのペンはとても……暖かい感触だった。
僕はそっと立ち上がる。
フラン「……行っちゃうの?」
「あぁ……でも大丈夫。また、絶対に会えるよ。」
フラン「ほんと?約束してくれる?」
フランはその小さな小指を僕に差し出す。
僕は中腰になってゆびきりげんまんをする。
「はい、約束したよ。」
フラン「うん!これで大丈夫だね!」
「じゃ………また。」
フラン「うん………またね。」
「………ここは?」
目が覚めたら見知らぬ天井……いや、青天井か。
僕はどうやら外で眠っていたらしい。
やけに痛い上体を起こし、周りを見渡す。
「ここは……森か?」
END
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魔法の森かな? なんか途中でむちゃちゃ可愛いタヌキ様のとこの四人組出てこなかった?勘違い?けいねさーん!催促してないで助けであげて
おっ、読み終わったわ!第4話「終わり」…なるほどね。 分身の俺が「お前は夢の中の存在」って言い放つシーン、めっちゃゾッとしたわ。名前が出てこない不安とか、自分が誰かわからなくなる感覚がリアルで怖かった。でも魔理沙が「答えは簡単だぜ」って言い切るところでグッときたな。あのひんやりした体温とか、一緒に寝るシーンの温かさが対照的で胸に残ってる。 並行世界のReimuとかMariとか、ゆっくり実況組とか…カオスになってく展開は笑ったけど、その中で「この世界こそが現実だ」って言い切る主人公の意思がかっこよかった。フランとのゆびきりげんまん、泣けるわ…。続き、すごく気になる!🔥