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新たな戦いの日々が訪れた。山口キャプテンとしての初の公式戦。その日、部員たちは不安と期待の入り混じる雰囲気で準備をしていた。
試合前のロッカールーム。山口は皆の前に立ち、言葉を紡いだ。
「みんな、今日の試合は僕たちにとって大きな挑戦だ。でも、これまでの練習でやってきたことを信じて、全力で戦おう。」
一瞬の沈黙が流れ、その後、皆が頷いた。その信頼の絆が強くなっていることが感じられた。試合が始まると、山口のリーダーシップが光った。
「ブロック、もう少し右寄って!」「ナイスセット、続けて攻めるぞ!」
彼の指示が飛び交い、チームは一つ一つのプレーで繋がりを見せた。対戦相手も烏野の勢いに圧倒される瞬間が増えていく。
試合が進む中、緊張のクライマックスが訪れた。セットポイント、大事な場面。山口は心を落ち着けながら、チームメイトたちを見つめた。
「いける、僕たちならやれる。」
その言葉がチームに勇気を与え、最後のプレーが決まる瞬間を迎えた。日向が高く跳び、そのスパイクが相手コートに刺さる。歓声が体育館に響き渡った。
勝利の瞬間、山口は喜びと安堵の涙を浮かべながら仲間たちとハイタッチを交わした。月島もその喜びを共有していた。
「やったな、山口。」
月島が静かに微笑んだ。山口は感激で胸がいっぱいになり、ある言葉が自然と口をついて出た。
「ありがとう、月。本当にありがとう。」
その瞬間、二人の間には言葉にできない強い絆がさらに輝きを増していった。