桜が舞う中、俺は中学生になった。
小学校では障害の事で虐められていた俺、
中学では大人しく過ごそう、好きな人も作らず
ちゃんとした学生生活を送ろう
そう思っていた。でもある日、その想いが
一気に全部崩れることになった。
同じ部活の先輩……
「海老名 将太」彼はそう名乗った、
俺は、海老名先輩に恋をした。
「おはよ~」と朝声をかけてくれたのが
海老名先輩だった。
俺は尽かさず、持っていたリュックサックの
持ち手をぎゅっと握りしめ、口を開いた
「おはようございます。」
声が震えていたんではないかと不安だった
でも海老名先輩は、「おはよw」と言いい、
俺の頭をぽんと撫でてくれた。
その手は、温かく、俺を包み込んでくれた。
優しい声と優しい手、俺はますます
海老名先輩を好きになった。
月日は流れ、1年生の5月。
俺は将太先輩に告白をした。
「あの、将太先輩、、、す、好きです。」
そうボソッとつぶやく俺の声を聞いてたのか
海老名先輩は、口を開いた。
『え?』その反応になるのも無理は無い、
俺は、男で、海老名先輩も、男。
振られても仕方がない。
でも、口からどんどん言葉が漏れていく。
「好きで好きでたまりません、ごめんなさ、、、」
そう言おうとした次の瞬間、
『俺の事好きなの?』と言う海老名先輩の声に
俺は泣いた。
「はい、好きです。どうしようもないぐらい先輩
が……将太先輩の事が好きです」
海老名先輩は黙り込んだ後、重い口を開いて
『ごめん。』と言った。俺は(また振られた、)
と思い、その場で泣き崩れてしまった。
「俺の方こそごめんなさい、迷惑かけて……」
その言葉は、震えてなかっただろうか、
俺は怖くて怖くて、自分の声すら
聞けなかった。海老名先輩は、その言葉に
何も言い返さなかった。
(終わった、嫌われた)そう思っていた、
次の瞬間フワッと何かが追い被さるような
感じがした、俺はふと上を見上げると……
海老名先輩が俺のことを抱きしめていた。
俺は何が何だかさっぱりだった。
(俺は今振られたのに
なんで抱きしめられてるんだ?)と、そう思った
「将太先輩?」そう言っても、海老名先輩は
黙り込んで、俺の事をぎゅっと
抱きしめ続けていた。
「せ、先輩、苦しいよ、」そう言った瞬間
俺の唇に何かが当たった。
「んぅ!?」と驚いたなぜなら俺は、今
大好きな先輩とキスをしているからだ
本当に何が何だかわかんなくなってしまい
頭が真っ白になってしまった。
振られたのに、振られているのに、
先輩とキスをしてしまっているから。
振られているけど、少しだけ嬉しくて、
少しだけ抱き締め返したくて、もう少しだけ、
このまんまでいて欲しいと思ってしまった。
それから数分後、
先輩は俺を抱きしめたまま、こう言った
『このまんまで居たい。』そう言ってくれた
俺は、「え?」と言ってしまった
でも海老名先輩は、俺の言葉を追いかけるように
こう言った『俺だけの物にしたい。だから…』
って、言った。
(嘘でしょ、俺、今…将太先輩に、)ドキドキと高鳴る鼓動...
はち切れそうな心臓……
俺は、それの先輩の言葉を追いかけるように
反応をした。
「し、将太先輩?」弱々しく、
今にも泣き出しそうな声に海老名先輩は、
優しく俺の頭を撫でてくれた。
(あぁ、好きだ。)俺は再びこの感情が溢れてきた。
俺は、将太を抱き返した。将太先輩が吐いた
「好き。」と、小さい声と言った言葉に……
俺は気付かず……
抱きしめたまま、海老名先輩は、
『付き合って欲しい、』
と、行った。俺は
ふと見上げると先輩の顔は真っ赤になっていた。
俺は……
「ふぇ、、、?」 と言うあまりにもダサい声を
出してしまった。でも、海老名先輩は無言のまま、
俺を抱きしめた。俺はもう一度。
「大好き」と先輩の胸の中で言い、
俺も、先輩を抱き締め返した。
これが俺と海老名先輩の恋の始まり。ー
コメント
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すごい