コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
2章:生と死。
11話:偽造の幸せと不幸の努力者。
朝日秀蘭
→痛覚 創造を具現化する能力
導奇秋
→視覚 生死を導く能力
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
キーーィと異質な音をたて、戸が開く。
「+1*3+2、♂1♀2○?×#→|?」
「…そうか。孤児院にいるんだな?しかも三人そろって…」
…奴の調査だと、古代魔法を使う女が一人。視覚障害でも頭の回転がはやい男が一人。…もう一人…?
「まぁいい。結果を残すまでだ。」
ールードレン孤児院
「あ、夏希おはよう。」
「秀蘭、おはよう…!」
「…あれ?いつから二人仲良くなったの⁉︎」
「…シュウにはヒミツ」
「えー!?」
シュウと夏希に釣られて、私も少し笑みをこぼす。こういうのを幸せな時間というのだろう。
…その一言で崩れるほど脆いものでもある。
「な、なに!?」
「この声…。まさか!!!」
夏希が真っ先に外に出る。それを追いかけるように私たちも外に出た。
「ほ、絆累!!??」
そこには巨大な化け物が絆累を襲っていた。
「絆累こっちじゃ!」
「仁男さん!あぶない!」
ガッシャーンッッッ!!!
危機一髪で気づいたシュウが助けた。
「あ、ありがとうございます…」
「みなさん!隠れていて下さい!」
「焔火!!」
夏希が火炎魔法を使い、化け物の腕を焼く。
「夏希の⁉︎」
「ええ!お願い!焼き切れて!」
「ゔっ」
時間差はあったものの夏希の火炎魔法によって、耳につくような叫び声をあげながら化け物は倒れた。
「お、お姉ちゃぁぁん!怖かったぁ!」
「絆累!よかった…。」
泣きながら二人は抱き合う。
「良かった…。」
「…。やはり試作品728号は弱かったか。」
上空から声が聞こえて、私たちは上を見上げた。声の主は男性で、孤児院の向かいの大木の上で、こちらを見つめている。
「だ、誰だ!」
「あ”あ”ゔるさい。なんだっていいだろ。」
そういうと、いきなり私たちに向かって勢いよく降りてくる。
シュウと夏希が構えたのを見て、私はハッとしながら後から構えた。
バンッ!
「え!?」
男は止まって手を突き出したかと思ったら、私たちスレスレに銃弾を撃ってきた。
「じ、銃!?うそ、あんなの当たったら…」
「ちっ、外した。動くなよ。」
バンバンッ!バンッ!
「や、やばいぞ、こりゃあ…!」
「クルが言っていたとおり面倒くさいな。」
(クルってもしかして…!?)
「クル・レイニー⁉︎あいつの仲間なの?」
「え?秀蘭それって誰なの?」
「チェイルで僕たちをいきなり襲ってきた変な少年。エンシロボ団の団長とか」
「俺の前で奴のことを話すな!!!」
急に男が叫ぶ。
「…。はぁ”ぁ”あ”。」
そう深いため息を吐くと改めて話し出す。
「俺はヒノダス図書館の代表兼、館長のダイン・ソウル。奴…はぁ”…。クルと同じ、主に従う五当主の一人だ。」