細かい説明はあらすじに書いてあります。
そっちを先に見た方がいいかも
海陸です
「あー…ミスったな」
完全に迷った。
別に知らない道へ入るのは珍しいことじゃない。 いつもぼーっと考え事しながら歩いてるから、少し迷うこともよくある。
そん時は海に見つかってめんどくさい説教される前に自力で帰るんだけどな。
今回は違う。
知らない道どころか、雰囲気まで違う。
まさか別の街に来たのか。
「睡眠薬でも入れられてたのかよ俺…」
そこでぴたり、と手が止まった。
あながち間違いじゃないかもしれない…?
ああ、そういう事。 ODのせいか。
副作用か何かのせいでいつもこうなるって可能性はゼロじゃない。
それより今は帰る方法を考えるしかない…
スマホの電源はさっき切れた。
どこかカフェにでも入って充電すればいいだろうが、生憎その場所も分からないな。
「マジでどうしよう…」
陸が帰ってこない。
現在2時45分。
いつもは散歩だとしても2時には帰ってくる陸が、まだ帰らない。
電話はさっきしてみたが繋がらなかった。あいつスマホ充電すんのよく忘れてるからそれだとは思うが。
「陸が迷って遅くなることは滅多に無いしな。」
…いや待て。
あいつのOD癖の副作用が悪く当たったってのは有り得るか?
じゃあ連絡手段が無いってのは致命的じゃないか?
色々な考えが頭の中をぐるぐる回る。
探しに行くか。
陸のGPSも圏外みたいだしな。
4時。
そろそろ肌寒くなって来た。
単なる鳥肌かもしれない。
さっきからずっと、誰かに見られてる気がする。
背中が凍りつくような、狙われてるような…?
「こんにちは。」
「?!」
誰だコイツ?
「初めましてですね。もしかして迷子ですか?坊ちゃん」
「ああ…え、はい」
坊ちゃん…俺2000軽く超えてんだけど。
「おや、でしたら好都合」
「は?」
「いえ、何でも。宜しければ一緒に帰路を探しましょうか?」
よし、今すぐ逃げよう。なんか絶対危ないぞコイツ。
逃げてる途中でどっか帰れる道見つかるといいけど…って
「どうしたんですか?逃げられると困ります」
「っンむ」
やばいやばいやばいやばいやばい!!!
足とられて倒れ込んだから体制変えらんねえ…声かけられた時に逃げてりゃ良かった!
あれ、なんか、暗…
6時。
流石にこれはマズい。
「陸ー! 」
ここまで遅くなることあるか。しかもあいつ上着も着ずに出てったから絶対寒いぞ…
GPSが圏外だったから多分別街に行ったんだろうが、そうなったらあいつ誘拐とかされるかもな。顔は無駄に良いから。
無謀だが手探りで探すしかないのか…
待てよ。ここの街ってあの人住んでたよな?
確か陸に好意抱いてたはず。
まさか、いや、十分有り得る話だな…あの人なら手段は選ばないだろうから。
握った手に力が入る。
「…ぁ」
何か…揺れてる?
いや違う、抱き上げられてんのか?
「やっと起きたか阿呆」
「…かい」
海の声だ。
おれ、なにしてたっけ?
「自分がどうなってたか分かるか?まあ、ギリギリで俺が来たから汚されることは無かったが」
けがされ…?
ぼやけた頭でなんとか聞き取ろうとするがやっぱり眠い。
「あ、さては俺の話聞いてないなお前?」
「眠い… 」
「…もうすぐ家着くから寝ていいぞ」
お言葉に甘えさせて貰おう。正直もう意識飛びかけてるんだよな、ありがたい。
暖を取るために体を少し海の方に寄せて目を閉じる。すぐに体の力が抜けた。
コメント
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GPSと書いて犯罪行為と読むんですね分かります なぁーんかブリカス臭が…
犯罪行為のところ草 うぇええん…好き…おぢ○ね