ちょうど春の声が聞こえなくなった時期だった
何もかも無くなった夏だった
空を踊る綺麗な色を持つものなどは見なくなり
夏の声を象徴するものも顔を出す少し前の
冷涼な色彩の紫陽花がこちらを睨んでいる時期の話
空からの眼差しや空の涙まで遮り帰宅してた話
働き者と言われる昆虫が育つ時
薄れかけてきている白い線を揚々と進む君を見てた時
空からの眼差しにより輝いている花を見つめていた日
君と知らない白いドレスの方を傍から祝っていた日
空からの眼差しが弱くなり辺りが灰色になった時間
絶え間なく雨の音が耳鳴りのように響く時間
浴びてた眼差しなど気にならなくなる温度の時間
瞬きした時に消えた君の時間
その時期から、
その日してた話から、
見てたその時から、
時間は止まった
あの時、あの日、あの時期
目を凝らしていれば、君は消えなかった
手を伸ばしていれば、後悔しなかった
耳を凝らしていれば、踏切の音に気付いていた
かもしれない